『名探偵コナン 紺青の拳』がオープニング3日間で動員145万8263人・興収18億8629万2700円を記録するメガヒットスタートとなった。この記録は興行収入91.8億円の前作のオープニングを上回り7作連続オープニング新記録を樹立したという。今回はこの7年間のコナン映画の興行収入を振り返る。
名探偵コナン 絶海の探偵
公開 : 2013年
興行収入 : 36.3億円
今年から7年前の2013年に公開されたコナン映画は『名探偵コナン 絶海の探偵』は全国344スクリーンで封切られたオープニング興行は6億7,154万8,700円で初登場1位を記録して、最終興行36.3億円を記録した。
2週目は『アイアンマン3』『図書館戦争』『藁の楯』など話題作が多く封切られたが1位をキープして『クロユリ団地』公開まで4週連続1位を記録した。実は7年前からMCUはコナン映画に初登場1位を妨げられていた…
ちなみにこの年の冬は『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』を封切り興行収入42.6億円を記録してコナン映画シリーズ初の40億円を突破した。
名探偵コナン 異次元の狙撃手
公開 : 2014年
興行収入 : 41.1億円
2014年に公開された『名探偵コナン 異次元の狙撃手』は全国341スクリーンで封切られオープニング興行7億8,933万2,300円と前年比117.5%のスタートを記録して初登場1位を獲得して最終興行41.1億円とコナン単体の映画としてシリーズ初の興行収入40億円を突破した。
実は本作は公開当時原作でもまだ明かされていない赤井秀一の謎が先行して映画で明かされる事が話題になった作品だ。しかし当時は『アナと雪の女王』がメガヒットしていた為、初登場1位を獲得するのは困難という見方が強かった。そんな下馬評を覆し初登場1位を獲得したのは今思えばコナンの興行伝説の始まりだったと言っても過言ではないだろう。
ちなみにこの年はMCU作品の『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』と同日公開だったが当時のキャップは知名度が無さ過ぎてコナンが強いとかそういう意味でなく『クレヨンしんちゃん』にもボロ負けの初登場4位スタートだった。
また同時期公開のミステリー映画として『相棒』とタイアップしたが、興行収入で殆どダブルスコアをつけられたので右京さんは複雑だった事だろう。
名探偵コナン 業火の向日葵
公開年 : 2015年
興行収入 : 44.8億円
2015年は『名探偵コナン 業火の向日葵』が全国349スクリーンで封切られオープニング興行は8億7,476万2,300円と前年比110.8%のスタートを記録して最終興行44.8億円とシリーズ最高を更新した。公開前は前年が原作に先駆けてネタを明かすというある種の禁じ手を使った作品だった為、前作の興行を下回るという見方が強かったが見事にその下馬評を覆した形だ。
一方でアナ雪にもMCUにも動員ランキングで勝ち続けているコナンはこの年同日公開だった『ドラゴンボール 復活のF』に初登場1位を譲り初登場2位に甘んじた。その後『シンデレラ』か大ヒットした事でこの年は一度も動員ランキング1位を記録出来なかった。流石のコナンもフリーザには敵わないかと思ったが、最終興行ではキッチリと差を付けた。シンデレラには負けたけど…
ちなみにこの年のゴールデンウィークは本来『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』が前世開発公開される予定だったが、『シンデレラ』『ワイルド・スピード』『ビリギャル』『クレヨンしんちゃん』『龍三と七人の子分たち』『寄生獣 完結編』など話題作が集中する激戦区だった為7月公開と延期になり「世界最遅公開」と話題になった。
名探偵コナン 純黒の悪夢
公開 : 2016年
興行収入 : 63.3億円
2016年は20周年記念作品『名探偵コナン 純黒の悪夢』が熊本地震の影響で当初の公開予定より11スクリーン少ない全国348スクリーンで封切られオープニング興行12億915万8,900円と前作比138.2%の驚異的なスタートで初登場1位を記録した。最終興行は63.3億円と製作陣の目標だったシリーズ初興行収入50億円突破を大きく上回りシリーズ初の興行収入60億円突破を記録した。
ちなみにこの年はコナン公開3週目にMCU作品『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』が公開されたが、公開2週目の『ズートピア』にも及ばず初登場3位スタートとなった。それでも2年前の『ウィンター・ソルジャー』のオープニング対比226.3%と前作のダブルスコアを記録していた。興行が上がった理由がキャップの知名度が上がったのか、アイアンマンが出演したからかはキャップの前では触れてはいけない。
名探偵コナン から紅の恋歌
公開 : 2017年
興行収入 : 68.9億円
2017年は『名探偵コナン から紅の恋歌』が公開されたが、「去年は20周年で黒の組織絡みの特別な映画だったから今年は流石に下がるだろう」という見方が強かった。しかし全国368スクリーンで封切られた本作はオープニング興行12億8,692万8,000円と前作比106.4%で初登場1位を記録して、最終興行も68.9億円と前作を上回った。
ちなみにこの年のゴールデン・ウィークはMCU作品はなく『美女と野獣』が大ヒットした。
名探偵コナン ゼロの執行人
公開 : 2018年
興行収入 : 91.8億円
2018年は『名探偵コナン ゼロの執行人』が全国384スクリーンで封切られオープニング興行12億9,600万円と前作比100.7%と初登場1位を記録した。東宝はこの年のコナン映画の公開日が金曜初日をスタートして、本作はオープニング3日間で16億7,113万6,900円を記録している。東宝が金曜初日を任せただけの事はある結果をシッカリと出してくれた形だ。また本作は「ゼロ落ち」「安室を100億の男に」などファンの口コミがTwitterで独自のフレーズを生み出し広まるという今までのシリーズにはない興行展開をした。その結果最終興行は91.8億円と前作を大きく上回る結果となり、国内アニメ映画としてはスタジオジブリ作品を除き『君の名は。』に続く歴代2位のヒットとなった。
一方でこの年はMCUが10年間積み上げてきた完結編の前編である『アベンジャーズ インフニティ・ウォー』がコナンの3週目に公開されるも初登場2位に甘んじた事も話題になった。一部海外メディアでは「MCUが日本の探偵アニメに負けた」と報じられた。
最後に…
今年の作品はは前作に比べるとやや地味な印象も受けるので「流石に今年は下がるかな…」と思う一方で、「いやいや、今のコナンの勢いはヤバイぞ!」という思いも浮かぶ。オープニングは歴代最高を見事に更新したが、最終興行は果たして?こテレビアニメシリーズ初の興行収入100億円突破にも注目が集まる。また3週後の『アベンジャーズ エンドゲーム』の週末動員ランキングも大注目だ。果たしてMCUが雪辱を果たすのか、それともコナンが首位を守るのか?はたまた意外な作品がコナンの1位を食い止めるのか?とにかく大注目のゴールデンウィーク興行の幕開けだ。