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「ハンバーグ以外で…」、想との三角関係ではなく紬と湊斗の恋愛を切なくも爽やかに終わらせた木10ドラマ『silent』ネタバレ感想

『silent』の5話目で紬と湊斗が破局した。

 

 

  • 「名前呼び」から「苗字呼び」へ

本作は紬が8年ぶりに元カレの想と再開する物語。そしてポスタービジュアルや公式ホームページのイントロダクションから察するに、どう考えても「紬と想のラブストーリー」だ。しかし紬には現在付き合っている湊斗という彼氏がいた。そのため、多くの視聴者は「紬が想と再開したことで、紬の気持ちが次第に湊斗から想の方に移り変わっていくことで生じる三角関係」的な展開を予想していたはずだ。

一方で実際に展開された物語は紬が湊斗から想へ気持ちが移り変わる前に、想の登場により「やはり紬の隣にいるべきなのは自分ではない」と思い悩み、限界に達した湊斗からの別れ宣言だった。2人がそれぞれ「名前呼びから苗字呼び」に戻した後に、紬が初めて湊斗の部屋に訪れお互いを「苗字呼びから名前呼び」にした日のことを振り返る構成が切なかった。

 

 

  • 紬と湊斗とハンバーグ

湊斗と別れた紬は次の日、想の元に行く。紬はその日の朝、湊斗からの「想はポニーテールが好き」という情報から自分の髪型を一度ポニーテールにして笑う。その時、彼女の気持ちは「想が喜ぶ顔」を思い浮かべて笑ったのか、それとも「湊斗の言葉通り動いている自分」に笑ったのか… そして、紬は想から「何が食べたい?」との問いには「なんでも良い」と述べた後に「ハンバーグ以外」と訂正する。ハンバーグは紬が会社を辞めた直後に初めて湊斗を食事に誘った食べ物であり、湊斗の別れの電話の際に作っていた食べ物。つまり湊斗の恋愛関係においてハンバーグは始まりの食べ物にして終わりの食べ物だった。彼女が「ハンバーグ以外」と答えたのは「ハンバーグ」は湊斗との思い出故に心に留めておきたかったからなのか、それとも思い出が詰まった「百均の髪留め」を湊斗がゴミ箱に捨てたのと同様に自身の気持ちに区切りを付けるためだったのか… 捉え方は人それぞれだが、様々な解釈ができるのが良脚本ということなのだろう。

 

 

  • 最後に…

最後に自身との再会によって紬と湊斗が別れたことについて想が必要以上の責任を感じてないのも良かった。こういうドラマの場合、責任を感じすぎた想が再び紬の前から姿を消して…、みたいな展開があったりするが、そういうのもなくノートを使って自分の言葉を紬に伝え、次のステップに進もうとするのもフレッシュに感じた。

 

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