賛否割れる『FF7 リメイク』だが、個人的に最も気になったのはクラウドの「ティファとの約束の思い出し方」だ。
オリジナル版は以下の通り。
ティファ「…約束も忘れちゃったんだ」
クラウド「約束?」
ティファ「やっぱり忘れてる 思い出して…クラウド。 あれは7年前よ… ほら、村の給水塔 覚えてる?」
クラウド「ああ… あの時か」
オリジナル版では当初クラウドは約束を忘れていたが、ティファから約束の話を聞いて思い出したような素振りを見せていた。一方でリメイク版はティファと一緒にいない時にクラウドが夜空を見上げることで、「ティファとの約束を1人で思い出す」に変更されている。
オリジナル版ではその後、セフィロスがクラウドとティファに「今ここにいるクラウドの正体」は「ジェノバ細胞の おどろくべき生命力、能力と魔晄の力が創り出された人形 セフィロス・コピー・インコンプリート。ナンバリング無し。それがおまえの真実」「他人の記憶にあわせて自分の姿、声、言動を変化させるのはジェノバの能力だ」、つまり「今ここにいるクラウド」は「ティファの思い出の中にある幼馴染のクラウドをコピーした存在だ」と説くシーンがある。コレも後の展開で「事実とは違う」ことが明らかになる訳だが、初プレイ時はその後の展開を知らないから自分は「あっ!ティファとの約束を覚えていなかったのに、ティファが話し始めた途端に思い出したような素振りを見せたのは伏線だったのか!」と怖さと興奮で震えた。そして更に後の展開で、実はクラウドは「ティファとの約束」を叶えていたという事実が明らかになったときは、全ての点が繋がって1つ線になったような興奮を覚えた。ただリメイク版ではティファのいない所で1人で思い出すに改変されてしまっているので、この興奮や感動を味わえないのではないかと不安になった。
そんな訳で、今回のリメイク版をプレイしているときにクラウドがティファとの約束を1人で思い出してるのを観て強い違和感を覚えてしまった訳だが、ストーリークリア後に改めて考え直すと、あのシーンは「リメイク版のメインヒロインはティファではなく、エアリス」「リメイク版はオリジナル版とは違う方向に向かう」ということを示していたのではないかと感じ始めた。
考えすぎかもしれないが…
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