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【ファーストキス/トリリオンゲーム/キャプテンアメリカBNW/ショウタイムセブン/知らないカノジョ/アノーラ】映画興行収入25年2月

2025年度2月の映画興行収入レポート。

 

  • 『ファーストキス』『トリリオンゲーム』ヒット

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年末年始と春休みに挟まれた閑散期と言われる2月も実写邦画2本がヒット。1本目は『花束みたいな恋をした』の坂元裕二脚本、『ラストマイル』の塚原あゆ子監督、松たか子・松村北斗出演のタイムトラベル・ラブストーリー『ファーストキス 1ST KISS』。『花束〜』同様に口コミで動員を伸ばしており、現段階で興行収入20億円手前、最終的に25〜30億円程度が見込めるヒットとなっている。塚原あゆ子監督は昨年、脚本家・野木亜紀子と組んだ『ラストマイル』が最終59.6億円、キムタク主演『グランメゾン・パリ』が興行収入40億円超えとテレビドラマ出身の職人タイプの女性映画監督としてヒット作品を連発している。出演の松村北斗も昨年の『夜明けのすべて』に続いて役者としての評価が高い。

【チラシ付き、映画パンフレット】劇場版 トリリオンゲーム 監督 村尾嘉昭 出演 目黒蓮、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、吉川晃司

2本目は原作:稲垣理一郎、作画:池上遼一による人気漫画を目黒蓮主演でテレビドラマ化した作品の映画版『劇場版 トリリオンゲーム』が最終20億円程度が見込めるヒット。元のテレビドラマは2023年7月クール放送で平均視聴率は5.5%、TVerでの番組再生回数ランキングでも同クール放送の『VIVANT』『最高の教師 1 年後、私は⽣徒に■された』『真夏のシンデレラ』『ハヤブサ消防団』などの後塵に拝して同クール8位とあまり目立った功績を残していなかったが、映画で化けた形となった。

 

https://tver.co.jp/news/files/TVer_release_7%25E6%259C%2588%25E3%2582%25AF%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25A9%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25AD%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25AF%25E3%2582%2599_231205.pdf

 

 

  • 期待の事前ハードルが下がったMCU最新作

映画パンフレット キャプテンアメリカ

MCU最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が11億円程度のヒット。近年のMCUは『アントマン&ワスプ:クアントマニア』『マーベルズ』と日本で最終10億円を下回るケースもあったので、一応これまでも登場していたキャラクターとはいえ、失礼ながら日本でそこまで認知度も人気も高くないと推測されるヒーローの主演映画で10億円を超えたのは何より。作品内容的に現実の日米首脳会談と重なったのも多少はプラスだったのかもしれない。一方で作品の評価は「思ったよりは面白かった」くらいの感じ。全米興行は製作費1.8億ドルに対して2億ドルに届くか届かないかくらいで、世界興行含めて興行的失敗作扱いの『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(全米興行2.14億ドル、世界興行4.76億ドル)を下回る情勢だが、今回は製作費の違うもあるのだろうが、そこまで「興行的失敗作」的な扱われ方もしていない。これは観客サイドのMCUの作品的、興行的期待値への事前ハードルが以前よりも下がってしまっていることは示しているの面もあるのだろう。「ハリソン・フォードのレッドハルクがサプライズ要素だったら、また違ったのかも…」との指摘も相次いでいるが、MCU的には「レッドハルクまで予告で見せないと、もう初動で観客を引っ張りきれない」と判断したのだろうか…

 

  • 日曜劇場でもキャスター役の阿部寛

小説 ショウタイムセブン (集英社文庫)

韓国映画を日本で阿部寛主演でリメイクしたリアルタイム型サスペンス『ショウタイムセブン』は最終5億程度の不発。映画内で阿部寛は爆破事件の犯人から交渉役に指名された元人気キャスターを演じているが、春クールから放送予定の日曜劇場『キャスター』でも阿部寛は主演でキャスターを演じるので、そちらでの数字的な評価を期待したい。

 

https://www.tbs.co.jp/caster_tbs/archive/20250225/

 

