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【ハンターハンター】クロロ「オレに人質としての価値などない」 、「幻影旅団」の過去編を読んだ上で『ヨークシン編』を読み返した

HUNTER×HUNTER モノクロ版 11 (ジャンプコミックスDIGITAL)

『ハンターハンター』で「幻影旅団」は「殆どのメンバーが流星街出身の幼馴染で、元はクロロを団長した演劇サークルだったが、サラサが殺害されたことでこれ以上被害を出さないために、悪党に徹することで街を守ることを誓った集団だった」ことが明かされた。

 

  • クロロ「ウヴォーさん 聞こえますか?」

「幻影旅団」の過去編が描かれたことで『ヨークシン編』もまた違った見え方をしてくる。まずウヴォーが殺された後の団長による「ウヴォーさん 聞こえますか? オレたちから貴方への鎮魂歌(レクイエム)です」というセリフ。初読時には「ここでウヴォーさん呼びか、なんかいいね」くらいの感じで「名シーンだな」とか思っていたが、今回ウヴォーにとってクロロは「初めはただ欲しかった」と何でもいいから何かを欲していた自分の欲していたモノややりたい事を明確にしてくれた存在、クロロにとってウヴォーは自分のことを一番に理解してアシストしてくれる存在、という関係性が明かされたことで一層深みが増した。クロロが普段は「ウヴォー」呼びなのに、ここでは「ウヴォーさん」呼びなのも、「幻影旅団」の団長としてではなく「流星街」の幼馴染として送っていたから、だというのも泣ける。

 

 

  • センリツ「貴方と同じ理由でそこに立ってる」

また『ヨークシン編』でクラピカがクロロを誘拐した際に直接取引に応じたパクノダもクロロと幼馴染かつ「幼少期のクロロが教会で勉強していることを知っている唯一の存在」だったことも判明。交渉当時、センリツはクラピカとパクノダの心音を聴くことで「パクノダはクラピカと同じ理由で交渉に立っている」「クラピカもそれに気づいている」との想いを頭の中に巡らせていたが、実際クラピカはかつての仲間・パイロを失ったことと同じことを繰り返したくないという想いから復讐ではなくゴンとキルアを救うことを優先したのと同様に、サラサとウヴォーを失ったパクノダも旅団の掟よりもクロロを救いたい、という共に「仲間を救いたい、これ以上前のように仲間を失いたくない」という想いから交渉をしていたことがより鮮明となった。

 

  • ゴン「仲間だから本当はクラピカに…」

また「幻影旅団」がクロロを救うためにパクノダを鎖野郎のところに一人で向かわせるか、それとも場所を言わせて鎖野郎を殺しに行くかでメンバーの意見が割れた際に人質のゴンが放った「本当に分からないの?パクノダがなぜお前たちに何も話さず戻ろうとしているのか、マチがなぜお前達を止めようとしているのか、お前達の団長を助けたいからに決まってるだろ!?仲間を取り戻したいって気持ちがそんなに理解できないことなのか!!」という訴えも、パクノダの記憶の銃弾越しに見た「仲間だから本当はクラピカに人殺しなんてしてほしくない!!」 という想いも旅団の初期メンバーにはクリティカルヒットだったんだろうな、感じた。クロロは自分が沢山の人を殺すことを「サラサは望んでいない」としていたけど、おそらくそれは他のメンバーも同様だったのだと思う。そう思うと「仲間だからクラピカに人殺しなんてしてほしくない!!」というセリフを思い出しながらゴンたちに「パクはお前らに感謝してたぜ」という気持ちを伝えたフィンクスは「子供の頃のことを思い出してたんだろうな…」とこちらもより泣けた。

 

 

  • クロロ「オレに人質としての価値などない」

そしてクロロが誘拐された際に放った「オレに人質としての価値などない」というセリフ。これはセンリツによって「本当」判定されていることから、クロロは自分のことを「人質としての価値はない」と本当に思っていることは確実だが、これも当時から「クロロを救うためにパクノダを一人で行かせる」派と「鎖野郎を殺す」派で割れてフランクリンが「オメーらはどっちも団長に依りすぎ」と指摘されていたことから「団長に人質の価値メチャクチャあるじゃん!」と思っていたが、過去編を踏まえるとよりクロロの人質の価値は「メチャクチャあるじゃん」とより強く思えたと同時に「クロロは流星街を守るための蜘蛛だから自分が死んでも蜘蛛さえ残れば問題ない」と心の底から思っているんだな、とも思えた。そしてだから故のフランクリンの「致命的に旅団が崩壊してみろ?それが団長に対する一番の裏切りだぞ」発言なんだな、とも思った。でもクロロは「迷うな パクノダ 皆と来い!!」とも思ってるから、パクノダが自分のことで迷うことも分かっているのがエモい。

 

  • マチとエンバーミング

また過去編ではマチの念能力のルーツも判明。バラバラにされたサラサの死体をエンバーミングという能力で治してくれたエンバーマーのレンコに念能力を教わった様子。マチは天空競技場でヒソカのボロボロの死体を治してあげようとしていたが、それも幼少期の経験からくる「優しさ」だったんだな、と実感。きっとヒソカに無惨に殺されたコルトピとシャルナークの死体も治してあげたんだろうな、と思うと色々と辛い。マチはウヴォーの「クロロ お前が頭だ お前が頭ならオレは死ぬまでついていくよ」というセリフと共に皆んなが人差し指を空に掲げる際に1人だけ掲げ方が中途半端だったが、これはマチだけクロロの想いに賛同しきれていないことの表れなのか、それとも彼女1人だけが生き残るという伏線か… もし1人生き残ってメンバーのエバーミングとかしてたら本当に辛い。

 

 

  • 最後に…

「幻影旅団」の過去編が描かれたことで「クルタ族が悪者で旅団は復讐してたという展開もあるのでは?」みたいな予想をよく目にしたが、「クルタ族」に関してウヴォーもパクノダも「そういえばそんな眼が赤くなる種族もいたね」くらいの認識だったから、旅団のメンバーが「復讐」という共通認識を持った上での惨殺、ということはないとは思う。

 

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