朝から『マトリックス4』の製作発表という「楽しみだけど地雷感ヤバイな…」という報道と「『スパイダーマン』MCU離脱か」という頭を抱える報道の2つがあった。今回は後者の『スパイダーマン』の方をテーマに書く。
スパイダーマンMCU離脱について友達に「何で?どういうこと?」と聞かれて説明がめんどくさい人のためのアメコミ映画界大人の事情4点セット。https://t.co/Ks5PXIrlVphttps://t.co/Uhnu4B95XChttps://t.co/i5ZrbSgd6k
— ウラケン・ボルボックス📕『侵略!外来いきもの図鑑』🐢好評発売中🐝‼️ (@ulaken) 2019年8月20日
スパイディ、映画の中でも外でも大人の事情に振り回されてて不憫でしかない。 pic.twitter.com/22KGAFcdPN
大前提として出版社のマーベルは経営が苦しい時に『スパイダーマン』の映画権をソニー・ピクチャーズに、『X-MEN』の映画権を20世紀FOXに売った過去がある。だから後にマーベルが立ち上げた映画スタジオのMCU映画に当初『スパイダーマン』と『X-MEN』のキャラクターは登場出来なかった訳だ。
ソニーはサム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズを大ヒットさせることに成功するが、シリーズ4作目は監督とソニーの交渉が決裂したことからシリーズの打ち切りが決定。そのためソニーはリブート版を製作することを決める。しかしリブート版の『アメイジング・スパイダーマン』はMCUが1つ目の集大成映画として公開した『アベンジャーズ』が記録的な大ヒットをした同じ年の2012年に公開されるも興行的に伸び悩み、2014年に公開された続編の『アメイジング・スパイダーマン2』に至っては製作費2億ドルに対して全米興行も2億ドルと国内での製作費回収がギリギリの状況まで追い込まれた。
そこでスパイダーマンを『アベンジャーズ』に登場させたいMCUと「スパイダーマンブランド」を復活させたいソニーの思惑が一致して、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは2作目で打ち切り、再びリブートすることを決定。2017年に公開された『スパイダーマン ホームカミング』は製作費1.75億ドルに対して、全米興行3.34億ドルの大ヒットを記録して「スパイダーマンブランド」を見事復活させた。
そして今年公開された続編の『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』はシリーズ初の世界興行10億ドルを突破してソニー・ピクチャーズ映画歴代1位の興行収入を収めることに成功した。
スパイダーマン、MCU離脱へ…ディズニーとソニーが交渉決裂 #スパイダーマン #マーベル #トムホランド https://t.co/G5TruWvVdI
— シネマトゥデイ (@cinematoday) 2019年8月21日
ここまでならディズニーとソニーが仲良く手を取り合って「めでたし、めでたし」という感じだったけど、今日の朝の報道によるとディズニーとソニーの交渉が決裂したことでスパイダーマンが再びMCUを離れる可能性が高いそうだ。
記事によると現在は「マーベルがスパイダーマン映画の興行収入の約5%を受け取る」という契約だが、ディズニーは「今後はスパイダーマン映画の製作費を半分負担するから、興行収入の半分をマーベルが受け取る」契約を希望したという。ソニーはディズニーが新たに持ちかけてきた契約を断固拒否。
ソニーは「どうして自社最大のフランチャイズ作品の権利をディズニーに半分もあげなくちゃいけないんだ!」という言い分で、ディズニーは「ソニーが散々低迷させた『スパイダーマン』のブランドを復活させたのは我々ディズニーが配給するMCU作品として公開したからだ。『ファー・フロム・ホーム』がソニー歴代1位のヒットを記録したのもディズニーの『アベンジャーズ エンドゲーム』が大ヒットした影響が大きいのは火を見るより明らかだ。そもそもMCUの大きなプロットを作っているのはこちら側だし、ソニーはそのおこぼれを頂戴しているに過ぎない。だからソニーは大人しくスパイダーマンの権利を半分、我々ディズニーに渡せばいいんだよ」みたいな言い分。
スパイダーマンにMCU離脱の可能性か ─ ディズニー/マーベルとソニーが資本関係めぐる対立 | THE RIVER
→ MCUとの繋がりはなくなる一方、『ヴェノム』とのクロスオーバーの現実味が高まった格好 https://t.co/HSLvlfdDmP
ソニーは「もうスパイダーマンの人気は復活したし、土台もシッカリとしてるからMCUとの提携がなくても大丈夫」という考えが強いらしく、『ヴェノム』とのクロスオーバーも出来るし「そろそろMCUとは縁を切って自由にやりたいな」という思いの方が強いのかもしれない。
ただし現在もまだ交渉中の段階でスパイダーマンのMCU離脱が正式に決まったわけではないという。しばらくは「静観」が必要そうだ。
追記
【続報】
— THE RIVER (@the_river_jp) 2019年8月21日
『スパイダーマン』マーベルとソニーの対立報道は「誤解」 ─
ソニー側が声明発表、ケヴィン・ファイギのプロデューサー離脱のみ認める#スパイダーマン #アベンジャーズ #マーベル #ディズニーhttps://t.co/oQVktQCQlm
ソニーは「対立は誤解」とするも、「出資や利益分配など資本面交渉」の対立と交渉の決裂を認めている。
追記2
【全文和訳】
— THE RIVER (@the_river_jp) 2019年8月24日
『#スパイダーマン』ソニー/マーベルの対立報道、#トム・ホランド と #ケヴィン・ファイギ 社長がコメントを発表
ホランド「これからも演じつづける」
ファイギ社長「(提携が)永遠に続くという意味ではなかった」#アベンジャーズ #マーベル #ディズニーhttps://t.co/CzAcGodkhw
MCU離脱の明言を避けているが、示唆とも取れるコメントを発表している。