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2022年度冬休み映画興行収入レポート②/映画もヒット『あなたの番です』、前作並み『ヴェノムLTBC』、微妙『マトリックス4』

2022年度冬休み映画興行収入レポートの第2弾。第1弾に次ぐ4〜6位の雑感。

 

第4位 あなたの番です 劇場版

あなたの番です 劇場版

第4位は『あなたの番です 劇場版』で最終興行は20億円前後。本作は2019年に日本テレビで放送されていた秋元康企画・原案の連ドラの劇場版。連ドラ版は民放では異例の2クール連続放送で、尚且つ第一章前半は最低視聴率6.3%を筆頭に全話一桁の低水準で推移していたが、第二章以降は視聴者による「考察」を煽ることで話題を呼び視聴率は上昇。最終回では番組最高の19.4%と最低時の3倍以上の数値を記録した。

そんな形式も視聴率推移も異例な連ドラの劇場版も秋元康曰く「登場人物が死んでいる、犯人がもう決まっている」という理由から第1話を分岐点としたパラレルワールドを展開するという異例な作品。同時期公開の連ドラの劇場版『99.9』と異なり一見さんにはかなりハードルの高い作品となっていたが、「考察ドラマ」としてヒットした作品だけあって熱心な連ドラファンが劇場に駆けつけ大ヒット。ちなみに現在日テレで放送中の秋元康企画・原案で『あな番』製作陣が集結した『真犯人フラグ』は視聴率一桁の低空飛行。『あな番』同様にラストで盛り返して二匹目のドジョウとなるのだろうか…

 

まさかの時代劇案も!? 秋元康ら制作陣に聞く、『あなたの番です』が映画になるまで | ぴあエンタメ情報

 

 

第5位 ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ

Venom: Let There Be Carnage (Original Motion Picture Soundtrack)

第5位は『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』で興行収入は19〜20億円程度。全米公開が10月なのに対して日本公開は12月と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』もビックリの2ヶ月遅れで公開された作品。ソニー・ピクチャーズは『バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』と『ゴーストバスターズ アフターライフ』も全米に対して日本の公開は遅くファンもイライラ状態だが、本作の興行面に関して言えばアメコミ映画にありがちな初動型の推移をしていたにも関わらず、年末年始興行によって持ち直して前作22.5億円からの下落率を少なく抑えられたというポジティブな面もあった。最近流行りの150分前後の長尺でなく97分という上映時間も回転率や上映スケジュールの観点から有利に働いた部分もあったのかもしれない。

ちなみに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』がオープニング動員100万人を突破したツイートを引用リツイートして公開日数が1ヶ月以上違うにも関わらず、「俺たちは125万人突破だ!」と被せるノリは面白かった。

 

 

第6位 マトリックス レザレクションズ

映画 マトリックス レザレクションズ ポスター 2021 THE MATRIX RESURRECTIONS キアヌ リーブス キャリー アン モス ジェイダ ピンケット スミス ネオ #2

第6位は『マトリックス レザレクションズ』で興行収入は14〜15億円程度。『マトリックス』完結後の作品、というよりは『レボリューションズ』の段階から既に興行的に陰りが見え、その後ヒット作に恵まれなかったウォシャウスキー姉妹の姉・ラナ・ウォシャウスキー監督が大切な人を短期間で亡くしたことからネオとトリニティに再び会いたいという目的で作られた作品。

興行面では「案の定」といっては失礼だが、全盛期ではオープニング興行のみで稼いでいた額を上映期間をフルで使ってようやく達するか、達せないかという残念な結果。一方で批評面では日本のみならずアメリカでも良い意味で賛否両論で、「どうせ『ジュピター』みたいな時代遅れなバリバリのCGアクションを見せつけて、興行的には大コケだろ」という多くの人が薄ら思っていたであろう予測を良い意味で裏切ってきた。

mjwr9620.hatenablog.jp

 

 

  • 最後に…

『マトリックス レザレクションズ』はネオが青いピルを飲んだ「if」なのでは、という予想があったが、それは『あな番』の方だった。次回7〜9位。

 

第3弾