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【中山竜】「監督の色を出すなら原作付き作品ではなくオリジナルでやれ」の是非、テレビアニメ『チェンソーマン』に「微妙」の声

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テレビアニメ『チェンソーマン』の放送が終了した。

 

  • 原作ファンの「微妙」ポイント、監督の狙い通り

第1話 犬とチェンソー

放送前は「MAPPAの単独出資故の新人監督・新人声優タッグでハケンアニメ確実」「週替わりエンディングという力の入れよう」と期待値が高かった本作だが、放送が始まるとTwitterで「微妙」という文字が高確率でサジェストされる始末となった本作。勿論インターネットに意見を書き込む層の評価が全てではないが、肌感覚的にも『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』程の評価は得られていない印象を受ける。ネットでの主な「微妙」と評されるポイントは「戦闘描写の引き画」「音楽の使い方」「ギャグのノリ」「キャラクターの抑制された演技」など。一言で表すなら「原作のハチャメチャさが足りない」という評価だ。個人的にも原作一巻のオレンジと緑を大胆に使ったカラーリングの表紙や公式のプロモーション映像に見た「ドラック的快楽」は感じなかった。そういう意味では物足りない作品であった。

ただネット上で指摘されるアニメ版の「微妙」ポイントは複数のインタビューを確認する限り基本的に「監督の狙い通り」の演出。つまり「解釈違い」が生じていると割り切るしかないということだ。一部では「別の監督で作り直して欲しい」「2期からは監督を変えて欲しい」との声もあるようだが、そこら辺は今後の売上等総合的な結果によって判断されることなのだろう。

 

 

  • 「監督の色が強い」、原作者によって認識に差

ルパン三世 カリオストロの城

一方でアニメ演出として「デンジのパワー及びマキマさんの胸揉みシーン」「飲み会シーン」「姫野とのベッドシーン(未遂)」など日常シーンのねっとり演出への評価は高い。特にアニメオリジナルシーンとして挿入された「アキのモーニングルーティン」は高評価を得ていた。ここでよく議論となるのは「監督の色を出すのは原作付きではなくオリジナル作品でやるべきでは?」との指摘。ここら辺は宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』のような圧倒的な成功ケースがあるので「その通り!」とはならないが、実際「いや、お前のやりたいことは自分の作品で存分にやれよ」と思わず言いたくなってしまうような作品も少なくないのも事実。

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ここら辺の認識は原作者の間でも差が生じている。それこそ『ルパン三世』のモンキー・パンチ先生はその点に寛容なタイプ。また『進撃の巨人』の諫山創先生が実写映画版の際に脚本を頼んだ映画評論家の町山智浩さんに原作よりも町山さんの色が強く出るようにオーダーを出していたのも今や有名な話だ。一方で本作同様に署名活動が行われ、署名活動の代表者とプロデューサーとの対談までが行われた『魔人探偵脳噛ネウロ』の松井優征先生は『暗殺教室』のテレビアニメ及び実写映画化の際にネウロのアニメの不満を吐露。原作者によっても「自分の作品をそのままアニメに落とし込んで欲しい」というタイプと「自分の作品を使って好き勝手やってくれ」というタイプが存在するようだ。

――藤本(タツキ)先生とはどういう話をしたんですか?

中山 藤本先生からは「『チェンソーマン』を題材に好きなものをつくってくれていいです」と言っていただいたんですけど、僕は『チェンソーマン』が好きなので、ちゃんと原作をベースにやりたいという話はしました。

【中山竜(TVアニメ『チェンソーマン」監督)】メジャーにも届き、コアにも刺さる『チェンソーマン』をつくりたい | CULTURE | UOMO | WEB UOMO

自分の色を打ち出すというよりも、藤本先生の作品の魅力を多くの人に伝えるということをやりたいと思った

アニメ『チェンソーマン』中山竜監督インタビュー「藤本タツキ先生の底知れなさ、テンションの高さ、あらゆる魅力を表現したい」。【アニメの話を聞きに行こう!】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

本作の中山竜監督によると藤本タツキ先生はアニメ製作陣に「『チェンソーマン』を題材に好きなものをつくってくれていいです」とのオーダーが出ている一方で、監督は「自分の色を出すより原作の魅力を多くの人に伝えたい」との趣旨の発言をしている。マジか…

 

 

  • 中山竜監督、好きな監督はノーランとフィンチャー

ちなみに中山竜監督の好きな映画監督はクリストファー・ノーラン監督とデヴィッド・フィンチャー監督。「なんかやたらと真面目に作ってるな…」と思っていた自分としてはある種の納得感。恐らく藤本タツキ先生の好みは『悪魔のいけにえ』などのホラー作品、サメ映画、そして『ルックバック』の元ネタともされる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などのクエンティン・タランティーノ監督。同じ「スーツカッコいい系映画」でもやはりノーランとタランティーノでは違う。これはどちらが良いとか悪いとかの話ではなく、そういう好みの差もオーディエンスが感じた「なんか原作の感じと違うんだよな…」という違和感の正体の一つなような気がした。要はB級感が足りなかったのだ。

 

 

  • 最後に…

「な〜んかいまいちでした」「面白くなかったね、画面は結構お金かけてそうだったけど」との原作コマも使われて批判される本作。一方で中山竜監督のねっとり演出は『レゼ編』との相性は抜群のような気もするので、個人的には覚醒が起きることを期待してる。

 

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