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意外と決着の瞬間を見せてくれない怪獣プロレス映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』ネタバレ感想

Godzilla x Kong: The New Empire (Original Soundtrack) [Analog]

『ゴジラ×コング 新たなる帝国』を観た。

 

本作は日本が『シン・ゴジラ』『ゴジラ−1.0』とシリアス方向のゴジラ映画が続いている一方で「ハリウッドは莫大な予算を注ぎ込んだVFXを駆使して東宝チャンピョンまつり時代の怪獣プロレスをやろうとしている!」と大きな注目を集めたタイトル。本編では開幕早々コングが犬型のモンスターを真っ二つに引きちぎり緑色の体液を全身に浴び、ゴジラが都市に現れたモンスター相手に熱戦をゲロ袋に吐くかのように浴びせて黄色の大量の体液が画面いっぱいに飛び散るなど中々の映像を繰り広げられ「これはとんでもなく凄い映画なのではないか」と期待感を煽られた。コングが体液を洗い流すかのように滝でシャワーを浴びるシーンや戦闘を終えたゴジラがコロッセオで眠りにつくシーンなども最高だった。

 

 

ただその次のコングの虫歯を抜くシーンでコングの虫歯にロープを巻き付けるシーンなどはやたらと丁寧に見せる反面、抜歯の瞬間そのものは真正面から見せてくれない。これはその次のコングとヘビ型のモンスターとの戦闘もゴジラとピンク色の光を放っていた海洋生物との戦闘も同様で敵怪獣の登場シーンや戦闘過程は大迫力で見せてくれても、決着の瞬間には真正面から見せずにバラバラになった死体など決着のみを見せる。これらのシーンには「折角世界各地を移動しながら戦闘を繰り返していく『ゴジラ FINAL WARS』的な勢いがあって楽しいんだから、もうちょっと決着の瞬間をちゃんと見せてくれればいいのに…」と思わずにはいられなかった。

 

 

またコングとスカーキングの戦闘パートも「何を言ってるか分からないのに、身振り手振りから何を言ってるのか何となく分かる」みたいのは面白く思ったが、画面的には似たような猿ばかりでやや退屈。エジプトのピラミッドを舞台にしたゴジラとコングのプロレスバトルも楽しくはあるが、クライマックスのバトル含めて「見世物」的な演出だったので『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の「神秘」的な演出が好みの自分としてそこまで興奮はしなかった。ただ「これが堪らないんだよ!」と喜んでいる人も沢山いるようなので、多様なスタイルの作品が作られるのは「ゴジラ映画の魅力だな」と改めて感じたりもした。

 

 

そんなこんなで楽しい作品ではあったが、個人的にゴジラ映画に求めるのは「怪獣プロレス」よりも「絶望感」と「神秘性」なんだな、と再認識した。

 

ゴジラ-1.0

ゴジラ-1.0

  • 神木隆之介
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