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【ネタバレ感想】「スパイダーマンのことが好きだ」と再認識させてくれる幸福感溢れる映画『ノー・ウェイ・ホーム(NWH)』

映画 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 特別版パンフレット 未読

ネタバレ注意

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が公開さてから早いもので既に4日経つ。

 

  • 「自分が思ってたより『アメスパ』が好きだった」

本作を観て一番良かったのは「自分が『スパイダーマン』の何に魅力を感じていて、何処が好きなのか」の解像度を高めた上で、「自分が『スパイダーマン』のことが好きなんだ」を再認識できたことだ。本作には過去シリーズのヴィランだけでなく、トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールド演じるスパイダーマンも登場する。自分は一応トビー版がリアルタイムで公開してるくらいから、意識して『スパイダーマン』の映画版は観てきた。そして『アメスパ』は2作目公開時に評価を上方修正して打ち切りを悲しむも、1作目の初鑑賞時は「前のヤツの方が好きだな〜」と思った人間だ。

だから長年「サム・ライミ監督版>『アメスパ』」を自称してきたし、本作公開のタイミングで観直した時も「やっぱりサム・ライミ監督版が一番好きだな」と思った。ただ本作ではトビー登場シーンではなくアンドリュー登場のシーンの方に嬉しい涙が出た。そしてMJをキャッチしたシーンでは心の底から報われた気がした。前々から『アメスパ』にも思い入れがある方だと思っていたが、本作を観て「アレ?もしかして自分が思ってるより、遥かに自分は『アメスパ』のことが好きなのかも」と気付くキッカケとなった。

 

 

  • 色々な人の好きな所が分かる幸福感

一方で本作には不満点がある。それは『スパイダーマン3』及び『アメイジング・スパイダーマン』でピーターと和解したはずのサンドマンとリザードが再び敵対関係に陥ることと、両シリーズのハリーの登場つまりは救済パートがなかったことだ。ただこれも自分が過去の『スパイダーマン』シリーズに思い入れがあるからこその話で、本作は自分に限らず不満点を述べている部分がそのままその人にとっての『スパイダーマン』の好きな所、大事にしている所の表明になっているというのが良かった。これは肯定意見にもそのまま当てはまることで、公開初日によく見られた「最高としか言えない!」という感想も掘り下げてみれば「二次創作で散々夢見た3人の絡みが実現したのが良かった」「トビー・マグワイアという役者が再びスパイダーマン役を演じてくれたのが良かった」「オズボーンのグライダーによる死を防げたのが良かった」「ホーム3部作をかけて独立したピーターが良かった」とそれぞれがそれぞれ違う『スパイダーマン』映画の好きなところの表明になっているので、とても楽しく読めた。正直、10年も20年も前の映画の思い出を多くの人が同時に熱心に語ることなど、地上波放送くらいの機会しかなく、『スパイダーマン』の場合MCUが展開中だし、過去作全てが放送されることはあり得ない訳だから、『NWH』というシリーズを総括する映画が公開されたことはとても幸せに思う。

 

 

  • 最後に…

自分にとって『スパイダーマン』映画の魅力はベンおじさんやグウェン、メイおばさんと、大いなる力を得たことによって大切な人を失ってしまう喪失感や無力感と、それでもそれらを乗り越えてピーターが「親愛なる隣人」として前に進んでいく部分だと再認識した。

 

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