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「グロ」「エロ」「ゲロ」の後にくる、マキマさんとの「世界一ピュアな間接キス」/『チェンソーマン』

チェンソーマン 1-5巻 新品セット

藤本タツキ先生が『週刊少年ジャンプ』で連載するダーク・ファンタジー漫画『チェンソーマン』の「謎の魅力」に迫るエントリーの第2弾!

 

前回のエントリーでは「雑な絵が魅力となるグロシーン」や「無駄にしか思えない不必要なボケの連鎖によるテンポの良い会話劇」などをピックアップしたが、本作最大の魅力は「マキマさん」だ。

 

マキマさんとは内閣官房長官直属のデビルハンターで、主人公・デンジが惚れる美人でミステリアスな女性上司。1話目でダークサイドに堕ちて暴走するデンジを優しく抱きしめる包容力を見せながら、次のコマではデンジを悪魔ではなく人だと判断する冷静さを持つ。デンジに対して優しいお姉さんキャラかと思いきや、2話目では既に犬扱い。自分に忠実な犬と化す主人公に満足気な表情を見せたり、主人公の前で好きなタイプを「デンジ君みたいな人」と明言するなど他者を掌握するのが上手い。「生ビールを何杯飲んでも潰れない」「攻撃対象を圧潰して殺すことができる特殊能力を持っている」など、とにかく強キャラ感が半端なく、謎多きキャラクター。

 

 

そんなマキマさんだが、個人的に一番の名シーンは自分のナメていたチュッパチャプスコーラ味をデンジの口の中に入れて間接キスをさせるシーン。しかもこのシーンのある1話前にはデンジの初キスがゲロで汚されるというエピソードが展開されている。しかもそのゲロがかなり汚い。『銀魂』とかによくあるモザイク処理されたゲロではなく、「モザイクなし」のリアルゲロ。ゲロのブツブツとした構成要素もシッカリ描かれていて、飛び散り方もリアル。朝の駅のトイレとかに吐き捨てられているゲロを思い出して気持ち悪くなるレベル。この漫画は少年誌だとは思えないような「グロシーン」や「エロシーン」に加えて、『銀魂』とかが「少年誌でモザイク処理のゲロ」を描くことでギリギリ攻めている感を出して笑いを取っていたボーダーラインを平気で突き破り、そこに「キス要素」を加える「リアルゲロキス」を描いてきた。

 

 

そんなエゲツないシーンを描いておきながら、本作はその直後には物凄くピュアな間接キスシーンを持ってきたのだ。しかもこのシーンでポイントが高いのは、「キスから一夜開けた童貞の回想」として描いていること。散々他の少年漫画が超えてこなかったラインを平然と超えてくるくせに、このキスシーンだけはトコトンピュアを突き止めてくる。このシーンを読んだ翌日に思わずチュパチャップスコーラ味を買ってしまった。

 

 

FF10』に並ぶ「世界一ピュアなキス」を見せてきた『チェンソーマン』。果たして本作はネットで持ち上げられらだけ持ち上げられて、2周年を前にジャンプから姿を消すのか、それとも『鬼滅の刃』のようにピカピカに光出すのか… その命運は読者に託される。

 

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チェンソーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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