今回は『3年A組-今から皆さんは、人質です-』の感想です。
ストーリー
菅田将暉演じる教師が3年A組(以下3A)の生徒を爆弾を使って人質に取り立て籠り事件を起こす。3Aは半年前に水泳でオリンピック代表候補に選ばれながらもドーピング疑惑が持ち上がり自殺した女子生徒が居た。菅田将暉は3Aのクラスメイトに「彼女死んだ理由を考えろ。分からなかったら1人ずつ命を奪う」と課題を与える。
また菅田将暉は本事件をエンターテイメントとして楽しむ『Mind Voice(マインドボイス)』という現実世界ではTwitterの様なSNSの利用者全員に対して身代金を課金する様に要求する。
果たして彼女は何故自ら命を絶ったのか…
そして菅田将暉の真の目的は…
以下『3年A組』のネタバレ
10日間のSNSから見える菅田将暉像
菅田将暉は10日間生徒を人質に立て籠もるが、この期間菅田将暉は意図的に自身の世間からの見え方像を演出する。
第1段階 生徒を人質に取る凶悪犯
菅田将暉は生徒を人質に取り課題を与えて、生徒が課題を失敗すると生徒を次々と殺した。
SNSはその報道を受けて菅田将暉を凶悪犯としてフルッボコに叩いた。中にはこの展開をエンタメとして楽しむ事を公言する書き込みも目立った。
第2段階 実は菅田将暉には目的があった!
菅田将暉は課題に失敗した生徒を殺したと思われていたが、実は殺していなかった!そして菅田将暉は3Aで自殺した生徒の謎を解明する為に立て籠もっていると目的が判明。更にその犯人はこの学校の教師である事を匂わせる。
するとSNSは早速掌を返して菅田将暉を絶賛し、ヒーロー扱い。少し前までフルッボコに叩いていた事実も彼が実際に立て籠り事件を起こし学校を爆破してる事実も忘れて賞賛の書き込みが溢れる。
第3段階 人気タレント教師が犯人!
菅田将暉は自殺した水泳選手のドーピング疑惑のフェイク動画を作ったのをタレントとしても活躍している先生だと断定する。また女子生徒がなくなる直前にタレント先生その生徒と会っていた動画も公開され、タレント先生が女子生徒が殺したという疑惑が浮上する。
タレント先生はフェイク動画の作成を依頼した事は認めるも、殺人については否定。しかしSNSは根拠なくタレント先生を殺人犯と推定有罪を押し付けて大バッシングを始め、人気タレントを正義の刃で追い詰める事に快感を得たという書き込みも多くなる。
第4段階 本当の黒幕は菅田将暉
しかしその後動画のタレント先生は菅田将暉の顔の上に合成されたフェイク動画だった事が判明する。SNSは菅田将暉を殺人犯と断定して、再びフルボッコに叩き始める。
第5段階 動画自体がフェイクだった
実は公開されていた動画は最初から最後まで菅田将暉がSNSの反応を二転三転させ滑稽さを浮き彫りにさせる為のフェイク動画だったと明かされる。つまりSNS利用者は菅田将暉の策略にまんまとハマっていたのだ!
SNS利用者に訴える菅田将暉
#3年A組
— 超テッキー (@wTBDh) 2019年3月10日
SNS全盛のこのご時世だからこそ色々と考えさせられますね。悪口なんて簡単に言っていいわけがない。 pic.twitter.com/hUvH4iFuKl
3Aの生徒が自殺した理由はSNSの書き込みだったと訴える菅田将暉。キッカケはフェイク動画だったとしても、根拠が無い証拠で叩かれた挙句その動画がフェイク動画だと判明してもその真実は殆ど広まらない。だから世界中の人が敵に見え始めた女子生徒は自ら命を絶ったと説明される。そして菅田将暉はSNSに書き込む人に対して生配信をしてSNSの不用意な書き込みの醜さを訴える。その時菅田将暉は「お前に言ってるんだよ!」と吠える。多くの人が後ろめたさを感じた様に劇中のSNSに訴える演出をしながら、テレビの前で見ている視聴者に対してSNSの問題を訴えていたのは明らかだろう。
最後に…
『3年A組』最終回の視聴率は15.4%と番組最高視聴率で有終の美を記録した。特に後半5週間は右肩上がりの推移で連ドラとして一番理想的な形だと思う。ただ永野芽郁が最後にナレーションをしていた様にこのドラマが高視聴率を記録してもSNSの倫理観は大きくは変わらないのだろう。だがドラマの最後で書き込みを止めた人のように、1人でも多くの人が自身の書き込みで誰かの人生を狂わせる可能性に気付かせたいという気持ちからこのドラマを作ったのではないかと思う。自分もSNSの書き込みには気を付けていきたいです…