新型コロナウイルスの影響でアメリカの映画館は閉鎖された。その結果、ディズニー・ピクサー最新作『2分の1の魔法』の全米興行が1億ドルを下回るのが確定した。これは1995年に『トイ・ストーリー』が公開されてから、24年間で22作品を公開してきたピクサー映画としては初のことである。
これまでのピクサー作品のワースト全米興行は2015年に公開された『アーロと少年』の1億2300万ドルだったが、本作はその「2分の1」の興行収入6100万ドルに留まった。ただし本作のオープニング興行は4000万ドルを超えており、新型コロナの影響がなければ5000万ドル超えのオープニング興行も見込めたとされている。また『アーロと少年』は「ロッテントマト」での批評家支持率76%、観客支持率65%と両者90%超えを記録することも多いピクサー作品としては「物足りない評価」だった。一方で本作の批評家支持率は87%、観客支持率は95%と高評価を記録している。そのため本作も新型コロナの影響がなければ2億ドル前後の興行収入を記録できた可能性も高かっただろう。
本作の製作費は未発表だが、続編を除いた近年のピクサー作品の製作費は『リメンバー・ミー』『アーロと少年』『インサイド・ヘッド』と1.75億ドルが続いていた。ここから本作も同程度の製作費が投下されていると推測できる。そのため本作の全米興行はかなり厳しい結果と捉えることができる。
アメリカでは3月6日に公開したばかりの本作を、新型コロナ感染拡大の影響で3月20日からデジタル配信を開始するという異例の措置を取ったという。日本での公開は3月13日を予定していたが延期された。現在、新たな公開日は発表されていない。ピクサーは今年6月に最新作『ソウルフル・ワールド』の公開を予定している。果たして予定通り公開できるのか…
参考文献
Rotten Tomatoes: Movies | TV Shows | Movie Trailers | Reviews - Rotten Tomatoes