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フジテレビは何故低迷してしまったのか?[踊る大捜査線×笑っていいとも!×SMAP×めちゃイケ]

フジテレビ・全仕事

フジテレビが変わるらしい。どうやら「楽しくなければテレビじゃない」の時代は終わってしまうようだ。いやその予兆は確実にあった。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

あまりこの文脈では語られないが2012年にフジテレビを象徴する人気シリーズ「踊る大捜査線」が、完結した。別にこれは人気が下がったから打ち切りというわけではなかったが、「踊る」ブランドが逆にバカにしていい空気をヒシヒシと感じた。それでも最後のSPドラマ「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」は視聴率21.3%の高視聴率を収め完結編の劇場版「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」は全盛期の173.5億円からは大きく落とすも興行収入59.7億円と年間トップ3に入る大ヒットを記録した。しかしこの頃からテレビ局で大量宣伝すると逆に観に行かなくなる風潮も定着し始めた気もする。何はともあれ1つフジテレビの象徴が消えた印象を受けた。

 

 

その2年後の2014年に「笑っていいとも!」が放送終了した。これはフジテレビの新社長になったばかりだった亀山千広さんがとった初めの大きな政策だった。亀山さんは「いいとも」の視聴率低迷がゴールデンタイムの視聴率にも響いていると判断して「いいとも」の打ち切りを決めた。これは批判されることが多いが、実際「いいとも」の後番の「バイキング」の視聴率が「いいとも」より低迷するとそれと共にゴールデンタイムの視聴率も低迷していった。つまりお昼の番組の視聴率がゴールデンタイムの視聴にも影響を与えているという亀山さんの考えは正しかったが悪い方に進んでしまった印象だ。それでも今は「バイキング」も地道に成長してそこそこの視聴率を収めているからコストの面ではあの時の判断は間違っていなかったのかもしれない。

「いいとも」終了からさらなる低迷を進めたフジテレビは2015年に「FNS27時間テレビ めちゃ²ピンチってるッ! 1億2500万人の本気になれなきゃテレビじゃないじゃ〜ん!!」を放送した。この放送は「本気」をテーマに数々のコーナーを展開したが、平均視聴率は10.7%と前年の13.1%から2.7ポイントダウンしてしまい、瞬間最高視聴率も19.1%と20%を割ってしまうなど散々な結果に終わってしまった。

さらにこの年の放送ではオリジナルTシャツのデザインが白人をバカにするものだというイチャモンにも近い苦情が多かった。なんだかフジテレビを悪意を持って叩いてもいい風潮が出来てしまったように感じた。

恋仲 Blu-ray BOX

またこの年は「月9」枠で再びブームを起こすことを目標に作られた「恋仲」が、初回視聴率9.8%と「月9」史上初の一桁スタートとなってしまい「月9」ブランドを本格的に終わったという風潮が完成し始めてしまった。それでも本作は最終回に生放送を行うなどフジテレビらしい企画力で最終回では11.5%を記録するなど持ち直しはしたがそれでも「月9」ブランドの低下を印象付けるには十分な出来事だった。

 

 

その翌年の2016年はさらに低迷を続け毎年恒例の「27時間テレビ」を総合司会なしでリレー形式で行う新しい挑戦を行なった「FNS27時間テレビフェスティバル!」を放送したが、総合司会がいない「27時間テレビ」にもはやお祭り感はなく平均視聴率は7.7%と歴代最低記録を更新してしまい本格的にフジテレビは見られないというイメージを完成させてしまった。

さらにこの年は「SMAP解散」という大事件も起こった。この騒動の報告のためフジテレビはSMAP冠番組SMAP×SMAP」で生放送の時間を用意した。

この放送は平均視聴率31.2%・瞬間最高視聴率37.2%と高視聴率を記録してこの年の視聴率ランキングでは紅白歌合戦(2部構成)に次ぐ第3位(民放では1位)の成績を収めている。しかし高視聴率の反面放送内容は賛否を呼び「公開処刑」とまで評された。

そのままSMAPは解散決まってしまったのでフジテレビは看板番組の1つである本番組を失わざる得なくなってしまった。

またこの年は「月9」も本格的に低迷してしまい4クール連続で平均視聴率二桁に届かない惨敗振りを見せてしまった。

貴族探偵 Blu-ray BOX

翌年2017年は「月9」枠の30周年記念作品として「嵐」相葉雅紀主演の「貴族探偵」を放送した。本作は豪華キャストを集めて製作費を注ぎ込んだ鳴り物入りの一作であったが平均視聴率は8.6%とボーダーと言われた15%には大きく届かず本作の放送中に亀山千広社長の退任が決定した。

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その後「月9」は山下智久主演の人気シリーズ「コード・ブルー」のシーズン3で平均視聴率14.6%をマークして持ち直すも、篠原涼子主演「民衆の敵」が最終回視聴率4.6%と「月9」史上ワースト視聴率を更新してしまう大惨敗で、翌日のネットニュースではフジテレビ中に落胆の声が上がりとてもドラマ制作部と宣伝部には近づかない様子が報道された。「月9」枠も今がまさに正念場だ。

 

 

そしてついに2018年に長寿バラエティである「とんねるずのみなさんのおかげでした」と「めちゃイケ」がついに3月で放送終了。惜しまれる声が多く見られる中終了発表後も視聴率の回復は見られず低迷が続き時代の終わりを感じずにはいられなかった。

2018年3月31日(土)の「めちゃイケ」最終回5時間スペシャルを最後にフジテレビは変わろうとしている。「めちゃイケ」の最終回はまさに「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチコピーに放送してきたフジテレビが変わるため避けられない儀式なのだろう。これから先フジテレビがどう変わっていくのか?それは今は知る由はない。