興行的に振るわなかった実写邦画シリーズ第2弾です。
興行収入: 8.2億円
配給: ワーナー・ブラザース
あらすじ: とにかく人を騙したい映画
しつこいくらい「観た人全員騙される…」を押す予告編が話題になった本作は、『HiGH&LOW THE MOVIE』や『たたら侍』のLDHが製作したサスペンス映画。全国329スクリーンで春休み興行として封切ったが興行収入10億円に届かない「嘘だー!」と予告編の斎藤工張りに叫びたくなる結果となった。ところで斎藤工は『コーヒーが冷めないうちに』の「-4回泣けます-」のキャッチコピーを「受取手の感情を断定するなんて無礼」と斬り捨てたけど本作のキャッチコピーはどう思ってたんだ?感情ではないからセーフ?
坂道のアポロン
興行収入: 3.7億円
配給: 東宝
あらすじ: 転校生と不良がジャズ
『このマンガがすごい! 2009』オンナ編で1位を獲得し、第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞した女性向け人気コミックスの実写映画版。Hey!Say!JUMPの知念侑李が主演を張り、スイーツ映画のヒットメーカー三木孝浩監督がメガホンを取り全国289スクリーンで春休み映画として封切られたが興行収入3.7億円の惨敗となった。例年東宝が春休みに公開するティーン向けスイーツ映画は大ヒットするのに… と冬休み興行のエントリーでも書いたな…
曇天に笑う
興行収入: 2.58億円
配給: 松竹
『踊る大捜査線』『亜人』の本広克行監督がメガホンを取り、福士蒼汰主演で人気コミックスを実写映画化した作品。女性向けを狙って原作の女性キャラをカットして、イケメン俳優がダンスを踊るプロモーションをするなど地雷感が半端なかったが松竹はワーナー・ブラザースの人気コミック原作の大ヒット時代劇『るろうに剣心』『銀魂』に続く大ヒット映画になると確信して興行目標は30億円の大台を目指していた。しかし全国313スクリーンで春休み映画として封切られた本作は週末映画興行ランキングトップ10圏外という厳しいスタートを切り、最終興行は2.58億円と目標の10%にも届かない大コケとなった。冬休み映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の大ヒットの貯金を一気に下ろしてしまうこの曇天には流石の製作陣も笑う事は出来なかっただろう。
いぬやしき
興行収入: 7.5億円
配給: 東宝
あらすじ: ジジイと高校生が新宿で空中バトル
『GANTZ』の奥浩哉原作の人気コミックを『GANTZ』の実写映画版の監督を務め2部作合計興行収入62.7億円の大ヒットに導いた佐藤信介監督が再びタッグを組んで実写映画化。主演に『とんねるずのみなさんのおかげでした』が打ち切りになったばかりの木梨憲武を迎えたVFXアクション映画。全国313スクリーンで封切られたゴールデンウィーク映画だったが、「人気コミック×フジテレビ製作×東宝×人気俳優」と大ヒットの方程式を踏んでいたにも関わらず惨敗の結果に… 同日にハリウッドのVFX大作『レディ・プレイヤー1』が公開されていたのも痛かった。新宿を封鎖したロケ撮影やデジタルヒューマンという最新技術を取り入れたVFXアクションなど力を入れた意欲作だっただけに厳しい結果となって残念だが、これからもチャレンジを続けて欲しい。
となりの怪物くん
興行収入: 5.01億円
配給: 東宝
あらすじ: 優等生と問題児のラブコメ
『君の膵臓をたべたい』で興行収入35.2億円の大ヒットを叩き出した月川翔監督がメガホンを取り、菅田将暉と土屋太鳳のダブル主演で人気少女漫画を実写映画化。劇中歌と主題歌を西野カナが担当した事で、3人が集まる舞台挨拶イベントは東宝の予測値を大きく上回るファンが押しかけた事で当選者200人が入場出来なかった事も話題になった本作。注目度も高く大ヒット間違いなしと思ったが、全国287スクリーンでゴールデンウィーク映画として封切られたが興行収入は5.01億円と惨敗だった。ちなみに同年に西野カナが主題歌を務めた『3D彼女』もコケた。個人的に『アイラブユー』はメチャクチャ好きだけどね!特にアイスクリームとブラックコーヒーの発音が好き。
ママレード・ボーイ
興行収入: 3.8億円
配給: ワーナー・ブラザース
あらすじ: 両親がパートナー交換してシェアハウス
累計発行部数1000万部を超える大ヒット人気コミックを桜井日奈子と吉沢亮主演、廣木隆一監督で実写映画化した青春恋愛映画。離婚した両親がパートナーをチェンジして再婚してシェアハウスに住むというアレな設定を実写化した事で「…」感が増した事も話題になった。『となりの怪物くん』と同日に全国293スクリーンでゴールデンウィーク映画として公開したが興行収入3.8億円と共倒れの結果となった。少女漫画の実写映画は冬の時代に直撃している。
孤狼の血
興行収入: 7.9億円
配給: 東映
柚月裕子の同名小説を役所広司、松坂桃李、江口洋介らの共演、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌監督で映画化したアウトロー映画。「東映十八番の任侠映画が帰ってきた!」と映画関係者の中では話題になり日本アカデミー賞や『キネマ旬報』など作品の評価も高かったが、全国337スクリーンで封切られて興行収入7.9億円という結果はもう少し欲しかったというのが製作側の本音だろう。続編の製作が決定しているので『アウトレイジ』シリーズ同様を重ねるごとに興行収入を伸ばす人気シリーズになることが理想だ。
のみとり侍
興行収入: 6.3億円
配給: 東宝
あらすじ: 左遷された阿部寛の時代劇コメディ
鶴橋康夫監督と阿部寛がタッグを組んだ時代劇コメディ。インパクトのあるポスターと予告編から同じく阿部寛主演の大ヒットコメディ映画『テルマエ・ロマエ』に続く大ヒット作になるかと期待されたが、全国327スクリーンで公開され興行収入6.3億円と厳しい結果に終わった。作品評価は「前半は面白い!前半は!後半は聞くな!」という劇場に足を運ぶには二の足を踏む口コミが目立った。
妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII
興行収入: 9.46億円
配給: 松竹
平田家の人びとが直面する大騒動をユーモアにたっぷりに描いた山田洋次監督による喜劇映画シリーズ第3弾。1作目の興行収入は13.8億円、2作目の興行収入は9.31億円なので僅かにV字回復。全国337スクリーンで封切られているので、松竹としてもコンスタントに10億円台前半を稼げる人気シリーズに押し上げたいところだろう。
恋は雨上がりのように
興行収入: 7.0億円
配給: 東宝
あらすじ: 女子高生が子持ちバツイチの店長に恋
テレビアニメ化もされた眉月じゅん原作の同名コミックを、小松菜奈と大泉洋共演で実写映画化。作品の評判は良かったが、全国301スクリーンで封切られ興行収入は7.0億円と10億円に届かない結果となった。東宝配給作品の不調が目立つ梅雨だった。
最後に…
『いぬやしき』良かったよ!クライマックスのリアルに再現された新宿での空中アクションは最高だったよ!オススメだよ!次回は6〜8月編です!