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東村アキコ自伝漫画の実写映画『かくかくしかじか』、永野芽郁の不倫疑惑報道でレビューサイトで不当な低評価を喰らっているけど…

映画「かくかくしかじか」オリジナル・サウンドトラック(特典なし)

映画『かくかくしかじか』を観た。

 

  • 原作者の東村アキコ先生も脚本を執筆

本作は『海月姫』『東京タラレバ娘』『偽装不倫』などの漫画家・東村アキコ先生の自伝漫画を永野芽郁、大泉洋で実写映画化した作品。東村アキコ先生の作品はこれまでも数多く実写化されているが、本作は自伝漫画だけあって思い入れが強く、恩師である先生役に大泉洋をキャスティングすることに強い拘りを持ち、自分役に演技力に定評のある永野芽郁がキャスティングされたことで、実写映画化の許可を出したという。原作漫画は全5巻と漫画作品としてはそこまで長編という訳でもないが、2時間程度の長編映画の枠組みに収めるとなると尺は足りない。そこで本作では原作者の東村アキコ先生が自ら脚本に参加して、作品を完成させていったという。正直、原作を読んでいる身からするとダイジェスト感は否めなかったし、大学不合格の後の先生との居酒屋シーンで原作漫画ではビールを一口飲むのに映画では全く飲まないなど「テレビ局製作映画だから未成年飲酒は今回の文脈の中でもダメなのか?」との限界も感じた。ただ東村アキコ先生がパンフレットで触れていたけど、宮崎ロケや金沢の美大(しかも老朽化で当時のキャンパスが取り壊されるタイミングで撮影出来た奇跡)を行っていることから、「あー、あの漫画で描かれた風景は実際こんな感じで、東村アキコ先生は若い頃はこういう場所で育ったんだな…」的な感慨深さはあった。

 

 

  • 永野芽郁の演技

そんなこんなで作品全体の評価としては「まー、原作漫画には敵わないよな…」という感じ(とか言いながら普通に何回か泣いた)だったけど、今悪い意味で話題の永野芽郁の演技はやっぱり良かった。というのも、本作の実写映画化が発表された際に自分は「聞いたこともない演技初挑戦のアイドルとかだったらどうしようかと思ってたけど、永野芽郁なら安心だ」と思っていたので、ちょっと別の意味の不安要素が浮上してしまうも、演技自体はコミカルからシリアスまで安心のクオリティだったからだ。特に美大の夏の課題で何を描いていいか分からず憔悴している演技とか凄かった。

 

 

  • 敢えてスキャンダルを重ねるなら…

本作は永野芽郁の不倫疑惑の報道によってレビューサイトは公開前から荒れていて、明らかに未鑑賞段階での作品とは関係のない不当に低い評価をつけられている。勿論、これだけ話題になっている問題なので、役者の疑惑と作品の演技を完全に切り分けて観るのも中々難しいと思うし、自分も思わずスキャンダルを連想してしまうようなシーンもあったし、よりによって特別出演枠が斉藤由貴で苦笑いさせられたりもした。ただ敢えて作品の内容と永野芽郁のスキャンダルを重ね合わせるのなら、本作は「それなりに年齢を重ねた大人の自分が若い頃の後悔を振り返る物語」なのだから、このタイミングで封切られた彼女の最新作が本作というのは彼女にとっては運命なのかもしれない。不倫の真偽は不明だが、この騒動が落ち着いて暫く経ってから今を振り返る際にリアルタイムで関わっていた作品がスクープを追い求めるドラマ『キャスター』だけでなく、若い頃の後悔を振り返る本作もあったことが彼女にとって良い方に出るといいな、と感じる。

 

 

  • 最後に…

製作側の判断でメディアなしの舞台挨拶になったが、永野芽郁自身は報道陣の前に出る覚悟を見せていたらしいので、とにかく「描け」「描け」「描け」の精神性とも一致していたように思う。

 

  • 追記

映画版だと原作漫画と違って、先生に明確な別れを告げて、尚且つラストはファンタジー空間で先生が自己を肯定してくれるわけだけど、それはやはり東村アキコ先生自身の「先生にちゃんと自分の夢を伝えて、応援してもらいたかった」という願望が出てるのかな、なんてことも思ったりした。「映画用にウェットになってしまっている」との見方もできるけど、「本当はこうしたかった、こうしてもらいたかった」という後悔のやり直しを映画だからこそのファンタジーで叶えたのかな、感もあった。

 

 

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