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新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』公開、『君の名は。』と『天気の子』の「映画興行収入」と「封切り当時」振り返り

映画チラシ『すずめの戸締まり』5枚+おまけ最新映画チラシ3枚  

新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』の公開に便乗して『君の名は。』と『天気の子』を「興行収入」を軸に振り返る。

 

  • 『君の名は。』以前、熱心なファンはいるけれど…

言の葉の庭

2013年に宮崎駿監督が長編映画からの引退を表明(後に撤回)し、2014年にスタジオジブリの制作部門が解散したことで、2015年公開の細田守監督『バケモノの子』は日テレ及び東宝のみならず、業界及び世間からも「ポスト宮崎駿」を期待されていた。そういう世相の中、ネットでは細田守監督の話題になると対抗馬として必ずとしていい程に新海誠監督の名前を見た記憶がある。ただ細田守監督は日テレがバックに付き、地上波のプライムタイムで監督作品が放送され、興行的にも50億円以上の大成功を収めているのに対して当時の新海誠監督の自己最高興行は『言の葉の庭』の1.3億円でプライムタイムはおろか地上波では深夜ですら殆ど放送されてないレベル。両者に対して個々人の好き嫌いはあれど、「ポスト宮崎駿」という対立軸では新海誠監督は細田守監督と同じ土俵にすら上がっていない。いくら一部から熱烈な支持を受けているからといっても、ネットで「ジブリの次は細田守ではなく新海誠の時代」という趣旨の書き込みを読んでも逆張りとしか思えなかった。また今はともかく当時の感覚としては細田守監督の開かれた作風に対して新海誠監督の閉じた作風は世間に大きく受け入れるタイプではない、という認識も強かった。

 

 

  • 『君の名は。』でメガヒット、国民的作家へ

君の名は。

そんな「知る人ぞ知る監督」だった新海誠監督だったが、『バケモノの子』の翌年である2016年公開の『君の名は。』が日本映画史に残る記録的なヒットをしたことで、多くの国民に知られる存在となった。『『君の名は。』エグゼクティブプロデューサーが語る、大ヒットの要因と東宝好調の秘訣|Real Sound|リアルサウンド 映画部』によると『君の名は。』はTOHO animationによる「東宝本体で全国300館クラスで配給するオリジナルアニメ映画」という設立当初の目標を達成するために、作家性の備わっている新海誠監督をメジャー視点を持ち合わせている川村元気氏にプロデュースさせることでヒット作品を生み出そう、という狙いで製作された作品だという。その結果、製作陣の当初の興行目標15〜20億円を大きく超えるメガヒットになったのだから、恐れ入る。しかも本作は口コミでのロングランヒットだけでなく、一般的にはほぼ無名監督だったのにも関わらずオープニングから3日間で12億円を超えるメガヒットスタートを記録しているのも凄い。何故なら多くの人は人気監督の最新作を観るためではなく、『君の名は。』というオリジナル作品を観るために劇場に足を運んだからだ。これは今や高い知名度を誇る新海誠監督には二度と再現できない現象だ。

オープニング興行からメガヒットをした理由について公開当時多くの分析記事が出た。その中でも最も多かったのは「RADWIMPSによる劇中歌『前前前世』をバックに新海誠監督による圧倒的な映像美が堪能できる宣伝映像が良かったのでないか」という指摘だった。またそれらの映像がテレビスポットだけでなく、サントリー天然水とのコラボCMや興行収入63.3億円の『名探偵コナン 純黒の悪夢』で特報映像、興行収入82.5億円の『シン・ゴジラ』で予告編、とヒット映画の上映前に流されていたことでより多くの人に目に触れていたのが良かった、という指摘もあった。また公開日が8月末と高校生にとっては夏休みの終わりまたは夏休み明けと映画くらいの遊びがちょうど良く求められている時期だったのも集客に繋がったような気もする。映画の物語が「都会の男子高校生と田舎の女子高生が入れ替わる」と分かりやすい上に、映画を観れば「予告編では分からなかった更にその先がある」というのも「物凄い映画」感を出せた要因なのかもしれない。公開後は大ヒットしたことがメディアに取り上げられ、SNSでも口コミが広がり、興行収入は250.3億円と当時の国内映画興行史上歴代4位のメガヒットを記録。観客動員数も1928万人を突破し、公開から1年半後にはテレビ朝日のプライムタイムでのお正月特番として地上波初放送され17.3%の高視聴率を記録した。

 

 

  • 『天気の子』で2作連続100億円突破達成

天気の子

『君の名は。』がメガヒットしたことによって、新海誠監督への国民及び映画会社の期待は大きく変わることになった。その結果、公開時期から『君の名は。』の8月末から『天気の子』は7月中旬という夏休みの恩恵をフルに受ける時期に変更。上映スクリーン数も『君の名は。』の全国301スクリーンから『天気の子』は全国448スクリーンと150スクリーン近く増えた。

また企業とのタイアップCMも『君の名は。』のサントリーに加えてソフトバンク、バイトル、日清、ミサワホーム、ロッテと大幅に増加。

更に公開日には本作の舞台である新宿駅南口も宣伝仕様に大きく変化。前作とは比べものにはならないレベルの大型宣伝が打たれ、新海誠監督も公開前は落ち着かない気分が続いたという。結果的に本作のオープニングは『君の名は。』を大きく超えるスタートをきり、最終興行も141.9億円と「ポスト宮崎駿」を期待された宮崎吾朗、米林宏昌、細田守が未だ超えることの出来ていない興行収入100億円を2作品連続で突破。2022年現在においても日本人監督で興行収入100億円突破を2作品以上記録しているのは宮崎駿監督と『踊る大捜査線』の本広克行監督と新海誠監督の3人しかいない。本作のヒットを持って新海誠監督は『君の名は。』がまぐれ当たりでないことを証明し、名実共に日本を代表する国民的作家という認識になった。

 

 

  • 最後に…

『すずめの戸締まり』は『君の名は。』『天気の子』に続いて興行収入100億円突破なるか…

 

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