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庵野秀明総監督作品『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の赤い海辺に居たアスカは「惣流」なのか「式波」なのか問題

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ネタバレ注意

庵野秀明総監督作品『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が大ヒット公開中だ。今回は本作における赤い海辺のシーンに居たアスカは「惣流」なのか、「式波」なのかという話題の個人的な認識を書く。

 

まずあのシーンは「アスカが式波タイプのクローン人間である」「クローンのアスカには親は存在しておらず、常に孤独を抱えていたがケンスケが救ってくれた」ということが描かれ、シンジが「好きだと言ってくれてありがとう」「アスカ好きだったよ」「ケンスケによろしく」と告白かつ別れの言葉をかけ、アスカを第3村へと放つ。またシンジの告白を受けて赤面するアスカのプラグスーツは破けていたことから、恐らく「エヴァの呪縛」から解放されて本来の年齢である28歳まで体が成長した演出だと推測される。ということは、あのアスカが「式波」であることは間違いない。

 

※「眼帯をしてないから惣流」という意見もネットで見たが、13号機に停止信号プラグを打ち込む際に目の中に封印していた使徒を解放するために眼帯を外すシーンがあるので、「眼帯をしてない=式波ではない」は成り立たない

 

 

間違いないのだが、マイナス宇宙に行ってからの精神世界の話は(自分は2回観て2回とも聞き逃したが)ゲンドウに「前回はシンジが依代となったが…」みたいなセリフがあり、旧劇場版の記憶があることを匂わせていたという。またアスカのシーンの後のカヲルくんのシーンはテレビアニメ版でカヲルとシンジが初めて会った場所で「僕は何度もここで君と会っていたんだね」みたいなセリフを放って何度もこの世界をやり直しているみたいな説明をしていたことから、あのカヲルもテレビアニメ版の記憶を持っている(まー、カヲルに関してはマイナス宇宙とか関係なくそうだけど)と考えられる。更に綾波レイの解放シーンに出てくる綾波は恐らく初号機の中に取り残されていた綾波であるはずなのに、LCL化した黒いプラグスーツの綾波が第3村で接していたトウジと委員長の赤ちゃんであるツバメの人形を抱えていたこと、それに加えてシンジとの会話中の背景にテレビアニメ版のタイトルバックが次々と流れていたことから、あの綾波は初号機の中にいた綾波かつ第3村で消えた綾波、そしてテレビアニメ版の綾波という面もあったのだと感じる。

 

またゲンドウとマイナス宇宙に行ってシンジの記憶の中で戦うパートのビル街は風圧で建物が横に滑ったり、吹っ飛んだりし、エヴァ初号機が端っこまで追い込まれれば空と繋がった壁があり、ビル街の地盤には「東宝マーク」が複数確認できるミニチュアセットになっており、その後のミサトの部屋での戦闘シーンも両者が壁をぶち破るとその先には撮影スタジオがあるなど、「虚構」であること強調したシーンになっていた。それは綾波レイとの会話シーンも同様である。

 

 

そのため個人的にはマイナス宇宙以降の展開は、『新劇場版』シリーズの設定がベースではあるが、テレビアニメ版の要素も交えていたのではないかと思う。つまりは両シリーズを踏まえたキャラクターを解放することで、両シリーズを包括的に終わらせに来た(これは公開前からタイトルが『ヱヴァンゲリヲン』から『エヴァンゲリオン』に戻っていたことから多くの人が予想していた)という認識だ。だから旧劇場版のラストを連想させる赤い海辺に居た赤いプラグスーツ(『シン』で13号機に取り込まれたアスカのプラグスーツは白)のアスカも、他のキャラクター同様に「式波」であると同時に「惣流」でもある、という感じなのではないかと思う。それはハイブリッドとかそういう話ではなく、『エヴァ』シリーズの「アスカ」というキャラクターにまとめて決着をつけたということなのだろう。

 

※個人的には「式波」オンリーだけど、「惣流」含めて『エヴァ』シリーズの「アスカ」というキャラクターに決着をつけたよ、という認識

 

 

ただアスカはテレビアニメ版と『新劇場版』シリーズで苗字から性格まで完全に別キャラという感じだから他のキャラクターと同列に語れるのか問題とかもあるが、いくら考えたところで庵野総監督らがどういう意図で演出したかなど分かるはずもないので、『全記録全集』などが出るまではこれ以上考えるのはやめようと思う。

 

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