「PlayStation Now」の1週間無料体験期間を使って『Marvel's Spider-Man』をプレイした。本作は2018年に発売され、過去15年のスーパーヒーローゲームの中で一番の売り上げを記録した作品で、日本での評判も高い。
自分はアメコミ原作は読んでいないが映画版は全て鑑賞してるので、ある程度のスパイダーマンに対する知識がある人間だ。そんな自分からすると本作は自身の持つスパイダーマンの知識と合わせて、楽しむことができた作品だ。まず何よりも楽しかったのがスパイダーマンとしてニューヨーク中をスウィングして飛び回ることだ。自分は最近『FF15』『ドラクエ10』とフィールドが馬鹿みたいに広々としたゲームを連続してプレイして「移動面倒だな…」と食傷気味だった。しかし本作はその移動こそが醍醐味であり、簡単な操作でカッコよくニューヨークを飛び回ることができる。高いビルからダイブすれば爽快感はスゴいし、ビルの横を走るのも楽しい。空中で回転する瞬間やボス戦で飛び回っているスパイダーマンを操作していると、まるで自分が本当に映画の中で活躍しているスパイダーマンのような気分を味わうことができた。一方で体調が優れない時や長時間プレイしている時にスウィングすると画面酔いして気持ち悪くなるから注意も必要だ。
本作でのピーター・パーカーは既にスパイダーマンとして8年間活動している設定で、年齢は大学を卒業したばかりの23歳。一方でオクタビアス博士の助手をしているためか、社会人というよりは学生っぽい印象を受ける。正直自分は本ゲームに対してストーリー面での期待度は低かったが、「自立した女性として描かれるメリー・ジェーン・ワトソンとの恋愛」「過去にスパイダーマンに刑務所送りされたヴィランたちが再びピーターを襲う展開」「ほろ苦さを感じさせるエピソード」など満足できる作品に仕上がっていた。これは自分が曲がりなりにもスパイダーマンという作品に長年触れ続けていたことで得ていた知識によって、補強されている部分もあると感じる。そのためスパイダーマンを全く知らない人がどこまで楽しめるのかは疑問に思う。ただ実写映画版を観ている人は楽しめると思うので、ある程度のスパイダーマンの知識を持っている人にはオススメのゲームだ。
最後に本作はオープンワールドのゲームとなっており、ニューヨークの街中を飛び回っていると、彼方此方で銃声が鳴り響き、無線で犯罪情報をキャッチできる。自分は無料体験期間の7日間でゲームクリアをしなければならないリミットと、ゲームであるという元も子もない事実から基本的にスルーでストーリーを進めていったが、実際に「親愛なる隣人・スパイダーマン」として活躍しているピーター・パーカーの立場なら無視することは出来なかったのだろう。そのため本作はピーター・パーカーが遅刻ばかりする理由を身をもって体感できるゲームとも言える。
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