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『SPY×FAMILY』は期待外れ?『ウィッシュ』ヒットの日本はディズニー大好き?戦中・戦後映画が集中!冬休み興行収入2024

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2024年度冬休み映画興行の振り返り。

 

  • 『SPY×FAMILY』は期待外れ?

【チラシ2種付映画パンフレット】 『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(スパイ×ファミリー)』 出演(声):江口拓也.種﨑敦美.早見沙織

この冬最大のヒットはオープニング3日間だけで12.24億円を稼ぎ、最終興行60億円超えも期待出来る『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』だが、一部では『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『ONE PIECE』級の興行収入100億円超えのヒットが期待されていたようで、その意味では「肩透かし」との声も少なくない。日本映画で興行収入100億円超えなど一昔前は宮﨑駿監督作品以外あり得ず、ジャンプアニメの興行収入も一部例外を除けば基本的に良くて10億円台後半程度の時代を振り返れば、ここ10年の「新海誠監督映画3作品連続100億円超え」と「人気のテレビアニメの劇場版がコロナ禍以降次々と100億円突破」によって、随分価値観がインフレしたものである。その意味では「『SPY×FAMILY』は100億円突破できなさそうだから期待外れ」との風潮はちょっと可哀想ではある。

本作がある種の「興行的肩透かし」となっている要因の一つに近年の「原作と密接にリンクしたジャンプアニメ映画」路線ではなく「良くも悪くも一昔前の原作に影響を与えないオリジナルストーリーが展開されるジャンプアニメ映画」路線が「盛り上がるに欠けているのではないか」と指摘されている。

また「想定より若者や中高生が集まらず、ファミリー層がメイン」との指摘もあるようだが、本作の原作はベテラン作家が「ヒットを狙って描いた」作品故に、若者視点ではある種の手堅い作風が「物足りなく」思え、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』と同じような熱量でハマれるほどの魅力を作品から感じれなかった人が多かったのではないか、と感じる。中高生に関しては「高校在学中辺りでおさまるけど、小学校高学年辺りからアーニャみたいな子供ウケ狙ったキャラって、あざとく感じて距離置きたくならない?」みたいな感覚が共有できる人なら、中高生に思いの外ウケてない理由は何となく分かると思う。そのため「興行的肩透かし」の理由は「ターゲット層が意外と狭かった」なのだろうけど、勝手に期待を大きくしてた人が多いだけで、個人的には「こんなもんじゃね」感は強いし、客観的評価としても大ヒットであることは間違いない。

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  • 全世界大コケの『ウィッシュ』、日本ではヒット

【映画パンフレット】ウィッシュ WISH

「100周年」の「00」が「♾️」のディズニー100周年記念映画『ウィッシュ』は全世界・全米共に信じられないくらいの大コケとなっているが、日本では最終的に30〜40億円が狙えるヒット。日本は全米では大ヒットも中国・韓国など世界興行では大コケだった『リトル・マーメイド』は約34億円、全世界で大コケした『ホーンテッドマンション』も約22億円のヒットを記録していた。アリエルの黒人キャスティングが物議を醸した『リトル・マーメイド』公開時にSNSの海外のアンチっぽい垢が同じく海外の垢による日本でのヒットを「日本は実写のアリエスを愛してくれてる!」的喜びの投稿に対して「日本はディズニー大好き国だから」と嘲笑するようなリプを送っていたのを目にしたが、この結果を見ると本当に日本はディズニー大好き国なのかも。ディズニーのCEOは立て続けの興行不振の理由を「ポリコレ」と見ているようだが、正直「そういう問題なのか?」感はあるし、コロナ禍初期に劇場を切り捨て自社のサブスクでの配信に舵を切った影響をどのように捉えているのかも気になるところ。ちなみに日本での『ウィッシュ』の評判はそこそこだが、個人的にはこれまで民放の音楽特番でディズニーソングを披露していた生田絵梨花が吹替声優としてInstagramで宣伝してる姿が楽しそうなので「いいんじゃね」という気持ち。

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  • 戦中・戦後が舞台の映画が集中

【映画パンフレット】 ゴジラ-1.0 GODZILLA -1.0 監督:山崎貴 出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介 マイナス ONE

映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』オリジナル・サウンドトラック

【映画パンフレット】映画 窓ぎわのトットちゃん 監督 八鍬新之介 出演 声の出演:大野りりあな、小栗旬

【チラシ付映画パンフレット】 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』 出演:福原遥.水上恒司.伊藤健太郎

