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「首都圏外出自粛要請」「シネコン一部営業休止」 猛威振るう新型コロナ、動員ランキング1位も「週末興行1億円割れ」

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首都圏の「外出自粛要請」により、首都圏の一部シネコンは営業を休止した。シネコンは換気などの観点から新型コロナの感染リスクが低い場所という話もある。しかし1人客ならマスクをして黙って鑑賞して終わりだが、友人やカップルなど複数人で鑑賞するような人たちは1つのポップコーンを共有するケースも多い。そのため感染リスクが低い場所とはいえない。今週は全国300館規模で封切られる新作映画もなかったこともあり、週末興行は前年比で80%以上ダウンしたという報道もあった。新型コロナ感染拡大の観点から言えば「良い結果」、むしろ「動員数0人」が望ましいのだろうが、映画関係者からすれば「厳しい週末」となった。

 

 

小説 一度死んでみた (角川つばさ文庫)

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY:ザ・アルバム

今週動員ランキング1位を獲得したのは先週末公開された広瀬すず主演の『一度死んでみた』。公開1週目は同日公開だった『ハーレイ・クインの華麗なる逆襲』に次ぐ2位に甘んじたが、今週は見事な逆襲を果たした。とはいっても、興行ランキングでは先週に引き続き『ハーレイ・クインの華麗なる逆襲』に軍配が上がったようだが… 今週末は正確な週末興行の数字は発表されていないが、『一度死んでみた』は前週比55%ダウンだったという。本作の先週末の興行収入は8600万円だったので、今週末の興行は3870万円程度だったことが予想される。おそらく『ハーレイ・クイン』も本作の+α程度の週末興行で5000万円に届いていない可能性も高いのではないかと感じる。少なくとも動員ランキング1位の作品が「週末興行1億円割れ」という映画興行の観点からはかなり厳しい結果となった。

 

 

リトルプリンス 星の王子さまと私(字幕版)

007 スペクター (字幕版)

自身が記憶する限り動員ランキング1位の作品が「週末興行1億円割れ」となったのは2015年11月最後の週末だ。このときは動員ランキング1位を公開2週目の『リトルプリンス 星の王子さまと私』が獲得していたが週末興行は7801万0200円と1億円を割っていた。ただこの週は何か日本にとって映画どころではない異常事態が起きていた訳ではなく、冬休み興行直前で純粋に作品ライナップに乏しかっただけだ。またこの週は動員ランキングに反映されていないだけで、その翌週に公開された『007 スペクター』の先行上映が行われており、週末3日間で4億円近い興行を記録していた。そのため「春休み興行真っ最中」だが「新型コロナの影響をモロに喰らった」今週末とは全然状況が異なるし、翌週からは冬休み興行向けの映画が続々と公開され明るい未来が約束された中での不遇週だった。今は春休み興行に続き、ゴールデンウィーク興行も絶望の状況だ。

 

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR パンフレット

仮面病棟 愛蔵版

ちなみに全国35スクリーンで公開された『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』は「外出自粛要請」かつ公開同日に「Amazon Prime Video」で編集版が独占配信されている背景を考えれば、中々の高稼働だったという。また若者層から支持を集める公開4週目の『仮面病棟』は先週より動員ランキングを2ランクアップさせ、トップ3にランクインした。ただし新型コロナウイルス感染拡大防止のための「外出自粛要請」が出ていたことを考えれば、この結果を素直に喜ぶことはできないのだろう。

 

 

シネコンは『映画ドラえもん』『2分の1の魔法』と話題作品の公開延期が相次ぎ、今年の春休み興行は苦しい状況に陥った。それはチケットの売り上げだけでなく、ポップコーンやジュースなど売店の売り上げにも大きなダメージがあったことだろう。そのうえ今週末は「営業休止」もあり、より厳しい状況になった。更に今後新型コロナの感染拡大が終息しなければもっと酷い状況になることも予測される。そのため今は出来るだけ「不要不急の外出」以外は避けるべきなのだろう。ただ映画に限らず2月末から真面目に自粛しているイベントなどの関係者は、既に「経済的」にも「精神的」にも限界が近いのではないかと感じる。安倍首相も「長期戦を覚悟」と宣言するなら、その長期戦に耐えうる最低限の補償はして欲しい。真面目に自粛してた人たちが一番バカを見るハメになるのだけは避けて欲しい。