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新型コロナウイルスで再注目された映画『感染列島』を観たら「駄作」だった

感染列島

新型コロナウイルス感染拡大によって2009年に公開された映画『感染列島』が再注目されている。

 

  • 再注目された理由

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再注目されるキッカケとなったのは、Amazonに投稿されていた上記のレビュー。この画像がネットにアップされたことで、「『感染列島』はリアルだった」「まるでコロナを予期したいよう」「今こそ観て欲しい映画」などと話題になった。自分はこの映画を未鑑賞だったので「どんな映画なのだろう?」と興味を持って調べてみると、「Amazon prime」で配信されていることが分かった。「それじゃあ、折角の機会だから…」と鑑賞してみたのだが、上記のAmazonレビュー通り「駄作」だった。

 

以下ネタバレ注意

 

 

正直最初の30分くらいは「ウイルス感染の猛威を再確認させてくれる映画だ!」と結構ノリノリで観てた。新型コロナウイルスは「飛沫感染」なので、感染者のクシャミ・咳・唾などから放出されたウイルスを吸い込むことで感染するとされている。そのためウイルスが付いた状態の手で目や鼻を擦ったりすることで感染してしまうケースが多いのだが、本作でも何気なく目を擦った駅員が感染したりと、危機感を高めてくれる。また新型コロナウイルスは感染後急速に容態が悪化するケースも多いというが、本作にも登場人物の感染が発覚して、そのまますぐに死んでしまうシーンがある。このような新型コロナウイルスを連想させるようなシーンは多い。

 

 

  • マスク演出

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ただ話題なったAmazonレビューを書いた人も触れてるように、「マスク」に関する演出はかなり気になった。本作では治療室の中ではゴーグルとマスクをしている医者が、治療室の外ではマスクをしていないケースが多い。そのため街中で感染者とマスクなしで接触するシーンでは「大丈夫なのか?」と心配になる。また病院で働いている看護師の夫と娘が登場するシーンでは、周りの人が結構マスクをしているにも関わらず、この親子は一度もマスクをしていなかった。おそらく「役者の顔を見せたい」という理由でマスクをしていないのだろうが、そういう「演出上の都合」が見えてしまった段階で一気に萎えてしまう。だから「医療現場の過酷さを描いたシーン」や「感動シーン」みたいのがあっても、余計なことが気になって後半は物語に集中できなかった。

 

  • 唐突なゾンビ演出

主人公がウイルスの発生源の可能性が高いと考える島を訪れるシーンでもマスクを付けたり外したりしているから、「いや、ずっと付けとけよ!」とツッコまずにはいられない。しかも急にゾンビ映画みたいな展開になって「何だかな…」という感じしかしなかった。

 

 

  • 最後に…

一度そういう目で観始めてしまうとウイルス感染者が死ぬシーンの演出に差があるのにも、「あまり血をドバドバさせると感動の邪魔になるからやめてるのではないのか?」とか「女優がNGを出したのかな?」など、ついつい邪推をしてしまう。他にも純粋に「あの女の子が自転車に乗って叫んでるシーン下手すぎない?」とか「なんで一刻を争う事態で長々とビデオ通話始めるの?」とか、所謂「ツッコミどころ」は多いし、作品的にそれを笑って楽しむような感じでもないので結構苦痛な作品だった。一応日本中がパニックになってる設定なのに、スケール感が全くなく狭い所で物語が進んでいる感じも残念だった。

 

感染列島

感染列島

  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Prime Video