スポンサーリンク

「夫婦仲が冷え切った夫の不倫ドラマ」から「サスペンス」に変貌するマンガ『ただ離婚してないだけ』

ただ離婚してないだけ 1 (ヤングアニマルコミックス)

日本では夫婦の3組に1組は離婚するという。ただし、一度結婚してしまうと様々な事情から既に夫婦間に愛情がなくなっていても結婚生活を続けなくてはならないという事情を抱えている夫婦も少なくない。

 

今回紹介するマンガ『ただ離婚してないだけ』も結婚7年目にして関係が冷え切った夫婦の物語だ。2人は同じ家に住み、同じ時間に同じテーブルで向かい合わせで朝食を取っているが会話はない。俗に言う「家庭内別居」状態で、タイトル通り「ただ離婚してないだけ」という訳だ。

 

 

夫は仕事場でも家庭でも心の底から落ち着ける場所を見つけることは出来ずストレスが溜まり、その捌け口に不倫をして発散する。夫の口癖は「割り切ろう」だ。自分の今の生活にも、不倫疑惑を指摘してくる妻に対しても旅行に行こうと誘う不倫相手に対しても「割り切れや」と心の中で指摘する。

 

お互い割り切った関係で表面上だけの意味のない結婚生活とストレスの捌け口でしかない不倫関係が続くのを望んでいた夫だったが、不倫相手の妊娠が発覚してから自体が急速に悪化。不倫疑惑を追及していた妻も確信に変わり、料理を作らなくなり家庭環境は悪化。不倫相手は中絶することが決まるが、主人公の夫は既に不倫相手のことを重く感じ始め八方塞がりとなり疲れだけが溜まっていく日々となる。

 

 

しかし不倫相手が中絶した日、妻からの心の叫びを受けて夫は夫婦関係を「割り切ること」ではなく「向き合うこと」で修復していこうと決意する。そのため不倫相手とは別れることを決めるが、不倫相手の視点からは「妊娠した途端に捨てられた」となり精神的に病んでいく。

 

そのため1巻のラストでは冒頭から想像がつかないようなクリフハンガーを提示して、「夫婦仲が冷え切った夫の不倫ドラマ」から「サスペンス」への変貌を果たす。

 

 

果たしてラストで起きた展開が今後、夫婦の関係性や周囲にどのような影響を与えていくのかを注目していきながら読み進めていきたい。