『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の公開がアメリカなどで始まった。
- 公開5日間でゲーム映画史上最大のヒット
本作はアメリカでは先週水曜日に公開され、週末だけで1.46億ドル、公開初日からのオープニング5日間では2.04億ドルを稼ぐ大ヒットスタートとなった。この数字は公開当時「ゲーム映画史上最大のヒット」をそれぞれ更新した2019年公開『名探偵ピカチュウ』のアメリカでの最終興行1.44億ドル、2020年公開『ソニック・ザ・ムービー』のアメリカでの最終興行1.48億ドル、2022年公開『ソニック・ザ・ムービーソニック VS ナックルズ』のアメリカでの最終興行1.90億ドルを僅か公開5日間だけで超えるレベルの大ヒット。
世界興行でもオープニング5日間で3.77億ドルを突破しており、『名探偵ピカチュウ』の4.49億ドル、『ソニック・ザ・ムービー ソニック VS ナックルズ』の4.05億ドルを抜くのも時間の問題だ。
The Super Mario Bros. Movie - Box Office Mojo
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- 批評家と観客で評価に差、ネガティブ評の理由は…
THE SUPER MARIO BROS. MOVIE
PG 2023, Kids & family/Comedy, 1h 32mTOMATOMETER
56%AUDIENCE SCORE
96%
一方で本作のアメリカの批評サイト『ロッテントマト』では一般観客の評価する声が96%と高い数字を記録するも、批評家からの支持率は56%とイマイチ。一般観客と批評家との間で評価に差があったことから日本のSNSでは「ポリコレに配慮してないマリオ映画は批評家から評価されなかったが、観客にとっては楽しめる映画になってるらしい」という趣旨の投稿がバズったりした。
・既存のファン層を満足させるための最低限の努力しかしてない
・マリオのファンムービーでそれ以上でもそれ以下でもない
・子供たちはこの映画を観て最高の時間を過ごすかもしれないが、大人にとっては退屈
・これは映画ではなくブランド拡大のための映像
・映像は凄いし、愛情もあるが、実際のゲーム体験には及ばない
ただ批評家の評価を何個か読んでみても特に「ポリコレに配慮してないからダメ」という趣旨のレビューはない。また予告編などの映像を見る限り、クッパに拐われるのがピーチ姫ではなくルイージになっていたり、ピーチ姫がマリオにアクションのお手本を見せていたり、ピーチ姫が王国を率いるリーダー的ポジションになっていたりとジェンダー的な部分で考慮された物語作りをしていることが推測される。そのため「ポリコレ」というワードの適切性などは一旦置いといて、そもそも「ポリコレに配慮してない」という認識そのものがズレているのではないか、と思う。
- ポジティブ意見もネガティブ意見と内容は同じ
・ストーリーはともかく愛されキャラクターをフューチャリングしたことには成功している
・ゲームの世界が10歳以下の子供たちのために忠実に再現されている
・イルミネーションスタジオが初めて子供たちのために子供向け映画を作ったという意味で新鮮
・マリオのゲームをプレイするだけでは飽き足らないファンの要望を応えるには十分な映画
・80年代のゲーム音楽を使いながら新しさと懐かしさの融合に成功している
またポジティブなレビューをした批評家の評価も読んでみたが、内容自体はネガティブなレビューをした批評家と変わらない。総合すると「マリオのゲームの映画として子供やファンは楽しめるものになってるけど、映画として特段優れているところはないので、興味のない人からすれば退屈かもね」的な感じだろう。要は「ファンや子供は楽しめる」とポジティブに捉えているか、「ファンや子供しか楽しめない」とネガティブに捉えているかの違いだ。そして観客は批評家と違って、基本マリオのファンか子供が楽しめばOKのファミリー層が中心なので「ファンや子供が楽しめる映画」ならば、求めているものが提供されたので高評価とジャッジしやすい、みたい背景があるのだろう。そのためマリオのゲームのファンなら十中八九楽しめる映画になってると思われる。
※英語苦手だから翻訳は雑、間違ってる部分があったらゴメン
- 最後に…
あまり安易に「答えっぽい」ものに飛び付かない方がいいと思うよ、的なことを思ったり思わなかったり…
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