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レビューサイトでは賛否両論?「全ての『ルパン三世』につながる物語」の意味/『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』感想

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『ルパン三世』の劇場版最新作『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』を観た。個人的には結構面白かったが、レビューサイトでは賛否が割れていた。

 

  • 作品のスタンス、周知不足か

「そんな賛否割れる作品だったかな?」と思って、否定的な意見を読んでみると、そもそも本作の作品スタンスが伝わっていない感はあった。というのも、本作は2012年放送の『LUPIN the Third -峰不二子という女-』を前進とした2014年から始まった原作漫画のハードボイルドでアダルトな危険な香りが漂う世界への原点回帰を目指した『LUPIN THE IIIRDシリーズ』の集大成的な作品。そのため宮﨑駿監督『ルパン三世 カリオストロの城』テイストの『ルパン三世』を期待して観に行くと「コレじゃない感」もあるのだろう。また今回の作風を受け入れても冒頭でこれまでのあらすじと劇中での丁寧なフォローがあるとはいえ、これまでの本シリーズの物語と連続性がある上にこれまでに登場した敵キャラが再登場したりするので、「単独作品だと思ったのに、シリーズの続きなのかよ…」と「別に話が分からないという訳ではないんだけど、何だかなぁ…」みたいなテンションの下がり方をした人も少なくないようだ。その上、本作は実は劇場版1作目『ルパンVS複製人間』の前日譚的なポジションなのだが、それ故にルパン一味や銭形の人間関係も本編の前日譚的な立ち位置なので、そこら辺も上手く理解していないと「ルパンたちの関係性ってこんな感じだったっけ?」と作品鑑賞のノイズになる面もあるようだ。

 

以下ネタバレ

 

 

  • 全ての「ルパン三世」に繋がるラスト

また本シリーズを全作鑑賞した人の間でも賛否が割れているようだ。特に2014年に公開された『次元大介の墓標』から匂わされていた『ルパンVS複製人間』への繋がりがどのように描かれるかが注目されていたが、本編の描かれ方はマモーがガッツリ出てきて「また後ろ姿とかの匂わせで終わると思ってたから、ちゃんと出てきて不二子との会話があったりして嬉しい!」と喜びの声がある反面、ラストは『ルパンVS複製人間』の冒頭へ繋がるような具体的な感じではなく、「全ての『ルパン三世』につながる物語」とキャッチコピーにあるように、もっと抽象的かつメタ的な「これから先に色々なクリエイターたちによって作られる多種多様なルパン三世に繋がっていく」的な銭形のセリフで締められるので、もっと直接的に繋がる描写を期待していた人からすると肩透かしかもしれない。ただ個人的には「原作漫画や本シリーズ、『VS複製人間』のようなハードボイルドな『ルパン三世』こそ本物の『ルパン三世』」みたいな閉じた終わり方ではなく、これまで作られてきた、そしてこれから先に作られていくであろう多種多様な『ルパン三世』を肯定する開かれた終わり方で好みだった。

 

【追記】人によっては今回のラストは『カリオストロの城』には繋がらず、『VS複製人間』にのみ繋がると解釈する人もいるようだ。ただ個人的には「ルパンは捕まったり、処刑されたり一体何なんだ」的な刑事の疑問に対する銭形の締めのセリフから、『VS複製人間』のみに繋がっていくのではなく、キャッチコピー通り「全ての『ルパン三世』につながる物語」と認識した。

 

 

  • マモーを連想させるムオムの生命線

また不死身の敵キャラ・ムオムの生命線が「今回舞台となっている島全体がムオムの身体になっている」的な設定も、マモーの「大きな脳みそ」を連想させるインパクトのあるオチで個人的には好きだった。またその心臓をルパンが撃って倒すのではなく、島に流れている赤い川がムオムの血流で、その流れを銭形協力のもと事前に止めていたことで、心臓に血が届かなくなり、倒すことが出来た、という捻りがあったのも良かった。

 

 

  • 最後に…

そんなこんなでこれからも色々なクリエイターによる様々な『ルパン三世』を観たいと思えた。

 

  • オマケ

2014年からの長寿シリーズなので次元大介の過去パートは「小林清志さんの声だったんだよな…」とエンドクレジットを見ながらしんみりもした。

 

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