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【ネタバレ感想】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は「ピーター・パーカー自身が蒔いた種を尻拭いした話」なのか否か

映画 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 特別版パンフレット 未読

ネタバレ注意

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に対して「結局、ピーターが自分で蒔いた種の尻拭いをしているだけの話」みたいな感想を読んだから、思うところを書いておく。

 

世間的な所が言うピーターの蒔いた種とは「ドクターストレンジに頼んでみんなの記憶からスパイダーマンの正体を消してもらおうとしたこと及びその邪魔をしたこと」であり、「別ユニバースから来たヴィランを救おうとした結果、彼らの暴走を招いてしまったこと」にあるのだろう。

 

 

そのうち前者に関しては、そういう状況にまで陥ったのは「ミステリオがフェイク映像を流出させたこと」にあり、次に「その映像をデイリー・ビューグルが大した検証もせずに大々的に報道したこと」にあり、その上で「世論がその報道を受けて加熱したこと」にある。勿論、あの世界の住人がどの程度ピーターらに対して冷たく当たっていたのか、他のメディアはどういう報道スタンスを取っていたのか等は定かではないが、少なくとも捜査機関が逮捕の末に「証拠不十分で不起訴処分」と判断した後も、家には石が投げつけられ、学校には野次馬が集まり、校内でも居ずらく、ピーターだけでなく同じく捜査対象となった恋人のMJと親友のネッドも大学に不合格になるくらいにはあらぬ罪により酷い目にあっている。

 

そのことを踏まえると、本来社会全体の問題だったものがピーター個人の問題にすり替えられ、尚且つピーター個人が全責任を取る形で「みんなの記憶から消える選択」をしても観客から「自分で蒔いた種を尻拭いしただけだよね」的な感想を持たれるのは可哀想に思う。そもそもドクター・ストレンジが呪文を唱える前に、もう少しピーターに説明すべきだった。

 

 

そんなこんなでピーターはメイおばさんを失い、彼女のMJと親友のネッドの記憶からも消え、高校に在学していた事実すら無くなったみたいだが、一人暮らし用の狭い部屋にあった「高卒認定の勉強本」と自分でミシンで作ったスーツを着て、人助けを始める前向きなエンディングにはグッときた。

 

 

そして「これでMCUからピーターが消えても不自然じゃないね!」という感想を見て、「あっ…」となった。

 

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