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原作未読だけど話題だから『「SLAM DUNK」ジャンプ』だけ読んで『THE FIRST SLAM DUNK』を観てきた感想

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ネタバレ注意

『THE FIRST SLAM DUNK』を観た。

 

  • 『「SLAM DUNK」ジャンプ』を読んで鑑賞

『SLAM DUNK』ジャンプ (集英社ムック)

原作は公開初日まで未読。正確には昔携帯ショップの待ち時間でコミックス1巻の1ページ目だけ読んだことがある。つまり未読。知ってる情報は色々な場所でパロディされている「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と「バスケがしたいです…」程度。あと最終戦が山王戦でその後に湘北がどういう顛末を辿ったのか、も知っている。でも桜木が「うぉぉぉぉぉ!天才桜木!」と言うとかバスケを始めてまだ4ヶ月の素人とかは知らなかった。また流川とか宮城とかに関しては存在すら知らなかった。そんな訳で映画は「スルーかな」と思っていたが、「声優交代」の大炎上とあらすじすら公開しない徹底的に伏せた宣伝、それでいて公開1ヶ月前から予約開始という強気な姿勢等、SNSで話題になる度に興味を惹かれ、公開初日の朝から絶賛レビューが相次いだことで鑑賞を決意。とはいっても完全丸腰で行くのも心許ないので、映画公開のタイミングで発売された「新規読者に向け、原作漫画全276話より物語のベースとなる24話を厳選収録。この一冊で、湘北高校バスケ部の結成と奇跡の進化が分かる!!」という『「SLAM DUNK」ジャンプ』を購入。一部の人からは「勿体ない消費の仕方を…」と怒られそうな気もするが、公式推奨なので許して欲しい、と自分に言い聞かせる。厳選された24話の中にそもそも第1話が入ってないことには面を食らったが、「なるほど、桜木の好きな女の子のお兄ちゃんはバスケ部のリーダーでなんかよく分からないけど、勝負に勝ってバスケ部に入ることになったんだな」「名セリフ扱いの『あきらめたらそこで試合終了ですよ』と『バスケがしたいです…』って、繋がりがあったんだな」など大雑把な流れを把握して劇場に向かった。

 

 

  • コート内視点での試合展開

【映画パンフレット】 THE FIRST SLAM DUNK 監督:井上雄彦 声の出演:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太 スラムダンク

普段そこまでスポーツを見ない自分だが、鑑賞当時はサッカーのワールドカップ開幕中ということもあってスポーツに結構触れていた時期。本作は「まるで本当の試合を見ているよう」的な感想が頻繁に流れてきたので、サッカーの生中継同様にコート全体を上から見渡すモニター越しでの神の視点で観戦する気満々でいたら、コート内の視点で試合が展開するのでビックリ。もちろん、過去に『黒子のバスケ』など他のスポーツアニメでコート内視点で描かれる作品など一定数触れてきたが、リアルとフィクションの試合を同期間に集中して触れたことで「コート内の視点で試合を体験できるのはアニメならではだよな… 実写だとゴール下からのアングルの撮影とか難しそうだし…」と改めて気づくことができた。またサッカーとバスケと競技が異なるために単純比較は出来ないが、本作公開数日前に試聴したスペインとの試合で日本が後半戦の序盤で2点入れてからはその後30分以上基本守りの姿勢に徹していて最後の方は少し飽きてしまった(これは自分の日本チームへの応援度が低かっただけで、心の底から日本の勝利を願って応援してた人からすれば最後まで緊張感があったのだろうが…)ので、試合時間残り1秒まで試合の展開が動くのは「フィクションならではの面白さだよな…」とも思った。逆に後半序盤でミリ単位レベルのゴール際キックが見れるのがリアルの醍醐味。クロアチア戦のPK戦で日本の一発目が止められた瞬間の「さっきまで接戦してた日本はどこに…」感が半端なかったのもある意味フィクションではあまりない味わい。延長戦まではフィクションみたいな接戦だったのに… でも同格だと思ってた相手に最後に基本的なところで(PKがそれに値するかどうかサッカー弱者の自分には判断つかないが…)絶対的な差を見せつけられる、みたいな展開もやっぱ見る気がするのでフィクションは無敵かも。

 

 

  • セルルック風3DCGアニメによるスポーツ漫画表現

映画の感想なのかワールドカップの感想なのか分からなくなってきたが、公開前に懸念されてたセルルック風3DCGアニメ表現も『スパイダーマン:スパイダーバース』みたいなアメコミ表現や『竜とそばかすの姫』のインターネット空間の表現の他に「こんな相性の良い表現もあったのか」と思えるほどスポーツとの相性は良かったと思った。正確にはスポーツ漫画との相性なのかもしれない。ただ桜木がケガをして倒れてるところの頭のアップはちょっとキツかった。また桜木が選手生命と天秤にかけて「俺は今なんだよ」的な展開は近年の色々な問題と照らし合わせると「これが現実の話として判断が迫られた場合、エモに流れていいのだろうか…」とも思った(2018年の骨折選手四つんばいリレー問題とかを思い出した)が、ラスト1分の攻防は映像的に見応えがあったし、匿名掲示板のまとめサイトとかで何となく目にしたことのあった試合展開が目の前で映像として展開していることに「おおっ!」と思えたので、観てよかったと思った。

 

 

  • 最後に…

大ヒットしているだけあって場内はほぼ満席で、上映終了後には「メチャクチャドキドキした」「楽しかった」「凄かった」と満足度の高さが伝わってくる良い映画体験だった、と言いたいところだが斜め前に座ってたポップコーンLサイズガブ飲みおじさんが前半超ノイズだった。後半は食べ終えてくれたので被害なし。Twitterを見てるとマナーの悪い客との遭遇率が高い映画っぽい。最後に試合中に回想が何度も挟まれるので「早く試合シーンが観たいな…」と思ったが、「静と動の対比が〜」みたいな話を聞いて「あの構成で良かったんだな」と思った。久々の「なんか面白そうだけど、自分門外漢だから大丈夫かな… いいや、取り敢えず飛び込め!体験」で楽しかった。ただ原作ファンでネタバレなしで観てたら「手描きオープニングで山王の5人が出てきた所で超興奮できただろうにな…」という後悔は少しある。でもほら、『スラムダンク』世代じゃなくて『黒子のバスケ』世代だから…

 

  • おまけ

ライムスター宇多丸も「黒髪の2人が初め見分けがつかなかった」的なこと言ってたので、『黒子のバスケ』のバリエーション豊かな髪色は初心者に優しい。

 

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