全米ではオープニング興行1億ドル超えの大ヒットスタートを切った『ザ・バットマン』が日本でも公開された。
- 「予習必要なし」も上映時間は約3時間
近年のアメコミ映画はユニバース化によって新作映画を観たいと思っても、その作品を楽しむには既存の作品を複数作把握していないとついていけないと警戒されがちで、初心者にとってはハードルが高くなりがちである。そんな中、本作は仕切り直しの1作のため本作からでも十分楽しめる、過去作の予習がいらない作品。そのため、初心者にもハードルの低い作品と思いきや、上映時間が2時間56分とアメコミ映画とか関係なく純粋に映画鑑賞のハードルが高い作品となっている。
- 過去の『バットマン』シリーズの興行収入は…
そんな本作のオープニング週末2.47億円、初日含めた3日間で3.7億円と最終興行15億円前後が見込めるスタート。以下は過去の『バットマン』シリーズの興行収入。
ティム・バートン監督
1作目 34.7億円
リターンズ 14.0億円
ジョエル・シュマッカー監督
フォーエヴァー 9.0億円
&ロビン Mr.フリーズの逆襲 14.0億円
クリストファー・ノーラン監督
ビギンズ 14.0億円
ダークナイト 16.0億円
ライジング 19.7億円
ザック・スナイダー監督
vsスーパーマン 18.6億円
ジョス・ウェドン監督
ジャスティス・リーグ 11.0億円
日本での『バットマン』シリーズの興行収入を振り返ると、14〜19億円に集中してるので、『ザ・バットマン』の最終興行が15億円前後なら可もなく不可もなくという感じ。アメリカでの大ヒットと比べると物足りなくも感じるが、それは『ダークナイト』とかもそうなので、日本での『バットマン』人気はこれくらいが限度なのかもしれない。
- コロナ以降惨敗続きだった「DC映画」に終止符
とはいっても日本でのDCコミックス映画の人気は『バットマン』シリーズは基本的に15億円前後のヒットを記録しているし、『ワンダーウーマン』も13.4億円、『アクアマン』も16.4億円と単独映画に絞れば基本15億円前後のMARVEL映画とも遜色ない。また2019年には『ジョーカー』が50.6億円の大ヒットを記録したりもした。だからDC映画の日本での欠点は「『ジャスティス・リーグ』みたいなヒーロー集結映画が『アベンジャーズ』みたいに伸びない」というユニバースの旨味が全く活かされないことにあった訳だが、コロナ禍以降は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』『ワンダーウーマン1984』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』と評価は高いのに興行的には10億円未満の惨敗な単独映画が続いていた。ただ『ザ・バットマン』は興行収入10億円超えはほぼ確実。コロナ禍以降、洋画が全体的に低調な日本としてはポジティブな話なのではないかと思う。
- 最後に…
日本での公開日が3月11日になったのは、内容を知る前に「アメリカの公開日と同じ日だと『映画ドラえもん』と被るから、次の週にしよう」的なことだと思うので、あまり責められるのは可哀想な気がしないでもない。
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