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【宣伝】宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』も『FF16』もプロデューサーは『THE FIRST SLAM DUNK』のヒットを意識

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今年の夏は国民的コンテンツである宮崎駿監督最新作と『ファイナルファンタジー』シリーズ最新作が公開・発売される。

 

  • 両プロデューサー、映画『スラダン』現象を意識

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宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』の鈴木敏夫プロデューサーは本作の宣伝をポスター1枚のみで「宣伝しない宣伝」を展開すると『文藝春秋 電子版』で明らかにした。その理由は昨年公開の『THE FIRST SLAM DUNK』が事前情報を絞った宣伝でメガヒットした顔を踏まえた上で「今は宣伝過多、情報を確認するために映画を観たりする、それは過剰サービス、(ポスター1枚のみの宣伝は)お客さんも潜在的に望んでいる」「14日(公開初日)に色んな人が色んなこと言ってどれが正しいか分からない状態にしたい、それがみんな楽しい」などと説明し「それが結果的としては映画館にとって良いことになるんじゃないかな」と期待を口にした。

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また『FF16』の吉田直樹プロデューサーも『NewsPicks』での落合陽一さんとの対談動画で『THE FIRST SLAM DUNK』で起きた現象について「プロモーションが事前にバタバタしてた面があった、若干みんな半信半疑だったと思う」「でも熱量ある人たちが観に行った時に『絶対観に行った方がいい』『スラダン好きなら絶対観て』というあの引力に多分勝てるものはないんですよ、実は今のPR」と語った上で「シッカリマスに発売したってことを伝えた上でゲームが面白ければ、後は世界中で配信してくださる方や楽しんだという声が出れば出るほど『じゃあ、PS5と一緒に買ってみようか』(みたいに長期的に売れていくと思う)」と説明していた。

 

※『FF16』はプロデューサー曰くPS5の普及率等を加味して18ヶ月の長期計画でヒットを目指す方針

 

 

  • 口コミで長期的ヒット

「ポスター1枚のみでそれ以外は宣伝しない」と「マスに向けた宣伝はシッカリやる」という根本的な違いはあれど、両作品は『THE FIRST SLAM DUNK』の現象を意識した上で「作品が面白ければ口コミで広がるし、今はそれ以上に効果のある宣伝はない」という考えで共通している。実際両作品のブランドは全盛期に比べれば落ちているとはいえど、どちらも公開または発売初日に鑑賞または購入する固定ファンが一定数いることから最低限のオープニングが約束されているのは明らか。そしてそうした初日に鑑賞または購入する固定層以上に「気になるんだけど、どうなんだろうね」と様子見している層の数は多い。この手の様子見層というのは初日に鑑賞または購入はしないが、初日から熱心にレビューは確認したりする。ここで作品が本当に面白ければインフルエンサーが「絶対観に行って!」と熱く語り、それを観た様子見層が動き始め、その様子見層も「本当に面白かった、絶対観に行った方がいい」と熱量の高い感想をネットに限らずネットの外でも拡散し始めれば、その評判は公開日や発売日を知らないようなライト層にも伝わり、お盆休みやら何やらの長期休暇のタイミングで爆発して、更にそのことが話題となり、より多くのお客さんを長期的に見込むことができる。

 

 

  • 最終的に「作品の面白さ」次第

逆に言えば初日に鑑賞または購入するような層の反応が「うん、まー、人を選ぶとは思う、でも自分は好きな所沢山あったし、絶対観て損はないと思うので、自分の目で確かめてみて!」みたいな奥歯に何かが詰まったような表現だったりすると映画『スラダン』現象を起こせるかは怪しくなってくる。この手の微妙なニュアンスは案外様子見層には敏感に伝わってくる。「ぶっちゃけラーメンの方は『カップ麺としては普通に美味しい』くらいなんでしょ」「でもご飯の方は本当に美味しんだよね」、みたいな感じで。だから結局は両作品が長期的なヒットを見込めるかは作品の出来次第。ブランドは国民に十分浸透してるから、後は「作品が面白いかどうかだけ」という純粋に熱い。どのような推移を見せるのかも楽しみだ。

 

 

  • 最後に…

最後に「基本宣伝しない」戦略としては村上春樹の新刊もそうだったが、発売初日には本屋は新刊でタワーを作って、それを発売と同時に購入するファンの様子がメディアが報じることで「お祭り感」が演出されていたから、ブランドがあると宣伝を抑えても周囲が勝手に盛り上げてくれる、という面は確実にある。『君たちはどう生きるか』も製作委員会方式ではないのに日テレが『金曜ロードショー』で過去作品放送してくるしね。

 

 

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