ネタバレ注意
『名探偵コナン 隻眼の残像』の毛利家のなくなったリモコン考察。
- 毛利家のなくなったリモコン
本作では冒頭で毛利家のリモコンがなくなっており、小五郎は「スマホのアプリで代用すれば良い」と開き直るも、コナンは「ダメだよ、ちゃんとセットなんだから、蘭姉ちゃんも怒ってたよ」みたいなやり取りがなされる。そして、映画のラストではリモコンは何故か見つかっているが、誰が見つけたのは分からないまま終わる。こんな意味深な描写を映画の冒頭と終盤に描いたのだから、当然「映画的な意味」があるのは明らか。逆になかったら「じゃあ、あのリモコンの話はなんだったんだよ」となる。
- 今回の小五郎はコナンに操られない?
SNSで最も指摘されている「リモコンがない=今回の小五郎はコナンに操られない」のメタファーという考察。本作は宣伝でも「小五郎が眠らずに活躍する」ことがフィーチャーされていたし、コナンが蘭姉ちゃんから赤いマフラーを蝶ネクタイ型変声機と同じ結び方をされていたことからも、「今回の作品では『眠りの小五郎』はなし」のメタファーという考察はシックリ来る。
- リモコンを見つけたのは…
一方で「あのリモコンは誰が見つけたの?」との疑問は残る。この点に関して、SNSでは「最後にリモコンが見つかったのは、小五郎は再びコナンに操られる生活に戻ったの意味」との指摘も相次いでいるが、それだと若干後味が悪い。勿論、そういう意味もあるのかもしれないけど、個人的にはあのリモコンは小五郎が見つけていて、劇中の拳銃発砲同様に知らないフリをすることで、小五郎の性格を表していたのではないか、と思えた。小五郎は原作コミックス17巻収録の「スキューバダイビング殺人事件」でも別居中の妻・英理がなくした指輪を本人には気づかれないように探していたりと「不器用な優しさ」を見せていた。
- 最後に…
他にも「新一には蘭」「小五郎には英理」「上原には大和」が必要なように、「仮に同じような役割を果たす代わりの存在があっても、テレビには元々の相棒であるリモコンの存在が必要」「そして、その存在はきっと戻ってくる」的な「幼馴染を軸にした殺人ラブコメ」らしいメタファーでもあったのだろう。また「大和が忘れていた雪崩事故の記憶を思い出した」「小五郎が忘れていたワニの記憶を思い出した」的なメタファーでもあったのかもしれない。
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