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【嫌い】「恋愛」「枕営業」「不倫」、『【推しの子】』重曹ちゃんこと「有馬かな」が『スキャンダル編』でヘイトを集めた理由

【推しの子】 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

赤坂アカ原作、横槍メンゴ作画『【推しの子】』の『スキャンダル編』が完結した。この章では重曹ちゃんこと有馬かなが読者からのヘイトを多く集めてしまった。

 

『スキャンダル編』直前の重曹ちゃんは「B小町」でのアイドル活動に悩んでいた。それもそのはず、彼女は元々アイドル志望ではなく子役上がりの役者。それにも関わらず流れでアイドルになり、自身のやりがいはアクアの「推しの子」になることだった。しかしアクアから避けられていることから嫌われていると認識。役者の仕事は取れないし、アイドルとしての仕事もルビーのおまけ、「何のためにアイドルやってるんだろう…」と悩んでいるときに、今一番勢いがあるとされる映画監督と知り合い食事にGO。そこで久々に役者としての会話に花を咲かすことができ、監督からの「君をもっと知りたい」「よければウチでもっと話さない?」的な提案に乗り監督の家に行ってしまう。そして2人で監督の家に入る瞬間を週刊誌に取られて「さー、大変」というのが、今回の『スキャンダル編』の導入だ。

 

 

ただ重曹ちゃんは監督との「不倫」及び「枕営業」をギリギリのところで踏み留まり「未遂」に終わっている。勿論、監督の家の中に入っていく2人が報じられた場合、世間は未遂を信じないだろうが読者は未遂を知っている。また本人は18歳で成人済みとはいえまだ高校生。公私共に上手くいっていない状況で久々に自分の話を真剣に聞いてくれ、認めてくれる存在が現れた場合、「不倫」を伴う「枕営業」に流れてしまうのは問題ではあるが、必要以上に責める気にもなれない。一部では重曹ちゃんが監督の家に行った理由を「グループの足を引っ張らない為」と記憶を捏造して自己を正当化している、との批判もあったが、最終的に社長とメンバーに対して「ごめん、演技の仕事が欲しくて、どうにか取り入ろうとして、周りが見えなくなって…」と涙を流しながら正直に理由を話して謝罪をしている。実際、自分の過ちを正当化するために記憶を作ってしまうというケースはあるので、その意味では重曹ちゃんの思考はリアルだし、その後はちゃんと自身の過ちを認めて謝罪しているので、ここも必要以上に責められる部分ではないだろう。

 

一方で重曹ちゃんの未遂に終わったのは「恋愛」ではなく「不倫」及び「枕営業」なので、社長とメンバーによる「アイドルの熱愛」をベースにした「アドバイス」と「週刊誌及び厄介ファン批判」は重曹ちゃんの行為に対して「ズレ」を感じた。おそらく、ここら辺のズレが重曹ちゃんの過ちが「アイドルの人権を無視して熱愛報道をする週刊誌とそれに過剰反応する厄介ファン」という問題にすり替えられ、重曹ちゃんの過ちが周囲に無限に許され、甘やかされているように読者に映ってしまったことで、『スキャンダル編』での重曹ちゃん批判に繋がったような気がした。

 

 

また今回、アクアは重曹ちゃんのスキャンダル報道を止めるために「アイの秘密」を記者に売り、ルビーがブチギレるという展開が描かれるが、その顛末は重曹ちゃんのモノローグ5ページによって処理される。本来ならそこで「自分のせいで…」という自己嫌悪や「ルビーは大丈夫か」などの心配があってもいいはずだが、何処か他人事。それどころかアクアに「お礼を言わなきゃ」としつつ自身の気持ちを延々と吐露したり、散々痛い目にあった後なのにアクアと2人で外を出歩き周囲から注目を集めるなど「えぇ…」みたいな行動が続き、「重曹ちゃん、もうちょっと他人の気持ちを…」とのストレートなキャラクター批判を招いた。

 

 

何というか「アイの秘密」が世間に報じれてからルビーが会見するまでの2週間をもうちょっと丁寧に描写してくれていれば、また反応も違ったのかもしれないが、重曹ちゃんのモノローグで処理した結果、重曹ちゃんによって引き起こされた問題のせいで大変なことになってるのに、「本人は何処か他人事で能天気に好きな男とイチャついている女」みたいな見え方になってしまっている。勿論、アクアが「アイの秘密」を売ったのは重曹ちゃんのスキャンダル倒しのためだけではないのだろうし、今後更なる重曹ちゃんの気持ちも描かれるのかもしれないが… 今の段階ではやや苦笑いで見るしかない。

 

 

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