スポンサーリンク

連載当時「水で極限まで薄めたカルピス」と揶揄された『BLEACH』のアニメ『千年血戦篇』が「カルピスの原液」と絶賛される理由

BLEACH 千年血戦篇 I(完全生産限定版) [Blu-ray]

テレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇』がネット上で「カルピスの原液」と絶賛されている。

 

  • 「薄めたカルピス」と揶揄された連載当時

BLEACH モノクロ版 49 (ジャンプコミックスDIGITAL)

『BLEACH』は連載当時コマ割りが大きく見開きを多用し背景が白いことなどから展開が中々前に進まずネット上では「薄めたカルピス」と揶揄されていた。そのため「『BLEACH』は一杯のカルピスを限界まで薄める」という趣旨のコラ画像まで作られていた程だ。また『BLEACH』は『破面篇』までは当時の『週刊少年ジャンプ』で『ONE PIECE』『NARUTO』に次ぐ看板漫画という扱いを受けていたが、『死神代行消失篇』以降はジャンプでのアンケート結果を反映させているという掲載順も下位を彷徨い、合併号の集合表紙でも看板のポジションは『トリコ』に奪われ、扱いは中堅漫画と同じになり、人気は低迷していった。そうした背景もありネット上での『BLEACH』のネタ化は進み、最終章『千年血戦篇』も「卍解を奪うとか爆笑したわw」「済まぬさん」「上に行って下に落ちてまた上に行って下に落ちてを繰り返す無能主人公」とバカにされる始末。更に最終巻前巻で突如「次巻最終巻」と残り数話ではとても物語が終わるとは思えない状況で連載終了が発表され、そのまま急展開で物語に幕を閉じたことから真面目に読んでいた層をも「…何…だと…?」と困惑させた。

youtu.be

こうした経緯から当時は「『BLEACH』レベルでもジャンプ編集部は他の漫画と差別化することなくアンケート結果が悪いと数週前に打ち切り宣告をするものなのか?」との憶測も流れたが、後にサンドウィッチマンのラジオ番組に原作者・久保帯人先生が出演した際に自ら編集部に連載終了の1年前に「終わらせる」と報告していたことを明言。本人曰く「終わり方は決まってたから、打ち切られてもそこまで飛ばせばいい」という考えで連載をしていたらしいが「流石にもう少しクライマックスの構成何とかならなかったのか…」感は否めなかった。

 

 

  • アニメ1話分に原作5話前後分を濃縮

THE BLOOD WARFARE

そんな半笑いと苦笑いの中で終わった『BLEACH』が、連載終了の6年後に最終章『千年血戦篇』がテレビアニメ化され、絶賛される未来が来るとは連載終了当時には夢にも思っていなかった。本作が「薄めたカルピス」と揶揄された原作と異なり「カルピスの原液」と絶賛される理由の一つにはそもそも連載当時から『BLEACH』は「週刊連載で読むと1話のボリュームが物足りなく薄く感じるが、単行本で一気に読むと面白い」との評価を得ていたことから、1話分に原作5話前後分の内容が凝縮されているアニメは単行本と同じ現象が起きていることが推測される。

 

 

  • 久保帯人先生が総監修、「カルピスの原液」へ

また『BLEACH』の過去のアニメシリーズはジャンプ本誌での連載と並行して放送されていたことから、本誌の内容に追いつかないためにも戦闘シーンの引き伸ばしやアニオリ要素での調整が必要だったが、本作では既に連載が終了していることでそうした調整は不要。逆に物語の全体像が既に分かっていることから、原作に追いつかないためではなくアニメのクオリティを上げるための調整は可能で、尚且つ原作者の久保帯人先生が「総監修」として全力でバックアップ。原作では色々な都合で語られなかった「ユーハバッハと愛染の会話」や「初代護廷十三隊の戦闘」などのアニオリが久保帯人先生の描き下ろしにより物語の随所に挟み込まれ、過去のアニメシリーズとは異なり放送時間も夕方ではなく深夜であることからグロ描写もやりたい放題であることなどを踏まえれば本作が「カルピスの原液」と絶賛される理由は明らかだろう。

 

 

  • 最後に…

『BLEACH』は上述したようにネットではネタ扱いされることも多いが、今回のアニメ化ではそうしたネタにされていた部分を製作陣が「いやいや、それこそが『BLEACH』の魅力じゃん」と変に気取ることなくストレートに作品にぶつけている印象を受ける。それは過去のアニメシリーズが『死神になっちゃった日』など如何にもなジャンプアニメのサブタイトルだったのに対して、本作は『THE BLOOD WARFARE』など原作準拠の英語サブタイトルなことや次回予告での単行本のポエム使用などからも感じ取ることが出来る。

 

 

  • 関連記事

mjwr9620.hatenablog.jp

mjwr9620.hatenablog.jp