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【原作より後味悪めも…】シリーズ初の短編をドラマ化、道枝駿佑版『金田一少年の事件簿 トイレの花子さん殺人事件』ネタバレ感想

金田一少年の事件簿 短編集(3)殺人レストラン (週刊少年マガジンコミックス)

道枝駿佑版ドラマ『金田一少年の事件簿 トイレの花子さん殺人事件』のネタバレ感想。

 

  • 『金田一少年の事件簿』初の短編のドラマ化

本事件の原作は『金田一少年の事件簿 短編集3』に収録されている『亡霊学校殺人事件』(『R』に『亡霊校舎の殺人』という似たような事件名があり紛らわしい)であり、ドラマシリーズとしては初の短編集からの実写化である。そのため原作ファンからも本事件がドラマ化されることには驚きがあり、事件名も変わっていることから「ドラマオリジナル作品」と誤認した人もいたようだ。

 

 

File3『白蛇蔵殺人事件』が全11話の事件を1話完結でまとめていたのに対して、本事件は全5話とドラマ1話分に丁度いい長さ。「トイレの花子さん」が題材ということで「本当に令和のドラマか?」という気もするが、「日本謹製」「本格ミステリ×ホラー」がコンセプトだということを踏まえれば初回事件『学園七不思議殺人事件』とテイストがやや被るも悪くない選択なのだろう。逆にこのちょっと古めな感じこそ「こういうのでいいんだよこういうので」な部分なのかもしれない。

 

 

  • 原作より後味悪い結末も… 

原作からの大きな変更点は「肝試しに怖がっているのが美雪ではなく金田一」に変更されている点。原作では怖くなった美雪が金田一に自分の分のピンポン玉も持ってきてくれと頼む展開だったが、ドラマ版では金田一・美雪・佐木の3人でピンポン玉を取りに行く展開に変更になっていて、その中でも一番「肝試し」に恐怖を感じておらず先頭する立場となっていた。美雪は『聖恋島殺人事件』でもビビる金田一を横に男性に襲われている女性を身を挺して助けるなど勇気ある行動を見せていたことから、原作より強いキャラクターとして設定されているようだ。また原作の金田一は常に美雪を異性として意識してるが、こちらも『聖恋島殺人事件』の描写に続きドラマ版金田一は「吊り橋効果」で佐木の顔にカッコよさを見出したり、美大生の三角関係に興味を示す一方で美雪に対しては幼馴染の枠を越えずに一貫して恋愛対象としては認識していないようだった。ただラストはお互いがお互いのことを思って自販機で飲み物を買っていて交換するなど2人の絆の強さを見せ、原作より後味の悪くなった事件後の清涼剤的役割を果たしていたように思う。

 

※原作では金田一が犯人に「人殺して…誰かが本当に救われたことなんか俺…一度だって見たことがないんだ」「お前は結局『救われない魂』をもう一つ作っちまっただけなんじゃないか?」と声をかけるのに対して、ドラマでは道枝金田一が犯人が実は犯行をやめるために「肝試し」を中止するように促したのではないかと問うも「あれは見栄っ張りの伊能を確実に肝試しに参加させるため」とカウンターを喰らうに変更されている

 

 

  • 最後に…

「肝試し」から夏らしさも感じれて良かったが、原作では「犯人は被害者に赤いペンキを塗っておらず、その謎だけは解けないまま」という「オカルトエンド」になっていた。道枝版は「ホラー」をコンセプトにしており『聖恋島殺人事件』では解けなかった謎を「まさか本当にセイレーンが…」とグレーなエンディングにしていたので、本作もそういう方向で行くと思ってたばかりに「違うのか…」とその点は残念だった。

 

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