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【ONE PIECE/NARUTO/ハンターハンター/銀魂/ドラゴンボール/ヒロアカ/鬼滅の刃/呪術廻戦/スラムダンク】ジャンプアニメ映画の歴史

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ジャンプアニメの映画の雑感。

 

  • 原作者の関与をアピールした2010年代

ワンピース フィルム ストロングワールド

ジャンプアニメの映画とは『週刊少年ジャンプ』で連載されている漫画のテレビアニメの劇場版。この手のジャンプアニメ映画はオリジナルストーリーだと本編と深く関わる大きなイベントは描けないので、基本的に「パラレルワールド」とまではいかなくても「もしかしたらあったかもしれないね」程度の話。ただ2009年公開の『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』は原作者の尾田栄一郎先生が製作総指揮を務めたこともあって、「もしかしたらあったかもしれないね」のレベルが「もうこれは本編で描かれてないだけで正史として捉えても良いんじゃないの」くらいまで一気に上昇。

ワンピース フィルム ゼット

ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-

劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ

この映画が大ヒットしたこともあってか尾田栄一郎先生が総合プロデューサーを務めた2012年公開の『ONE PIECE FILM Z』は勿論、2012年公開『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』は岸本斉史先生が原案、2013年公開『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』は冨樫義博先生の未公開ネームが大元、2013年公開『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』は空知英秋先生がストーリー、と「原作者が関与が強いこと」をアピールする作品が増え、それぞれ一定の結果を出した。

ドラゴンボールZ 神と神

THE LAST -NARUTO THE MOVIE-

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング

この「原作者の関与が強いこと」をアピールする戦略は更に増し、2013年公開『ドラゴンボールZ 神と神』は鳥山明先生が脚本段階から深く関与することで事実上の原作の「続編」を展開。また2014年公開『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』では岸本斉史先生をストーリー総監修に原作の第699話と第700話(最終話)の間の物語を描いており、最早「本編」相当扱いの作品が誕生し、2019年公開『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』では堀越耕平先生が原作の最終決戦でやりたかったネタの一つを使った大胆な作品が公開された。

劇場版 名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)

ジャンプアニメではないが『週刊少年サンデー』連載の『名探偵コナン』の劇場版シリーズも2014年公開『異次元の狙撃手』で原作に先駆け沖矢昴の正体を明かすなど原作とのシンクロ率を高めていった。

 

 

  • 原作をそのままアニメ化した映画がヒット

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(通常版) [Blu-ray]

銀魂 THE FINAL

劇場版 呪術廻戦 0 DVD通常版

「原作者の関与が強いこと」をアピールした2010年代のジャンプアニメ映画はオリジナルストーリーが基本だったのに対して、2020年代に突入すると最早「原作者の関与が強い」どころではなく原作の本編の話をそのまま劇場版としてアニメ化して公開して成功する作品が連続した。その皮切りになったのが国内歴代最高興行収入を記録した2020年公開『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で、本作は原作の一編である『無限列車編』をアニメ化した作品だった。更に2021年には原作の最終章のラストをアニメ化した『銀魂 THE FINAL』と原作の前日譚をアニメ化した『劇場版 呪術廻戦 0』が大ヒット。ネットでは「オリジナルアニメ映画を作るより、原作を忠実に再現した高クオリティアニメ映画の方がヒットするとようやく製作側も気づいたようだ」とする趣旨の投稿も目立つようになった。

 

※以下『THE FIRST SLAM DUNK』の対戦校などのネタバレあり

 

 

  • 「原作そのまま」の風潮にカウンター

2映画チラシ『ワンピース フィルム レッド』【映画パンフレット】ONE PIECE FILM RED家の装飾ギフト、キャンバスアートポスター写真プリントモダンな部屋の装飾50CM/19.7inchX70cm/27.5 inch 木枠付

しかしそんな風潮のカウンターになったのは2022年公開の『ONE PIECE FILM RED』でシャンクスの娘ことウタを巡るオリジナルストーリーが大きな話題を呼び大ヒット。しかもこれまでの『FILM』シリーズと異なり「主人公・ルフィの性格に強い影響を与えた幼馴染の女の子が居た」という本編の物語に直接的な影響を与えることはなくても読者サイドとしてはこれまでの物語の読み味が大きく変わる重要な新設定を原作のコミックスが100巻を超えたタイミングで投入。それ故に一部原作ファンの中にはウタの存在を受け入れられずに強い拒否反応を示す層も生まれてしまったが、「最終章」を迎えるにあたって原作を思わず読み直したくなり、その際に新たな発見が見つかりやすい「補助線」型の作品となった。

【映画パンフレット】 THE FIRST SLAM DUNK 監督:井上雄彦 声の出演:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太 スラムダンク

また2022年公開『THE FIRST SLAM DUNK』は原作者の井上雄彦先生が脚本・監督で原作の最終戦となった「山王戦」を宮城リョータ視点で描く「原作をそのままアニメ映画化」と「オリジナルストーリー」の折衷案的タイプの作品を公開。こちらも「原作そのままでいいよ」派に一石投じる作品となっている。

 

 

  • 最後に…

とは言っても「原作を高クオリティでアニメ映画化」するタイプの作品も大好きなので、今後も色々なタイプの作品が公開されることを望む。

 

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