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【鎌倉殿の13人】「私にはもう敵はいない、天も味方してくれた」、「リアリスト義時」が「神仏」へ傾倒した「八幡宮の階段」

(45)「八幡宮の階段」

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第45回『八幡宮の階段』で源実朝が公暁に暗殺された。

 

  • 義時「もし公暁殿が打ち損じたなら私は終わりだ」

「源実朝暗殺事件」は「義時黒幕説」「三浦黒幕説」「公暁単独犯説」と複数の説が存在しており、脚本の三谷幸喜がどのような描き方をするのか注目されていた。そのため前々回で三浦が公暁に「義時が頼家を殺害した」「本来の鎌倉殿は実朝ではなくあなた」と実朝と義時への恨みを煽った際には「果たして三浦のバックには義時がいるのか、いないのか」、前回のラストでトウが仲章の暗殺に失敗して、公暁の暗殺ターゲットとなっていた義時の位置に取って代わった際には「公暁が自身を狙っていることまで全て把握した上で、敢えてトウに暗殺を失敗させて仲章に自身の場所をとらせたのか、それとも運が良かっただけなのか」と話題になった。結果的に本作では「三浦黒幕説」を採用(追記:製作側の認識は三浦若干関与の単独犯説)、更に「義時は自身も公暁に命を狙われていたことまでは把握していなかったが、実朝暗殺計画には気づいていた上でそれを黙認した」という「義時黒幕説」とも取れる展開となった。

ちなみに前回義時が「ここからは修羅の道だ」と発したことで視聴者からは「ここから!?これまでは!?」とツッコまれていたが、義時役の小栗旬曰く「自分の選択で鎌倉殿に見切りをつけた、というのがまた違う段階に入ったのかな」という趣旨の見解を示していた。

 

※仲章演じる生田斗真の顔芸が「京の上流階級が鎌倉の武士を上品に見下している嫌な感じ」を見事に醸し出していてメチャクチャ見応えアリ、死んだと思い込んでいる義時の前に「サプラ〜イズ」と言わんばかりの登場をした瞬間は最高

 

 

  • 「リアリスト義時」が「神仏」に傾倒

直前になって仲章にポジションを奪われたことで、結果的に命拾いをした義時はトキューサの言葉もあって全盛期の頼朝同様に「天が味方をしてくれた」と確信。運慶に頼朝もなし得なかった「神仏と一体となった己の像」を作るように指示を出した。一方で三谷幸喜は頼朝死亡回直後のインタビューで以下のように語っていた。

今回の「鎌倉殿の13人」の時代では、人々が神様を身近に感じていたこともあり、神話性のようなものを感じています。(中略)その中で、義時は最もドライで現実的な登場人物だなと思っています。何でもありの混沌とした時代の中に一人だけリアリストがいる感じがあり、義時を主人公にして成功だったなと思います。

三谷幸喜が語る、源頼朝の“最期”の描き方…演じる大泉洋への賛辞も「彼以上にこの役を演じきれる人はいなかった」(4/5) | WEBザテレビジョン

三谷幸喜は義時について「人々が神様を身近に感じていた時代でも1人だけリアリストだった」との見解を示していたが、最新回の義時は「私にはもう敵はいない、天も味方してくれた」と発するなど最早「リアリスト」の影はなく「神仏」に傾倒している印象を受ける。

 

※頼家死亡回で運慶は義時に「まだお前は救いがある」「その迷いが救いなのさ」と発していたが、実朝死亡回では最早救いはないと認識しているみたいでアレ

 

 

  • 夢の中で「鈴の音」

頼朝死亡回では頼朝が落馬した際に頼朝と縁のある人物が「鈴の音」が聴こえる一方で、義時のみが「鈴の音」が聴こえていないという演出が施されていた。そのため自分は上述した三谷幸喜の発言を引用した上で「神仏頼りだった頼朝とリアリスト義時の対比なのでは?」と捉えた。

しかし前回の冒頭、夢の中で義時は白犬と向き合いながら「鈴の音」を聴き、それからお堂を建てるように催促するなど「リアリスト義時」像から離れる行為をしたことで政子と実衣から「大して信心深くなかったあなたが薬師堂を建てるなんて、人って変わるものね〜」とツッコまれていた。そして最新回で土壇場で死を免れたことで得た「天が味方している」という確信、三谷幸喜にとって義時が「リアリスト」故にこの地位まで上り詰めたという認識の場合、「神仏」に傾倒していく義時は最終回に向けての重大な伏線、なのかもしれない。

 

※義時と白犬が向き合うシーンは物凄くソフトバンクのCMっぽい

 

 

  • 最後に…

三谷幸喜は義時の最後について「いろんな人の死に関わってきた彼が、最後に幸せになっていいんだろうかという思いがすごくある」と述べていた。「神仏」頼みだった頼朝は最後自身の死を悟り、縁起の悪いことを避けようと躍起になり人間不信に陥っていた。「神仏」に傾倒した義時も同じ運命を辿るのか… 彼は既に友人の三浦も妻ののえも信用していない。

 

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