2022年末の『徹子の部屋』でゲストのタモリが「(来年は)新しい戦前になるんじゃないでしょうか」と発言した2023年末、映画館は夏からロングラン公開の宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』、山崎貴監督『ゴジラ−1.0』、水木しげる生誕100周年記念『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、黒柳徹子の自伝的小説のアニメ映画化『窓ぎわのトットちゃん』、女子高生が戦時中にタイムスリップして特攻隊員に恋をする『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』と「戦中・戦前映画」が集中。脚本が賛否両論もゴジラ描写は絶賛一色の『ゴジラ−1.0』は興行収入50億円超えのヒット。国内では『シン・ゴジラ』には及ばない見込みだが、「みんなが見たいゴジラ像」を提示したことが勝因か。ゲゲ郎と水木のコンビが女性から人気の『鬼太郎誕生日 ゲゲゲの謎』は口コミで前週比超えを連発して最終興行20億円超えも見込めるロングランヒット。パンフレットの入手困難さから東映にとっても予想外のヒットであることが窺える。「ナメてたけど傑作だった」とSNSで話題の映画『窓ぎわのトットちゃん』も最終的に10億円超えも期待できそうな推移。TikTokで話題の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は女子高生を中心に若い女性を集客して興行収入30億円も狙える大ヒット。「若者コンテンツ」の印象が強いが戦争モノ故か年配層も多い様子。メイン2人も朝ドラコンビなのが『ゴジラ−1.0』同様馴染みがあって強いのかも。

各作品単体でもそれぞれ魅力のある作品だが、『君たちはどう生きるか』と『窓ぎわのトットちゃん』は宮﨑駿監督、黒柳徹子という国民的スターの戦時中の幼少期を描いた自伝的作品、『ゴジラ−1.0』と『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は戦後の「戦争の生き残り」、『ゴジラ−1.0』と『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は特攻、とそれぞれテーマが被っていることから、「こっちの作品ではどういう描かれ方をしてるのだろう」と気になって色々観に行くという相乗効果が生まれている感じもある。

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  • 最後に…

映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」オリジナル・サウンドトラック

映画「首」ポスター,2023 KUBI 、北野武、西岛秀俊、加濑亮 宣伝ポスターアートパネル 壁絵 モダン 絵画 インテリア絵画 壁アート 壁掛け絵画 宣伝ポスター 印刷物(並行輸入) N17 (20x30cm-フレームレス)

【チラシ付き、映画パンフレット】 怪物の木こり 監督 三池崇史 出演 亀梨和也 菜々緒 吉岡里帆、

ポスター/スチール写真/チラシ A4 パターン1 ウォンカとチョコレート工場のはじまり 光沢プリント ※こちらの商品にはアクリルフォトスタンドは付いておりません。

最後にこの冬公開の商業映画の羅列。コケた訳ではないけど期待値は下回ってそうなのは最終興行25億円程度見込みの『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて』。前作は口コミでロングランヒットを記録したが、今回は関東を関西に置き換えただけで前回のようなコメディの語り口的新鮮さはないのでやむなしか。とは言っても「お祭り」感はあったので、これからも日本各地を舞台にした続編を期待したい。北野武監督『首』は製作費15億円を興行収入が下回りそうな推移。最終見込みの10億円台前半は近年のたけし映画の平均的な水準だが、製作費的にはそれ以上の数字が欲しかったはず。過去作をサブスクで配信して新規層取り入れとかして欲しかったが、色々揉めている様子。田中みな実との交際報道を否定しなかった亀梨和也主演・三池崇史監督『怪物の木こり』は最終5億円にも届かなそうな厳しい結果。SNLのハマスジョークがSNSの一部で炎上したティモシー・シャラメ主演『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は10億円台後半見込みのヒット。ただ宣伝で前日譚っぽさをアピールしてたけど実は関係ないどころか親の設定的に矛盾すら生じている『チャーリーとチョコレート工場』の最終53.5億円と比べると残酷。

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【チラシ付き、映画パンフレット】屋根裏のラジャー 監督 百瀬義行 出演 声の出演:寺田心、鈴木梨央

スタジオポノック『屋根裏のラジャー』はオープニングで1億円を割るレベルの大コケ。完成報告会見で製作遅れの公開1年延期もあって「スタジオ倒産、解散の危機」だと説明していたのもあって、普通に心配になるレベル。SNSでは凄い褒めてる人と「こりゃダメだ」と貶している人に結構ハッキリ割れている様子。敗因は「予告編を観てもどんな映画かイメージがつかない」などが指摘されている。同時期公開作品がファミリー層からすれば安牌っぽい『SPY×FAMILY』と『ウィッシュ』、映画ファンからすればアニメ映画は『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』と『窓ぎわのトットちゃん』が好評、というのも運が悪かった。「米林宏昌監督作品」ならともかく、「百瀬義行監督作品」というのも「誰?」という人が大半だろうし、「映画『二ノ国』の人だよ」と言われても「お、おう」感が半端ない。ただ予定通り去年の夏公開していても『ONE PIECE FILM RED』と『ミニオンズ フィーバー』のヒットであまり結果は変わらなかったのでは、感もある。年末のNetflixで上位を獲得していたスタジオポノック前作『メアリと魔女の花』が公開前に『金曜ロードショー』でタイアップ放送したり、その際に冒頭の本編映像を流したりと宣伝に力を入れてたように見えたがかなり厳しい結果。当初求められていたであろう「次世代のジブリ」ポジションから脱落した印象だ。

 

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