 

  • フジテレビで自局制作映画のCMラッシュ

【チラシ付き、映画パンフレット】知らないカノジョ 監督 三木孝浩 出演 中島健人、milet、桐谷健太、中村ゆりか、八嶋智

中居くんの女性トラブルへの対応でスポンサー離れが相次ぎ、2月からは最早差し替えるCMも少なくなったことで「ACばかり」から「番宣ばかり」となったフジテレビだが、その番宣枠には自局制作映画も該当する。その結果、1月公開の福田雄一監督『アンダーニンジャ』は10億円突破が微妙な情勢だったにも関わらず、フジテレビの本編映像含む異例のCMラッシュによって動員が回復して興行収入12億円を超えた。「オールドメディアと揶揄されようが、未だにテレビの威力は強い」と実感させられたエピソードだが、同じくCMを流しまくっている『知らないカノジョ』のオープニング興行は1.58億円と不発。それともこれでもCMラッシュの下駄を履かせて貰った結果なのか、今後『アンダーニンジャ』同様に長尺CMや本編映像を流しまくることで動員がジワジワ伸び続けるのか、今後公開を控えている既にCMラッシュが始まっているフジテレビ制作映画『パリピ孔明 THE MOVIE』や『かくかくしかじか』の興行の行方は…、など映画興行の視点からもフジテレビの動向から目が離せない。

 

フジテレビからスポンサー離れでCM特需の映画『アンダーニンジャ』がまさかのヒットも酷評レビューが続出 | 週刊女性PRIME

 

  • 盛り上がりに欠けたアカデミー賞

映画ポスター 海外版 ANORA アノーラ (28 cm x 43 cm) APMPS-CB33765 [U.S. Made Poster]

今年のアカデミー賞は2022年の「国際長編映画賞に『ドライブ・マイ・カー』」、2023年の「エブエブ旋風」、2024年の「『君たちはどう生きるか』『ゴジラ−1.0』、日本W受賞」に比べると、どうも盛り上がるに欠けたように感じる。勿論、それは日本視点故の昨年からの反動の部分も大きいのだろうが、日本の当日や翌日のテレビや新聞の報道を見ても最優秀作品賞の『ANORA アノーラ』よりも、最優秀長編ドキュメンタリー賞の『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の方が扱いが大きい印象を受けた。とは言っても、 『ANORA アノーラ』の方もアカデミー賞受賞後にショーン・ベイカー監督が来日し、週末の興行収入は前週比105%を記録して、興行収入が1億円を超えたりと華やかな話題もある。ただ娼婦が主人公のR18映画故に新聞はともかく、テレビでは扱いにくいのかな、とも感じた。3月公開予定の最優秀長編アニメーション賞を受賞した『Flow』の数字にも注目。

 

https://x.com/anora_jp/status/1899384806699356555?s=46&t=udUH1SvaWmPtCdiaLsKY1g

 

【追記】TBSテレビ『NEWS23』でショーン・ベイカー監督へのインタビュー特集が放送されていた→- YouTube

 

 

  • 最後に…

日本でのアカデミー賞の話題は『ANORA アノーラ』『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』よりも、長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた伊藤詩織監督『Black Box Diaries』の諸々の問題の方が世間的には注目されていた感は否めない。日本での公開は未定で、伊藤さんは海外メディアにその理由を「政治的にセンシティブ」などと説明しているとの報道もあるが、一強状態の安倍政権下でモリカケ疑惑や伊藤さんの会見をモチーフにした『新聞記者』が全国規模で公開されて、日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞したことを踏まえると、 学校法人森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざん問題の関連文書の開示を決めた少数与党の石破政権下において「政治的な理由で未公開」というのは考えにくく、映画に関する諸々の問題が未公開の理由と考えるのが妥当だろう。日本公開には伊藤さんによる真摯な対応が不可欠だ。

 

伊藤詩織さん映画、割れる評価 日本では映像・音声使用巡り問題指摘 海外映画祭では相次ぎ上映:朝日新聞

 

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