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『カイジ』『金田一少年』『しんちゃん』『コナン』『高木さん』『ジョジョ』増え続けるスピンオフ漫画

近年人気マンガのスピンオフ作品が増えている。

 

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

1日外出録ハンチョウ(1) (ヤングマガジンコミックス)

代表例は福本伸行の人気マンガ『カイジ』シリーズのスピンオフ作品である『中間管理録トネガワ』と『1日外出録ハンチョウ』だ。前者は宝島社の「このマンガがすごい!2017年」・オトコ編第1位受賞しており、6巻までの累計発行部数は200万部超え。テレビアニメ化もした。また後者も「このマンガがすごい!2018年」・オトコ編第8位を受賞しており両作品とも高い評価を収めており、中には「最近の『カイジ』本編より面白い!」という声すらある。

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

 
1日外出録ハンチョウ(1) (ヤングマガジンコミックス)

1日外出録ハンチョウ(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

 

 

金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(1) (週刊少年マガジンコミックス)

また同じく講談社の人気マンガ『金田一少年の事件簿』のスピンオフマンガ『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』も人気がある。これらの作品はネット上で度々話題になり、知名度を伸ばしている形だ。また『犯人たちの事件簿』に関しては本編のエピソードを犯人視点で振り返る構成のため、「久々に本編も読み直してみたいな」と思わせる作りになってるのも高評価ポイントだ。

 

野原ひろし 昼メシの流儀 : 1 (アクションコミックス)

近年のスピンオフマンガは『カイジ』『金田一少年の事件簿』のように「いい意味でネットでネタにされて話題になる」という傾向が強いが、「悪い意味でネットでネタにされて話題になった」のが『クレヨンしんちゃん』のスピンオフマンガ『野原ひろし昼メシの流儀』という作品。ネットでは「自分を野原ひろしと思い込んだサイコパスが主人公の漫画」などとネタにされているが、実際問題作品からは『クレヨンしんちゃん』へのリスペクトも『グルメマンガ』へのリスペクトも感じられられない誰得作品になっているのは紛れも無い事実。それでもネットでは話題になるのだから、『クレヨンしんちゃん』のブランド価値は未だ高いのだろう。

 

 

名探偵コナン 犯人の犯沢さん(1) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン ゼロの日常(1) (少年サンデーコミックススペシャル)

金田一少年の事件簿』が大ヒットしたことから「『サンデー』の『金田一』を作れ!」という編集部の指示で生まれた『名探偵コナン』も、『犯人たちの事件簿』の後を追うように『犯人の犯沢さん』というスピンオフ作品の連載を開始。ただ『犯人たちの事件簿』とは異なり本編との関連度は薄く、リアリティラインの低いパラレルワールドを舞台にしている。また『名探偵コナン』から安室透を主人公にしたスピンオフ作品『ゼロの日常』も連載。『創 2019年5・6月号』によると『ゼロの日常 2巻』は「大手3社のコミックス初版部数ベスト15(2018年4月〜2019年3月)」の小学館の枠で第1位の『名探偵コナン 95巻』の70万部に次ぎ、50万部で第2位。また『犯人の犯沢さん 3巻』も28.5万部で第6位にランクインしていて、この数字はあの話題作『からかい上手の高木さん 10巻』の28万部や『空母いぶき 11巻』の24万部を上回る。『名探偵コナン』の小学館への貢献度はかなり高そうだ。そのうち黒の組織のスピンオフ作品も出るのではないかと邪推してしまう。

 

からかい上手の(元)高木さん (ゲッサン少年サンデーコミックス)

一方で先程話題に出した『からかい上手の高木さん』も高木さんと主人公が結婚して子供が生まれた将来の日常を描くスピンオフマンガ『からかい上手の(元)高木さん』が連載中。こちらも3巻の初版発行部数は20万部と11位にランクインしており、『深夜のダメ恋図鑑 5巻』の17万部など話題作を上回る数字を出している。小学館のベスト15をみるとスピンオフ作品や過去の人気作品の続編ばかりで埋め尽くされていて少し不安になる。

 

 

岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)

また『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』も2巻は初版発行部数52万部で集英社の部門で第9位と高い結果を残しており、本編の『ジョジョリオン』の初版を上回る。やはり荒木飛呂彦先生本人が執筆していることに加えて、岸辺露伴が登場する第四部がテレビアニメ化されて知名度が上がったことなどが影響しているのだろう。

岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)

岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)

 

 

スピンオフ作品が充実するのは楽しいけど、今後出版社がビジネスのためにクオリティの低いスピンオフ作品を連発したら嫌だなと思った。

創2019年5・6月号

創2019年5・6月号