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「惡の華」は中学生編より高校生編のが好きだという話/最終回ネタバレ

惡の華(1) (週刊少年マガジンコミックス)

[注意]このエントリーでは「惡の華」のネタバレに触れています。

もう完結してからかなり時間が経った作品ですが「惡の華」というタイトルのマンガを全巻読みました。この作品は何年か前に物凄い話題になった作品でテレビアニメ化もされた作品です。本作の中学編は普通の中学生だった主人公がある日魔が差して好きな女子の体操服を盗んでしまいます。それをクラスで孤立して頭がおかしいと思われている女子である仲村さんに見られていた事で、彼は彼女に弱みを握られる形で生活をコントロールされていきます。

 

 

その後は何故か体操服を盗んでしまった女子と付き合ったり、クラスをグチャグチャにしたり、クラス中の女子のパンツを盗んだり、逆レイプされて童貞を奪われてたりと様々な体験を通していき、最後夏祭りで地方テレビの中継がある中で仲村さんと焼身自殺を図ろうとします。しかし最後は仲村さんの手によって彼の自殺は失敗してしまいます。そんな思春期のグルグルした感情を剥き出しにした中学生活によって彼は転校を命じられてしまいます。ここまで中学生編で、とても狭い空間でもがき苦しむ主人公に寂しさを覚えながら一気に読めてしまう魅力を感じました。そしてあの特別な何かになりたく日々もがき苦しんでいた過去を少し思い出したり…

 

この中学生編は世間的にもかなり評判が高いんですが、高校編になるとあまりポジティブな評判は聞かなくなります。そもそも読んでない人も多いのではないでしょうか?ただ自分は凄いスピードで物語が進んでいった怒涛の中学編より高校生編のが好きだったりします。主人公は高校では中学とは打って変わって静かに生活しています。まずこの設定が好きです。中学の時にとんでもないことをやらかしたヤツが普通の顔で地味な高校生活を送っているが、少し陰だけは見せているというこの設定。文章で表すとかなり痛いヤツですし、この設定が好きとかいう自分もかなり痛い気もしますがここは個人ブログなので好き勝手に書いていきたいと思います。

 

 

そんな何か満ち足りない生活を送っていた主人公ですが、高校で一番モテる女の子が中学時代に一番好きだったがあの事件以来読まなくなった「惡の華」を本屋で手にしているの目撃します。そして彼女もまた彼と同じ悩みを持つことがわかり2人の距離は急接近。彼女が小説を書いていることを知り読ませてもらうなど2人の仲は深まります。しかしここであの主人公が体操服を盗んだ後付き合い始めたが別れ、その後逆レイプされ童貞を奪った元カノが登場。彼女と仲村さんが似てることを指摘して、彼女も不幸にするのか主人公に詰め寄ります。そして彼の精神状態は再び闇の中へ… しかし彼女が1人幽霊のように悩んでいる世界で、自分も幽霊のままで生きていくことを否定した彼は覚悟を決めて彼氏とクリスマスを過ごす彼女の元に突撃してそのまま告白します。

 

そして彼と彼女は付き合い始めます。不幸ばかりをばらまいてきた主人公は彼女により幸せを導かれ、彼女もまた彼により幸せを導きます。そして彼は彼女と真の幸せを掴むために仲村さんとの関係に決着をつけます。その後、彼と彼女は東京の大学に進学して、彼は就職して彼女は小説家になって結婚して子供を作って普通の幸せな生活を手にします。(まぁ、妻が美人で小説家って普通なのかという疑問はあるが…)自分がこの物語で好きなのは特別な何かになりたくて暴走していた主人公が普通の幸せに落ち着くところです。そしてあの閉鎖空間である中学時代を同じく過ごした仲間たちがみんな普通の顔をしてそれぞれの普通の人生を歩んでいっているといのも良かったなと…この誰もが幸せになれる権利があるという中学の暴走からの静かな着地点がスゴく素晴らしい作品だと思いました。

 

 

一気に読むと限界まで精神を落ち込まされだ後に物凄く元気が出てくる作品だと思うので本当にオススメです!

幸せになりたいな…