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「人前で飲み込み続けた吐き気」と「色のついてない水」、長澤まさみ主演・フジテレビ月10ドラマ『エルピス』初回ネタバレ感想

フジテレビ月10ドラマ『エルピス』を観た。

 

  • 冤罪が題材、テレビが舞台のドラマ

本作は長澤まさみ主演で大根仁監督演出と映画『モテキ』のコンビ作品。恋愛スキャンダル(路チュー)で落ち目となった長澤まさみ演じるアナウンサーが眞栄田郷敦演じる新人ディレクターと共に最高裁で死刑判決が確定している事件の冤罪疑惑の真相を追う物語。「大根仁監督が長澤まさみ主演でテレビを舞台に物語を描く」となれば、それだけでも視聴確定の当たり企画のように思えるが、脚本家の渡辺あやさんのインタビューによると劇中同様に冤罪が題材の物語はリスキーだと別局には断れ、6年間塩漬け状態だったという。

 

 

  • 人前で飲み込み続けてきた恵那の吐き気

そんな経緯でようやく表舞台でお披露目することができた本作。物語冒頭、カラオケで長澤まさみ演じる主人公・恵那が出演するバラエティ番組のメンバーで飲み会を行なっているが、そこでは男性上司が若い女の子を侍らせながらセクハラ・モラハラ・パワハラ三昧。何とも言えない嫌な感じを醸し出しており、恋愛スキャンダルで落ち目となり30を過ぎた恵那もその上司のターゲットにされるが、恵那は事なかれ主義でその場を去る。どうやら恵那はうまく眠ることも食事を取ることも出来るような状態でなく、色々と不平不満を飲み込む毎日。そのためか、頻繁に吐き気を催すも、それを人前では飲み込むシーンが描かれる。それが極に達するのが冤罪事件の特集を上司に断られ、新人ディレクターからも「弱みを握られてやろうとしただけで、その弱みより大変なことになるならそこまでしてやろうと思わない」と趣旨の発言をされた時で、恵那は催した吐き気を飲み込み「私はもう飲み込めない、これ以上」「飲み込みたくないものは飲み込まない、じゃないと私死ぬし」と決意表明をする。恵那が吐き気を我慢する描写を繰り返す差し込むことで、彼女が「これまで色々と飲み込みたくないものを飲み込んできた」ことを示す見事な演出だと思った。

 

 

  • 恵那と水

また恵那は劇中でやたらと水をゴクゴクと飲み干す。若手ディレクターからコーヒーや紅茶を奢ると提案された際もそれらを断り「水でいい」で水にこだわっていた。水は無色透明で色がついていない一方でコーヒーや紅茶は色がつき味がついている。恵那は冤罪問題を扱った際に色々なところから圧力がかかり、表現を歪めさせられたりとメチャクチャにされた、という趣旨の話をしていたが、テレビ業界の闇を知っている分、色がついてない透明でキレイなものだけを飲み込みたい、それ以外は飲み込みたくないということを示しているのかもしれない。

 

 

  • 最後に…

次回以降も楽しみだ。

 

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