人気エピソード 『吉原炎上篇』を完全新作アニメとして映画化した『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』が興行収入15億円超えのヒットを記録している反面、「思ったより伸びてないな…」と感じている人もいるようだ。
- 過去の『銀魂』の公開規模と興行収入は…
『銀魂』の劇場版は2010年に人気エピソード『紅桜篇』を新解釈で再構築した1作目『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』を全国90スクリーンで封切り、最終10.7億円のヒットを記録。2013年に「アニメシリーズ完結編」と位置付けて、空知英秋がストーリーとキャラクター原案を手がけた完全新作エピソードの2作目『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』を全国127スクリーンで封切り、最終17.0億円のヒットを記録。2021年に原作のラストをベースにした3作目『銀魂 THE FINAL』を全国197館で封切り、最終19.0億円のヒットを記録していた。
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- 最新作は過去最大の公開規模も過去作と同水準
4作目となる『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』は公開45日間の累計で15.14億円を記録しており、これは『銀魂 THE FINAL』の公開45日間の累計16.33億円をやや下回るペースであり、最終興行も同様の結果になる可能性が高い。『映画ドラえもん』シリーズも過去作のリメイクと新作のオリジナルなら新作のオリジナルの方が興行的に強い傾向があるし、『アベンジャーズ』や『キングダム』の例を見ても「完結編」と銘打っている作品は観客の「最後なら折角だし映画館で観よう」という心理が働くのか最終回ボーナスで興行が過去作より上積みされる傾向にあるので、『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』が『銀魂 THE FINAL』を下回るペースなのもやむを得ない部分もある。ただ『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』は全国350館と過去作を大きく上回る公開規模で封切っているため、制作側としては「もうちょっと当てたかった」というのが本音なのかもしれない。
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- 2010年代と2020年代のジャンプアニメ劇場版
2010年代と2020年代では『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が興行収入400億円を超えて国内映画興行歴代1位に躍り出たことを境に、ジャンプアニメだけでなく少年漫画を原作にしたアニメの劇場版の興行傾向も大きく変わった。『銀魂』の劇場版の1・2作目が公開された2010年代前半の『劇場版名探偵コナン』の興行収入は30〜40億円台で推移していたが、2020年代の今は興行収入100億円超えが当たり前。『ONE PIECE』の劇場版も2010年代の最高興行は2012年公開『ONE PIECE FILM Z』の最終68.7億円だったが、2020年代では2022年公開『ONE PIECE FILM RED』で最終203.4億円と200億円を超えている。
2010年代の『ONE PIECE』以外のジャンプの看板漫画のアニメの劇場版は2014年公開『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』が全国266スクリーン封切りで最終20.0億円、2013年公開『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』が全国257スクリーン封切りで最終12.1億円、2010年公開『劇場版BLEACH 地獄篇』に至っては全国233スクリーン封切りで最終興行10億円を超えていない。こうした水準の中でジャンプの中堅漫画扱いだった『銀魂』の劇場版は比較的少ないスクリーン数で看板漫画級の興行収入を叩き出す脅威的なコンテンツだった。ただ『鬼滅の刃』は別格にしても『呪術廻戦』『チェンソーマン』『ハイキュー!!』とジャンプ漫画のアニメの劇場版が次々と100億円を連発する時代においては、過去作品と同水準の興行収入でも、相対的に物足りなさを感じてしまうのかもしれない。
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- 最後に…
ただヒットには変わらないので、新たな新劇場版を作って欲しいと願う。また2010年代に『銀魂』の劇場版が他のジャンプアニメより高い興行収入を記録していた背景には、他のジャンプアニメより当時の若い大人のファンも惹きつけていた部分もあるように思うが、その意味では今のジャンプアニメはよりライトに若い大人を動員して、真の意味でメジャー化しているのだな、とも感じる。丁度アニメから離れやすい時期に、コロナ禍でのサブスク普及の影響も大きいのかもしれない。最後に興行収入を伸ばし続けている『ONE PIECE』や『名探偵コナン』と違って、『銀魂』の興行収入が過去作と同水準に留まっているのは、原作の連載が既に終了していること、新作ではなく過去作のリメイクであること、作風的にどうしても内向きで一見さんお断りの空気感が出てしまっていること、などが指摘できるのかな、と思った。
- オマケ
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