ネタバレ注意
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で「サム・ライミ監督版と『アメスパ2』のハリーは救わないのか!」という批判をよく見る。というか、自分もした。恐らくグリーンゴブリンは1人でいいという「大人の都合」による判断なのだろうが、今回は両ハリーも救われた可能性を考えてみる。
- サム・ライミ監督版『スパイダーマン』のハリー
まずはサム・ライミ監督版のハリー。ただその前に個人的に『NWH』の最大の欠点はサム・ライミ監督版はドクター・オクトパスとサンドマン、『アメスパ』のリザードはそれぞれの物語内でピーターと和解しており、「態々別のユニバースに引っ張り出してきて戦う必要はあるのか?」「あのそれぞれのユニバースであった和解の物語は何だったんだ…」というモヤモヤが生まれてしまうことだった。そのため『スパイダーマン3』でニューゴブリンと化したハリーも、劇中でピーターとお互いを許し合い和解していることから、「別に改めて傷を癒す必要はない」という立場だ。
その一方でサム・ライミ監督版のハリーは『NWH』で救われた面もあったのではないかと思う。というのも、ハリーの父・ノーマンのグリーンゴブリンがMCUでcureして貰うことで自身の罪を自覚し、その上で自分の世界の死ぬ直前に戻った場合、『1』のラストのようにピーターをグライダーで刺し殺そうとするも失敗して自身が死ぬことになる、という展開にはならず、ピーターと和解し、自らの罪を認めて警察に自首したのではないかと思う。そうなれば、ハリーは尊敬していた父の犯罪にショックこそ受けるも、「スパイダーマンが父を殺した」「そしてその憎き相手はピーターだった」というヴィラン誕生の動機はなくなり、結果的に傷を負いながらも救われた可能性を妄想することが出来る。
- 『アメイジング・スパイダーマン2』のハリー
次に『アメスパ2』のハリー。こっちのハリーはサム・ライミ監督版のハリーと違って、シリーズが打ち切りになったこともあり、血を分けてくれなかったピーターを憎んだままの状態であり、「既に和解したヴィランを再度救うより、まずこのハリーを救ってくれ!」「お祭り映画だぞ、救いはないのか。」という状況。それにも関わらずMCUには登場しない『アメスパ2』のハリーだが、好意的に捉えれば、MCUのMJを救ってグウェンのトラウマを克服したピーターが自分の世界に戻った後に、改めてハリーと向き合うことで和解に向かった可能性はある。多分、トビー・マグワイア演じるピーターの「親友に殺されそうになって、最後は自分の腕の中で死んだ」みたいなセリフも支えになったのではないかと思う。現にハリーは『アメスパ』の世界で今も生きてるのだから、いくらでも救われる可能性があるはずだ。
- 最後に…
ところで、性格もビジュアルも違ったエレクトロもcureされた後に死ぬ直前の自分の世界に戻ったのなら、ピーターと和解して、その後のグリーンゴブリン戦を共闘、グウェンの死も回避みたいな都合のいい世界線は生まれていないのだろうか… そして『NWH』からも、過去シリーズのファンからも特に「救いを…」という声のない『スパイダーマン3』のヴェノムって一体…
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