じっちゃんにコンプレックス抱えた「原作改変」、3代目・亀梨和也版『金田一少年の事件簿』が連続ドラマ化されなかった理由

TV LIFE (テレビライフ) 首都圏版 2005年 9/30号 [雑誌]

ドラマ版『金田一少年の事件簿』の再放送が決まったので、堂本剛版から山田涼介版を振り返りたいと思う。今回は3代目・亀梨和也版のドラマの話。

 

  • じっちゃんにコンプレックスの新設定

金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件 (講談社プラチナコミックス)

ドラマ業界に革命をもたらした初代・堂本剛版、今となっては特に語られなくなってしまった影の薄い2代目・松本潤版に続き製作された3代目・亀梨和也版は歴代金田一で唯一ミステリー研究会ではなく陸上部に所属している。また原作では事件を通して内面を知った女性は別にして、基本的にモテるタイプではない、それどころか周囲の女子からは「美雪は何でこんな男と一緒にいるの?」とバカにされているタイプだが、亀梨演じる金田一は他校の女子高生のナンパを成功するレベルでイケてる男子高校生。髪も長めの明るい茶髪で見た目もチャラい。その上、「じっちゃんとオレは別」と名探偵・金田一耕助が祖父であることをコンプレックスを持っており、その件で美雪との雰囲気が悪くなるなど、これまでの金田一像とは大きく異なる設定となっていた。これは金田一に限った話でなく、剣持警部も扇子を持ってやたらと日本語使いに五月蝿い独自設定が加えられているなど、原作ファンとしてはノイズとなる部分も多い。

 

 

後編  

しかし美雪に周囲から殺人犯の疑いをかけられ、美雪本人も自身が吸血鬼になって人を無意識のうちに殺してしまったのではないかと不安になっているのを見て、美雪の容疑を晴らすために自身の宿命と向き合い「じっちゃんの名にかけて」謎を解こうとする物語構成自体は悪くなく、前半こそ違和感が拭えないものの、後半は慣れたこともあって割と楽しく見れた。また原作が『吸血鬼伝説殺人事件』だったことから、松潤版では薄かった怪人要素やホラー要素が復活。包帯をぐるぐる巻にした吸血鬼や事件の舞台となるペンションの不気味な雰囲気もよく、世間で言われているような「全然ダメな作品」という印象は受けなかった。

 

 

  • 連ドラ化されなかった理由

一方で亀梨版は連ドラ化された松潤版の連ドラ放送前のスペシャルドラマ『魔術列車殺人事件』の視聴率18.1%を上回る18.6%を記録していたにも関わらず、連ドラ化はされなかった。そのため「数字が良かったのに、やらなかったのはじっちゃんにコンプレックスを抱えているなどの原作改変要素の評判が悪かったからでは?」という声もあったが、原作者のブログによると日テレ側は乗り気だったが、亀梨和也のスケジュールが合わなかったのだという。色々グチグチ言いながらも、何だかんだで連ドラ版も見たいくらいには面白かったので、実現しなかったのは残念だ。仮に実現していた場合、有名映画監督を祖父に持つ映画研究会の部員が登場する『銀幕の殺人鬼』がドラマ化され、原作や後の山田涼介版とは異なる有名人を祖父に持つ孫のコンプレックスが焦点になるオリジナル展開があったのではないかと妄想する。

 

 

  • 最後に…

原作からのキャラクター改変も多く、連ドラ化されなかったことから全シリーズでワースト扱いを受けるケースが多い本作。ソフト化はされていないが、配信等が始まるので色々あるパターンの一つとして見れば、これはこれで楽しめるとは思う。

 

次回は4代目・山田涼介版のドラマの話。

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