『隻眼の残像』は『瞳の中の暗殺者』？『ハロウィンの花嫁』以降の『劇場版名探偵コナン』は1作目から順にモチーフの法則

『劇場版名探偵コナン』シリーズは第25作『ハロウィンの花嫁』以降、第1作『時計じかけの摩天楼』から順に新作のモチーフにしている法則がある。

『ハロウィンの花嫁』は『時計じかけの摩天楼』

『ハロウィンの花嫁』は都内での爆弾テロを描いた作品だが、これは『時計じかけの摩天楼』と同じ。『時計じかけの摩天楼』は「赤と青の導線、どちらを切ると爆発が止められるか」がキーだったが、『ハロウィンの花嫁』では「蛍光ピンクと蛍光ブルーの液体が混じると爆発する」という設定だった。本作は音楽がそれまでシリーズを担当してきた大野克夫さんから菅野祐悟さんにバトンタッチした作品。また初期の劇場版で使用されていた挿入歌「キミがいれば」の新たなアレンジが15年ぶりに劇中で流れた作品でもある。こうした背景を踏まえると、コナン映画の製作陣が本作を「新生コナンの1作目」として位置付けていたように思えるし、その中で「観客が求めているコナン映画って何だろう」という課題を突き詰めて行った結果、「原点回帰」「初期のテイストのリスペクト」も浮上したのではないかと思えた。

『黒鉄の魚影』は『14番目の標的』

そんな1作目へのリスペクトを感じさせた『ハロウィンの花嫁』が公開された次の年の映画『黒鉄の魚影』は劇場版2作目の『14番目の標的』をモチーフに感じさせる作品だった。具体的には両作品共に海洋施設が舞台で、コナンは水中で溺れて気絶するも、『14番目の標的』では蘭姉ちゃんが、『黒鉄の魚影』では灰原哀がコナンに人工呼吸を通して事実上のキスをするとの共通項が存在した。一方で人工呼吸を通した展開の対比によって、本作の恋愛視点における「勝ちヒロイン」と「負けヒロイン」が改めて明確となる形にもなっていた。

『100万ドルの五稜星』は『世紀末の魔術師』

更にその翌年は怪盗キッドと服部平次がコナンと共に「土方歳三にまつわる日本刀」の謎を追う『100万ドルの五稜星』が公開。これは劇場版3作目『世紀末の魔術師』と「キッドと平次が登場する」「ロマノフ王朝の遺産を追う歴史モノ」「ラストでキッド絡みのサプライズがある」という共通項が存在した。

最後に…

*❅•⊱ 公開直前 PV 解禁 ⊰•❅*

先程､ファンミーティングで解禁となった
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狙われたのは
敢助の失われた❝隻眼の記憶❞…

すべての記憶が戻る時
眠っていた┋陰謀┋が目を覚ます──#隻眼の残像 (フラッシュバック)
いよいよ4.18(金)開幕❄️ pic.twitter.com/67dGMb64cf
— 劇場版名探偵コナン【公式】 (@conan_movie) 2025年4月13日

そして今年公開の『隻眼の残像』は「犯人は大和敢助の左眼の記憶の中にいる」という予告編から、犯人の顔を目撃して記憶喪失になってしまった蘭姉ちゃんの記憶から犯人を追う劇場版4作目『瞳の中の暗殺者』モチーフ(「警官殺し」も共通点)であることは明らか。ここまで来れば、近年のコナン映画が『ハロウィンの花嫁』以降、1作目から順番に最新作のモチーフにしていることも明らかだろう。こうなると来年は劇場版5作目『天国へのカウントダウン』モチーフの作品が作られるかも。