興行が振るわなかった実写邦画シリーズ第3弾。6〜8月編です。
OVER DRIVE
興行収入: 4.6億円
配給: 東宝
あらすじ: 日本版『トップガン』
『海猿』シリーズの羽住英一郎監督がメガホンを取り公道自動車レース「ラリー」に生きる兄弟の葛藤を描いたヒューマンエンタテインメント。オリジナル脚本で日本版『トップガン』を目指した意欲作として全国301スクリーンで封切られれたが興行収入は4.6億円と大コケだった。製作が電通なのでマイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー』張りに広告出しまくりでどこまで収益が挙げられるかに挑戦して欲しかった。少し茶化すような紹介になってしまったがオリジナル映画の挑戦はこれからも続けて欲しい。電通らしさが前面に出てるのは個人的に好きだ。
羊と鋼の森
興行収入: 5.5億円
配給: 東宝
あらすじ: ピアノ調律師の成長物語
2016年・第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都の小説を、山崎賢人の主演で映画化。試写会に天皇皇后両陛下がご臨席してご高覧された事も話題になったが、全国319スクリーンで封切られるも興行収入5.5億円と大コケとなってしまった。4・5・6月は東宝配給作品の不調が目立つシーズンだった。
パンク侍、斬られて候
興行収入: 3.0億円
配給: 東映
あらすじ: パンク
芥川賞作家・町田康が04年に発表した異色時代小説を綾野剛主演、宮藤官九郎脚本、石井岳龍監督で映画化したエンタテインメント作品。配信系会社のdTVが製作のため、本作は「大手会社ではなくなっているやりたい放題自由にやる」をコンセプトに破茶滅茶な意欲作に仕上がっている。ただ興行的にはそのシュールさ上に大衆には受けず全国324館で封切られ興行収入3.0億円の大コケとなってしまった。ただ製作のdTVは本来配信限定作品の予定だった本作を劇場で全国公開し、上映終了後に独占配信して更なる収益を得てるので今後の映画ビジネスの新たなスタイルになる可能性も秘めた作品。
虹色デイズ
興行収入: 5.45億円
配給: 松竹
あらすじ:17の特権
集英社「別冊マーガレット」に連載された水野美波原作の人気少女コミックを実写映画化した作品。松竹としては夏休み前に封切る事で本作が学校で話題になり夏休みに多くの女子高生が劇場を訪れる事を想定して全国318スクリーンで封切られたが、最終興行は5.45億円と振るわず。中川大志主演作品としては『坂道のアポロン』に続き不発となった。また松竹は本作の興行がひと段落すると想定していた8月から『青夏 きみに恋した30日』を公開する事で夏休み興行を青春映画2本でヒットを狙ったがこちらも大コケした。ティーン向け青春映画は本当に入らない時代になった。それにしても2作品ともイメージカラーが爽やかな夏を感じさせる青だな〜
BLEACH
興行収入: 5.41億円
配給: ワーナー・ブラザース
あらすじ: 霊感の強い高校生が死神に!
『週刊少年ジャンプ』で連載され全世界累計発行部数1億2000万部を超える久保帯人原作の大ヒットコミックスを『GANTZ』『アイアムアヒーロー』の佐藤信介監督が実写映画化したアクション大作。ワーナー・ブラザースとしては第2の『るろ剣』を目指して公開前から続編を視野に入れ、『BLEACH 死神代行篇』として全国329スクリーンで公開されたが興行収入は5.41億円と近年の人気コミックスの実写映画化の中でもワーストレベルの大コケだった。ワーナー・ブラザースとしては『テラフォーマーズ』『ジョジョの奇妙な冒険』『鋼の錬金術師』とシリーズ化を狙った作品が連続でコケ、佐藤信介監督作品としても『いぬやしき』に続き2連続コケ、福士蒼汰主演作品としても『曇天に笑う』に続く2連続コケと悲惨な状態となった。ワーナーは今後人気コミックスの実写映画化とは違う方向も模索する方針を示している。
SUNNY 強い気持ち・強い愛
興行収入: 9.5億円
配給: 東宝
あらすじ:韓国映画をコギャルでリメイク
日本でもヒットした韓国映画を大根仁監督でリメイクした青春音楽映画。大根仁監督は東宝で『モテキ』『バクマン。』と連続ヒットを叩き出したが、『SCOOP!』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』で連続コケとなっていた。
映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」公開まで2週間をきりましたー。8/31(金)公開!!テレビスポットもガンガン流れてますー。と、これがヒットしなかったらしばらく映画から距離を置くことにしました!よろしくお願いします。https://t.co/7EXSR18T3d pic.twitter.com/2CE5ciPnKl
— 大根仁 (@hitoshione) 2018年8月19日
その為大根仁監督は公開前にTwitterで本作がヒットしなかったらしばらく映画から距離を置くと宣言。
あれ?あの頃、世界最強の生き物だった女の子たちが役人とか蟻とか銀魂とかヘリコプターとかゾンビとかCGに負けるのかよ?アラフォーアラサー世代はもちろん、全ての世代の女子に観て欲しいんだオレは!https://t.co/Vy25KrnFd6 pic.twitter.com/p7gvsNcOfe
— 大根仁 (@hitoshione) 2018年9月1日
しかしその決意も虚しく全国318スクリーンで封切られた結果は観客動員数ランキング初登場7位。大根仁監督はこの結果に対して上記のようなツイートをして賛否を呼んだ。師匠の堤幸彦も似たような事ブログで書いてたし失礼だという声も分かるけど個人的には全然嫌いではない。むしろ好きなくらいのツイートだ。
今週の強敵はサメかー
— 大根仁 (@hitoshione) 2018年9月8日
初登場7位の翌週にもその週の1位候補に喧嘩を売りに行った姿勢も嫌いじゃない。繰り返すがむしろ好きなくらいだ。ちなみに大根仁監督は本作のヒットとかコケとかに関係なく暫くの間は大河ドラマ『いだてん』の撮影のため映画はお休みするという。好きな監督だからまた映画を撮って欲しい。
最後に…
『BLEACH』はW杯放送中のタイアップCMが多かったな… 次回は9〜11月編!