『金曜ロードshow!』でテレビ初放送された『カメラを止めるな!』が視聴率11.9%を記録して今年の同番組最高の視聴率を記録したという。
今年の『金ロー』最高視聴率!
カメ止め金ロー放送、視聴率11、9%!え、そんなもん?って思う人いるかもかもだけど、今年の金ローの最高視聴率だそうです。当日の視聴者数は映画館で観た全人数のざっと2倍3倍を超えると思われます。そう考えるとすごい。冒頭40分CMなしを始め英断を下してくれた金ローに感謝https://t.co/fZoDMThhUz
— 上田慎一郎 (@shin0407) 2019年3月11日
この結果に上田監督も大喜び!また『カメ止め』は放送前に『「ルパン三世」最新作、「スターウォーズ」が大コケ、「金ロー」に異変で“嫌な予感” | デイリー新潮』という記事が出る程注目度が高かった為、日テレサイドとしてもホッと一安心出来た事だろう。
ただ新年入ってからの『金ロー』の視聴率が残念だった事実は変わらない。上に貼った記事にも書かれている様に近年はジブリ作品もギリギリ二桁は記録するものの視聴率は低迷状態。宮崎駿監督作品ですら放送する度に前回の放送時の視聴率を大幅に下回る歴代ワースト視聴率を記録してしまうケースが少なくない。
また『ルパン三世』シリーズ6年ぶりの完全新作ストーリー『グッパイ・パートナー』は視聴率8.7%と大苦戦。更に興行収入40億円超えの大ヒット洋画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ラ・ラ・ランド』を2週連続拡大枠で地上波初放送した結果、前者が6.9%で後者が7.2%と低視聴率に終わった。『金ロー』は2014年に『ダークナイト ライジング』を拡大枠で地上波初放送した結果、その年ワースト視聴率8.6%と失敗して以来アメコミ映画の拡大枠をやめた。これからは実写洋画、特に『ラ・ラ・ランド』みたいなオリジナル作品は基本的に拡大しないで放送もしくは放送すらしないという状況になるかもしれない。
ただ放送前は『カメ止め』がコケれば『金ロー』も終わりかと言われたので、何とか首の皮一枚で繋がった形となったと言えるだろう。
昨年放送の高視聴率映画は!?
上田監督のTwitterのコメント欄を見ると「10%くらいで高視聴率か…」というリプが少なくない。大前提製作費300万円の低予算映画がロングランで興行収入30億円超えの大ヒットを記録して地上波で放送された時点で前代未聞の凄さを誇る。その凄さを前提に11.9%は高いのか?
2018年地上波映画視聴率ランキングTOP10
❶君の名は。
❷相棒 劇場版Ⅳ
❸ハウルの動く城
❹となりのトトロ
❺ジュラシック・ワールド
❻もののけ姫
❼ホーム・アローン
❽魔女の宅急便
❽紅の豚
❿猫の恩返し
まず昨年の映画視聴率ランキングトップ10。1位は興行収入250.3億円を誇る『君の名は。』で17.4%を記録。実写邦画のトップは興行収入19.2億円の『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断 』で15.8%を記録して全体でも2位の高視聴率。第10位の『猫の恩返し』は12.2%とトップ10作品は全て視聴率12%を超えている。つまり『カメ止め』の11.9%は2019年地上波放送映画の視聴率でトップ10に入れるか入れないかのボーダーな数字だといえる。
昨年地上波初放送の実写邦画
ただ上記に挙げたランキングの殆どはスタジオジブリ作品が占めている。比較対象としてはやはり昨年地上波初放送された実写邦画だろう。以下が昨年地上波初放送された実写邦画の視聴率と興行収入だ。
作品名 興行収入 視聴率
『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』19.2億円 15.8%
『22年目の告白 -私が殺人犯です-』24.1億円 11.7%
『DESTINY 鎌倉ものがたり』 32.1億円 11.4%
『君の膵臓をたべたい』 35.2億円 10.4%
『ミックス。』 14.9億円 10.4%
『本能寺ホテル』10.1億円 9.8%
『三度目の殺人』14.6億円 9.5%
『ちはやふる−上の句−』16.3億円 9.1%
『斉木楠雄のψ難』10.0億円 8.5%
『海賊とよばれた男』23.7億円 8.4%
『帝一の國』19.3億円 8.2%
『昼顔』23.3億円 7.8%
『四月は君の嘘』14.2億円 7.3%
『謝罪の王様』21.8億円 7.2%
『ちはやふる−下の句−』12.2億円 6.3%
『銀魂』38.4億円 5.2%
『ボクの妻と結婚してください。』5.5億円 3.6%
拡大枠や公開から放送までの期間(殆どの作品が公開から約1年で放送)・放送曜日・裏番組の兼ね合いなど様々な要素が絡むため一概には言えないが、興行収入31.2億円の『カメラを止めるな!』の視聴率は昨年放送の実写邦画の中なら第2位の数字だ。相対的に見ても興行30億円クラスでも11%台は高水準と言えるだろう。特にテレビ受けする俳優が出演していない事を考慮すればトップクラスの数字だ。昨年映画興行を見る限り今年の地上波初放送の実写映画で本作を上回る可能性があるのは興行収入93.0億円の『劇場版コード・ブルー』くらいだと予測される。昨年1位の『相棒』同様連ドラが高視聴率だったので、余程のことがない限り13%以上はほぼ確実だろう。ちなみに一昨年興行収入38.4億円で実写邦画No. 1ヒットだった『銀魂』の地上波初放送の視聴率は5.2%とワースト2位。テレビ東京でなければ二桁乗った可能性もあるが、製作局なのでどうしようない部分だ。
地上波初より再放送のが強い!
意外なのか意外でないのかは不明だが、映画放送は地上波初放送より繰り返し放送している作品のが強い傾向にある。『金ロー』だとジブリやハリポタで「何度目だよ!」とツッコミを入れられるが毎回基本的に二桁は硬いから下手に冒険するより高視聴率が獲得出来る。
また『金ロー』に限らずフジは今年の1月に『マスカレード・ホテル』の公開タイアップで2週連続放送された木村拓哉主演の『HERO』は1週目が11.8%で、2週目が11.2%と繰り返し放送されてるにも関わらず高視聴率を獲得している。また昨年もフジは『テルマエ・ロマエ』が11.2%、『ハッピーフライト』が10.8%と繰り返し放送されてる作品が大半の地上波初放送を上回る数字を記録している。これは『相棒』シリーズにも当てはまるが、テレビで映画が数字を取るのは定番が大事なのかもしれない。
最後に…
グダグダ書いて結局よく分からないことになってるけど『カメラを止めるな!』は高視聴率おめでとうございます!冒頭37分をノーカットで放送したのは凄かったです。『金ロー』にはこれからも頑張って欲しいです。応援してます!