【和月伸宏】『るろうに剣心 最終章 The Final』原作『人誅編』の人気がイマイチな理由と再評価の声

るろうに剣心 最終章 The Final

2021年4月23日(金)、『るろうに剣心 最終章 The Final』が公開された。今回は本作の原作である『人誅編』人気がイマイチな理由と擁護意見・再評価の声について記す。

 

  • 原作人気がイマイチの『人誅編』の実写映画化

るろうに剣心

実写映画版『るろうに剣心』シリーズは2013年に原作の『東京編』をベースとした1作目が公開され興行収入30.1億円の大ヒットを記録。その2年後の2015年に原作で一番人気のエピソード『京都編』を総製作費30億円をかけ、『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』として2部作連続公開をし、前編が興行収入52.2億円、後編が43.5億円と2部作合計95.7億円の大ヒットを記録して、世評的にも高い評価を得た。

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)

その世評も受けて製作されたのが原作の完結編にあたり、尚且つ『京都編』と同等かそれ以上の人気を誇る「剣心と雪代巴の過去編」も含まれた『人誅編』を実写映画化した本作だ。一方で原作の『人誅編』は過去編こそ高い評価を受けるも、全体としての人気はイマイチという評価のされ方をされている。その背景には『京都編』での政府に恨みを持ち明治政府打倒と日本征服を目論む志々雄真実との対決という少年漫画らしいスケール感溢れる大長編後に、剣心への個人的な怨みを持つ雪代縁の陰鬱な復讐譚が展開されたことに対して当時の読者は物足りなさを感じたとされる。また『京都編』連載期は『週刊少年ジャンプ』の暗黒期だったが、『人誅編』開始時には作者・和月伸宏先生の弟子・尾田栄一郎先生が同誌で『ONE PIECE』の連載を開始したことで人気を持っていかれた面もあったのかもしれない。更に『京都編』は担当編集者の意向だったのに対して、『人誅編』は原作者が剣心の物語としてどうしても描きたかった話だったというエピソードから「和月は編集者がいなければ無能」という説がネットでは定着しており、その結果「『人誅編』は面白くない」という認識がより強化されていってしまった面もあるように感じた。

 

 

  • 近年は再評価の声も

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 20 (ジャンプコミックスDIGITAL)

『人誅編』が『京都編』に対して地味な話になっていることから「『京都編』で終わっていれば『るろうに剣心』は傑作だった」「せめて順番が逆なら良かった」という声がある一方で、長年「志々雄真実に対して雪代縁が見劣りするのは事実だし、両者が直接対決した場合勝つのは志々雄だとも思うが、剣心への怨みから『対剣心』においては雪代縁のが志々雄を上回ると思うし、そういう物語性含めて剣心の最後の戦いの相手としては雪代縁のが相応しい」「だから剣心の物語としてはあの順番で良かった」という擁護意見もある。個人的にも志々雄という肉体的に最強の敵を倒した後に、より肉体的に強い敵が現れるのではなく、「怨み」の力によって剣心を追い詰める敵が登場し、剣心が「過去と今と未来」に向き合うことでその敵に勝つという展開はジャンプの主人公としては珍しい、最初から罪を背負った剣心の物語の最期としてはこれ以外ないと思っていた。

また近年は「『人誅編』があったからこそ、『るろうに剣心』は他の少年漫画と一線を画す作品として記憶と歴史に残った。『京都編』で終わっていたら、少年誌の熱いバトル漫画以上の評価は得れなかった」という再評価の声もある。

 

 

  • 最後に…

そんなこんなで原作人気はイマイチも剣心の物語の最期としては評価されている本作。ただ擁護派・評価派の間でも左之助単独エピソードとコピペ4人衆こと「四神」には「…」の人も多いようだが…

 

実写映画版のレビューは下記事に続く。