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『ザ・バットマン』公開記念、歴代映画「興行収入」振り返り/ティム・バートン及びジョエル・シュマッカー両監督作品編

ザ・バットマン (数量限定通常CDプレス盤)

『ザ・バットマン』が公開されるので、歴代『バットマン』シリーズを興行収入を軸に個人的な雑感を交えながら振り返る。今回はティム・バートン及びジョエル・シュマッカー両監督作品編。

 

  • バットマン

バットマン (字幕版)

まずは1989年公開の『バットマン』。後に『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』など数々のヒット作を世に送り出すティム・バートン監督の出世作。ティム・バートン監督は基本的にアメコミに興味がないというが、『バットマン』に関しては「分裂した人格を持った神秘の人物」として魅力を感じていたらしい。ノーラン監督以降のリアル路線とは異なるゴシック様式と工業都市が交じり合ったファンタジックなゴッサム・シティが魅力的。また『ダークナイト』『ジョーカー』を先に見てると美術館の絵に落書きしたりパレードをしたりしてるコミカルなジョーカーに意外性を感じるかも。興行的には遅過ぎた続編『ゴーストバスターズ2』の翌週に封切られて全米興行は製作費0.35億ドルに対して2.50億ドル、世界興行4.11億ドルを記録して暫くはその後公開の大作映画と常に比較対象となる記録的な大ヒットになったという。日本での興行収入は34.7億円とWikipediaに載っていたが出典なし。ただ配給収入的に本作が日本で1番観客を動員した『バットマン』シリーズであることは間違いない。

 

Batman - Box Office Mojo

 

 

  • バットマン リターンズ

バットマン リターンズ (字幕版)

次は1992年公開の『バットマン リターンズ』でティム・バートン監督が続投。監督は1作目と『リターンズ』の間に『シザーハンズ』を撮っている。バットマンよりヴィランであるペンギンとキャットウーマンに比重が置かれた作品。物語は奇形故に両親に捨てられるペンギンのシーンから始まり、その後も街の実力者の秘密を知ったことで殺されかけたカイルが部屋をメチャクチャにしながらキャットウーマンの衣装を縫うシーンとか、周囲がみんなマスクをして踊る仮面舞踏会でノーマスクで踊るブルース・ウェインとカイルみたいな観ていて辛く、切ないシーンが多い。ただどのシーンもとても印象的。幸せの象徴的なクリスマスが舞台故に、バットマンとヴィランの闇をより強く感じさせるのも作品の魅力。個人的にはトップクラスに好きな『バットマン』映画だが、世間的には「暗すぎる」とアメリカのマクドナルドのハッピーミールのおもちゃ発売が中止なったという話もあるくらいにアレな感じ。全米興行も製作費0.80億ドルに対して前作を大きく下回る1.62億ドルに留まり、世界興行も2.66億ドルと大幅ダウン。日本での興行収入も14億円と前作の半分にも達しなかった。

 

Batman Returns - Box Office Mojo

 

 

  • バットマン フォーエヴァー

バットマン フォーエヴァー (字幕版)

ティム・バートン監督からジョエル・シュマッカー監督にバトンタッチした『バットマン フォーエヴァー』。ティム・バートン監督推しの自分としては勝手に「前2作から監督交代して変な感じになった駄作だろ」という偏見を持っていたが、実際は前述した通り『リターンズ』が暗すぎてワーナー的には方向転換をしたかったみたい。ただティム・バートン監督も製作には残っている。その一方でタイトルは「ドラッグか何かをキメた奴が身体に彫り込んだ刺青みたい」とディスってる。ビジュアルを比べれば明らかなように、カラフルなヴィランとネオンが輝くゴッサム・シティが特徴の明るい作風。これはこれで魅力的。ティム・バートン監督前の実写化作品や一部コミック原作を好きな人からは「これこそバットマンだよ」という意見もあるらしい。全米興行は製作費1.00億ドルに対して1.84億ドル、全米興行3.36億ドルと回復。ただ1作目は下回る。日本での興行収入は9億円とシリーズ初の10億円割れ。

 

Batman Forever - Box Office Mojo

 

 

  • バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! (字幕版)

ティム・バートン監督が製作から降り、ジョエル・シュマッカー監督の作風がより強烈になった『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』は『フォーエヴァー』で自分が偏見を持っていたことが事実となった作品。しかもバットマン役がジョージ・クルーニーでMr.フリーズ役がシュワちゃんという「叩きがいのある要素」も揃っていた。開幕早々「ドゥーン」という効果音と共にお尻のアップが映るカットと乳首や股間を強調するスーツには目を疑った。全米興行は製作費1.25億ドルと当時としてはシリーズ最高の予算を注ぎ込んだにも関わらず1.07億ドルとシリーズ最低を記録。世界興行も2.38億ドルと振るわなかった。そのため監督が失敗を謝罪し、主演も駄作だと認めているという。ただ日本では興行収入14億円と前作超え。何だかんだ好きな人も一定数いる。

 

Batman & Robin - Box Office Mojo

 

  • 最後に…

『バットマン』シリーズは『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』の興行的失敗によりシリーズ凍結となった。復活は8年後の『バットマン ビギンズ』となる。

 

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