『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が日本映画史上最速で興行収入100億円を突破した。
- 2020年代、既に11本のアニメが100億円突破
「鬼滅の刃」新作映画が史上最速で興収100億円 公開8日間で突破:朝日
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2025年7月28日
→日本で興収100億円を突破したのはこれで49作品になった。半数以上にあたる28作品は洋画だが、コロナ下の20年の「鬼滅」前作が歴代最高の404.3億円を記録して以降、人気漫画が原作の邦画アニメが躍進 https://t.co/3KfrOGMQhu
これまで日本で興行収入100億円を突破した作品は本作を含めて49本で、そのうち洋画は28本だという。つまり邦画の100億円突破作品は21本で、半分以上を洋画が占めていることになるが、2020年代に限れば現段階で100億円を超えた洋画は『トップガン マーヴェリック』と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の2本のみ。逆に邦画は現段階で『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『ONE PIECE FILM RED』『すずめの戸締まり』『劇場版 呪術廻戦0』『THE FIRST SLAM DUNK』『名探偵コナン 黒鉄の魚影』『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『名探偵コナン 隻眼の残像』の11本と圧倒している。この11本は全てアニメ映画で2作品を除けば少年漫画が原作であり、オリジナルは『すずめの戸締まり』の1本のみだ。
※洋画も『トップガン マーヴェリック』はバリバリのハリウッド大作映画だけど、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の方は気持ち的には日本のアニメ映画みたいな印象の作品
- 2010年代は3本、2020年に『鬼滅の刃』公開
日本は元々アニメが強い印象があり、実際2010年代も100億円を超えた邦画は全てアニメ映画だが、その数は『風立ちぬ』『君の名は。』『天気の子』の3本のみ。全てオリジナル作品(正確には『風立ちぬ』は宮﨑駿監督自身の連載漫画の映画化ではあるが…)で、少年漫画原作のアニメ化作品はない。当時としては「興行収入100億円を突破するには幅広い層からの動員が必要だから、漫画原作の作品はオリジナル作品と違って母数を縮めるので不利」との見方があった。ただ2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は漫画原作のアニメ、それもコナン映画と異なり劇場版用のオリジナル展開ではなく、漫画原作の一部分のみをアニメ映画化した「途中から始まり、途中で終わる構成」の一見さんにハードルが高い作品にも関わらず国内最高興行収入を更新するヒットとなった。
- 『鬼滅の刃』が作った新たなヒットの流れ
このヒットを皮切りに2020年代は次々と漫画原作のアニメ映画が100億円超えのヒットを記録していった。『鬼滅の刃』の「映画館の大スクリーンでファン同士が一体感を持ってイベント的に作品を楽しむ」というスタイルがロールモデルとなって、他の作品にも適応されたのだろう。コロナ禍によるステイホーム中のサブスクの国民への本格普及、洋画大作の延期や感染対策のための時刻表並の上映回数の定着も大きかった。正にパラダイムシフトが起きた瞬間だった。また『名探偵コナン』や『ONE PIECE』などの長期作品は、映画のヒットによって「かつては作品のファンだっけど、色々あって作品から離れていた層」を再び作品に呼び込む力を発揮して、漫画業界にもポジティブな効果を与えた。
- 最後に…
【発表】映画の歴代興収TOP10、実写邦画が消える 『鬼滅の刃』が『踊る大捜査線』抜くhttps://t.co/mfHT7WTs5n
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2025年8月4日
1位『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)407.5億円
2位『千と千尋の神隠し』(2001年)316.8億円
3位『タイタニック』(1997年)277.7億円… pic.twitter.com/la7Iq6VaZY
そもそもテレビドラマの劇場版である『踊る大捜査線』が興行収入100億円を突破していることを踏まえると「オリジナルでないと100億円突破は母数的に不利」というのも違っていたのかもしれない。アニメが子供だけでなく大人も普通に観るようになった、という時代の変化も大きいのだろう。またコンテンツ視聴がテレビからサブスクへの明確な移行も感じさせる。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は実写邦画で唯一ランクインしていた『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の興行収入を抜いて、国内歴代興行収入トップ10入りを果たしたが、今後『鬼滅の刃』の劇場版が少なくともあと2作品残されていることを踏まえると、歴代トップ10から『千と千尋の神隠し』以外の宮﨑駿監督作品が消える日もそう遠くないのかもしれない。
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