『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の地上波初放送の視聴率が8.3%だったことが分かった。日テレは本作を本編ノーカット放送するために『金曜ロードshow!』の枠を64分拡大。更に多くの人に観てもらうために放送時間もいつもより64分前倒しの夜7時56分からにしていた。日テレとしては今年最後の『金曜ロードshow!』に超大作を持ってきたつもりだったのだろうが、完全なる惨敗に終わってしまった。
この記事を読んで「いやいや、地上波で放送される映画の視聴率自体が下がっているのだから『スター・ウォーズ』が悪いみたいな書き方をするなよ!」「『最後のジェダイ』の放送日は『スカイウォーカーの夜明け』の公開日だったから、ファンはみんな映画館に行ってるんだよ!」と反論をする人もいるかもしれない。
ただ昨年『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のタイアップとして、最新作公開日に前作『ジュラシック・ワールド』を放送した時の視聴率は13.9%だった。しかも本作の地上波放送は1年ぶり2回目であり、初回放送時の視聴率13.4%を超えてきた。同じく昨年『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使い誕生』のタイアップとして、最新作公開日に地上波初放送された前作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』も視聴率11.1%と二桁を超えていた。また今年は実写版『アラジン』公開のタイミングでディズニー作品の実写版『美女と野獣』とアニメ版『アラジン』がタイアップ放送されたが、こちらも前者は15.6%、後者が15.1%と高視聴率を記録している。このように近年放送された人気シリーズの最新作公開日にタイアップ放送された関連作品は「それなりに高い数字」を収めているので、「全体の映画の視聴率が下がっている」「最新作の公開日だからファンが見れない」という指摘を考慮しても、やはり「高くない数字」なのだ。また映画の地上波放送は基本的に熱心なファンに向けてではなく、ライト層に向けての放送である。そのため、他作品と比べて視聴率が振るっていないというのは「それだけライト層が離れている」ことの表れでもある。
ここで『フォースの覚醒』以降にタイアップ放送された『スター・ウォーズ』シリーズの視聴率を振り返っておきたい。
まずは2015年『フォースの覚醒』公開のタイアップとして公開日に放送された『スター・ウォーズ /新たなる希望』の14.1%だった。そしてその翌週に放送された『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』は10.8%と2週連続二桁を獲得している。
しかしその2年後の2017年に『最後のジェダイ』のタイアップとして放送された『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』は9.7% 、『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』は8.1%と2週連続1桁を記録してしまった。続編公開初日地上波初放送された前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12.2%と二桁を記録したものの、2年前に30年以上前に公開され、地上波でも繰り返し放送されていた『新たなる希望』が14.1%と高視聴率を獲得していたことを考えると少し寂しい数字に留まった。
そして更にその2年後の今年『スカイウォーカーの夜明け』公開のタイアップで放送された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は8.6%、前述した通り最新作のタイアップとして公開日に前作を地上波初放送した『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は8.3%と2週連続一桁を記録した。
4年間での視聴率の推移を我々はどう受け止めるべきか?やはりこの結果はライト層の「スター・ウォーズ離れ」を表していると捉えるのが妥当なのではないか?ちなみに今年タイアップとか関係なしに地上波初放送されたスピンオフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の視聴率は6.9%と大惨敗だった。
ディズニーは今後も『スター・ウォーズ』シリーズを続々と展開していく予定だという。果たして日本での興行は…