『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『アクタージュ』の連載終了が発表された。
『アクタージュ act-age』連載終了に関するお知らせhttps://t.co/hCsKndrH2r pic.twitter.com/qZeSFhCUGy
— 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) 2020年8月10日
最終回は8月11日発売の『週刊少年ジャンプ36・37合併号』となる。
逮捕当日の記事にも書いたが原作者が概ね認めているという容疑はお金で合意を買った島袋光年先生や児童ポルノ所持していた和月伸宏先生と異なり、合意もなく胸を触られた女子中学生という明確な被害者がいる分、悪質だ。買春で逮捕された島袋先生の『世紀末リーダー伝たけし!』が即刻連載打ち切りかつコミックス絶版だったことを考えると、今回の対応は妥当なモノだと感じる。36・37合併号で作品が掲載されるのは、純粋に印刷が終わってしまっていてどうしようもない以上の理由はないのだろう。
島袋先生の単独作品である『たけし!』と異なり本作は「原作」と「作画」の合作であることから「作画担当の宇佐崎先生で連載継続を!」という声もあったが、やはりそれは難しかったようだ。
学生の頃、当時18歳の女優志望だった方と所謂学生映画を撮っていました。彼女はその撮影中に大手芸能事務所のオーディションを数万人の中から選ばれ、今も第一線で女優を続けてます。級友や後輩が、ある日を境に人気声優になったこともありました。僕は昨日まで夢追い人とされていた人たちが、
— マツキタツヤ (@machi8mura) 2020年6月1日
チャンスを掴む様を何度も見ています。人生の転機はどこに転がってるか分からないし、世間で言われてるほど夢は叶わないものではないです。舞台アクタージュが、誰かの人生の転機になり、またその相乗効果で素晴らしい舞台を生んでくれることを願ってます。
— マツキタツヤ (@machi8mura) 2020年6月1日
本作は舞台化も決定しており、主演女優は一般公募のオーディションで決めるという作品内容ともマッチングした魅力的な企画だった。今年の6月1日、原作者は舞台化発表に合わせてTwitterで上記のような「自らの作品の舞台が誰かの人生の転機になって欲しい」という想いをツイートしていた。
事件が起きたのは今年6月18日の20時頃だった。6月1日には「アクタージュ」の舞台化決定が発表されている。捜査関係者が語る。
「被害に遭ったのは塾からの帰宅途中だった女子中学生。松木容疑者は自転車で背後から当該生徒に近づき、追い抜きざまに胸を触り逃走した。生徒が親に相談して110番通報した。さらには同日の21時頃にも、現場近くの路上で別の女子中学生に同様の犯行を行った疑いもある。防犯カメラなどの裏付け捜査をしたが、手口が馴れており常習性があるとみている」
「物語は女子高生のスカートの中にある」 強制わいせつ逮捕マツキタツヤの犯行動機【少年ジャンプ「アクタージュ」原作者】 | 文春オンライン
一方で原作者が今回の逮捕容疑の事件を起こしたのは、この発表から1ヶ月も経たない6月18日の夜だった。否、捜査関係者によると「現場近くで同日に同様の犯行が報告されていること」に加えて防犯カメラの映像から確認された犯行映像の馴れた手口から「初犯」ではなく「常習犯」である可能性も視野に捜査を進めているという。
本作は連載2年目のヒット作品ということから、発表されていた舞台化だけでなくテレビアニメ化や実写映画化も既に決まっていたのではないかという憶測すらある。そこら辺の事実関係は不明だが、今回の逮捕によって各方面に莫大な経済的損失を与えたことを間違いないだろう。ただ個人的にはそれよりも「夢見る若者を応援するメッセージ」を発信していた原作者が自分の欲望のために女子中学生を傷つけ、自らの原作を作画してくれた宇佐崎先生と作品を楽しんでいた読者を裏切り、舞台の主演女優を勝ち取るために努力していた役者志望の人たちの機会を奪ってしまったということを実に残念に思う。
宇佐崎城先生の次回作品に期待します!
【追記】
『アクタージュ』は連載打ち切りに続き、コミックスの出荷停止が決まった。これに対してジャンプ編集部が世間の声に過剰反応している等の批判意見を見たが、個人的にはジャンプ編集部が「今回のような犯罪は容認できない」という意思を込めた妥当な判断だと感じた。また容疑者段階での判断は早すぎるという声も見たが、今回の事件では逮捕された原作者が容疑を概ね認めたと報道されており、ジャンプ編集部も事実確認を取った上で判断したのではないかと思う。