[注意]このエントリーは「デスノート」と「バクマン。」のネタバレを含んでいます。
- 不評な『デスノート』第2部
「デスノート」はノートに名前を書かれた人間は死ぬというインパクトから実写映画化やテレビアニメ化・ハリウッドリメイクまで社会現象と化した大ヒットコミックス。そんな「デスノート」だが、中には月とLで決着をつけて欲しかったと考えている人も多いようだ。自分は結構ニアとメロが登場する第2部も好きだし、Lが敗れたキラに対して、Lより確実に能力的に劣るニアとメロの2人が協力するという形ではなく、あくまでも互いがそれぞれのベストな行動をとった結果、キラを追い詰めることができという展開も好きだった。
ただやっぱりLにキラを倒して欲しかったというファンの気持ちも分かる。そのため本作の実写版のラストはそういうファンの気持ちに答えるキラとLによるオリジナルの決着が描かれていて評判も良い。
原作者も「デスノート 13」のインタビューを読むとライトとLのラストも考えていたと語っている。しかし色々な要因からラストはニアとメロとの戦いまで描いたとしている。この色々な部分は本作が大ヒットしたことから編集部の判断で連載が引き伸ばされたのではと憶測が立っている。もちろん未だにその真相は明らかにはなってない。
- 『バクマン。』のラスト
ただ「デスノート」コンビが本作の次に連載した漫画家を目指す主人公たちを描いた青春サクセスストーリー「バクマン。」では非常に興味深い展開がある。
主人公たちは「REVERSI」という黒悪魔と白悪魔が戦う漫画を連載する。黒悪魔の方は自分の考えが全て正しいと思っているあらゆる面で優秀で馬鹿な高校生に取り付き、その高校生は黒悪魔の洗脳の能力を使い自分の考えを多くの人に植え付け世の中を良くしようとするダークヒーローになる。これは夜神月の思想と酷似している。またこの作品では黒悪魔に取り憑かれた高校生と対決する白悪魔に取り憑かれた高校生も現れ黒と白の戦いが描かれる。これは「デスノート」を思わせる構図だ。この作品は黒悪魔と白悪魔の戦いをスピーディかつ目まぐるしい展開を見せることで大ヒットする。しかし黒悪魔と白悪魔の戦いでは何年も連載することは難しく主人公たちは作品の完成度を考え無理に続けるより綺麗に完結させたいと連載開始から約1年で編集に相談する。
しかしテレビアニメ化も決まり勢いに乗っている作品を簡単に終わらせたくない編集は黒悪魔と白悪魔の戦いの決着を付けた後に別の敵を出して第2部をやらないかと提案する。
ちなみに「デスノート」はキラとLの決着が付いた後に数週間の休載を挟み第2部を開始している。このことを踏まえると「デスノート」連載時にこんなやりとりがあったのでは勘ぐってしまう。
そして「バクマン。」では現実世界の「デスノート」とは異なり主人公たちは作品の完成度を考えて連載終了を編集に詰め寄る。その熱意に押され編集も連載終了を受け入れる。結果的に主人公たちは自分たちが初めから考えていた理想の最終回を描くことに成功する。
そしてその最終回は大ヒットマンガにも関わらず引き伸ばさずに綺麗に終わったことを評価され、読者アンケートでもぶっち切りの1位を獲得して売り上げと作品評価の両方を得て主人公たちは「週刊少年ジャンプ」で1番の漫画家になる。
この展開を読むとやはり作者は「デスノート」も「本当はキラとLでラストを迎えたかったのかなー」と考えてしまう。一方でこういうのって「深読みしすぎてるのかな?」「作者も結果論第2部をやったことで儲けたわけだからそこまで気にしてないのかな?」と思ったりもする。ただ多かれ少なかれ思うところはあるんじゃないのかなーと勝手に推測してる。最後にもう一度繰り返すが自分は「第2部」もデスノートをミサイルでぶっ飛ばしたりなど破茶滅茶なエピソードが多いのも含めて普通に好きです。
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